就業経験者の58.5%が仕事や職場に不満を感じつつも、3人に2人は「何も行動していない」
――「連合および労働組合のイメージ調査2026」
連合運動
連合(芳野友子会長)は4月16日、「連合および労働組合のイメージ調査2026」の結果を公表した。調査結果からは、就業経験のある人の6割近くが仕事や職場に不満を感じている一方で、その解消に向けて労働組合に相談した人は1.8%に過ぎず、不満を抱く3人に2人が何も行動に移さないなどの実態が明らかになった。連合を認知している人は全体の46.9%。連合の取り組みで知っているものは、「春闘の実施」がトップだった。なお、連合は同日の中央執行委員会で2026年の登録人員が677万8,431人になったことを確認。これに基づき、公称を「678万人」にする。
調査は、連合・労働組合の認知度や連合に対するイメージなどを把握することを目的に今年1月、インターネットリサーチにより実施。全国の15歳以上の男女1,000人の有効サンプルを集計した。
有職者の約6割が「仕事・職場に不満がある」と回答
それによると、就業経験のある866人(現在働いている人、または過去に働いていた人)のうち、仕事・職場に対する不満がある(あった)人の割合は58.5%で過半数を占めた。その内容(複数回答)は、「賃金が低い」(26.9%)が最も高く、次いで「人間関係がよくない」(17.8%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(13.5%)、「仕事の内容」「会社の将来に不安がある」(いずれも11.8%)などが続いた。
現在働いている有職者(676人)に絞ってみると、不満がある人の割合は59.2%とやや高くなる。不満の内容(複数回答)もほぼ同じ傾向で、「賃金が低い」(28.3%)が最も高く、以下、「人間関係がよくない」(14.3%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(13.3%)、「会社の将来に不安がある」(13.0%)、「仕事の内容」(11.1%)などだった。世代別では、不満がある人の割合が高かったのは30代(63.5%)と40代(63.0%)でどちらも6割超。50代も59.6%で6割近くが不満を持っていた。30代は、「会社の将来に不安がある」(19.2%)割合が全体に比べて6.2ポイント高い。
仕事・職場の不満解消のために「労働組合に相談」した人はわずか1.8%
現在働いていて仕事・職場に対する不満がある人(400人)に、仕事や職場の不満を解消するためにどのような行動をとったかを聞くと、「何もしていない」が67.8%にのぼり、不満を抱えている人の3人に2人が解消に向けた行動を起こしていない実情が明らかになった。何らかの行動を起こした人の内容(複数回答)は、最も高い「人事・上司に相談した」が12.5%。あとは「家族・友人に相談した」(10.8%)、「退職・転職した」(7.8%)、「部署異動を願い出た」(4.0%)、「(労働基準監督署、労働局などの)行政に相談した」「外部の専門家に相談した」(いずれも3.3%)、「労働組合に相談した」(1.8%)、「労働組合を結成した」(1.3%)と、どの選択肢も低い割合にとどまった。
そこで、現在働いていて仕事・職場の不満を解消するために行動していない人(271人)に、その理由(同)を尋ねると、「不満の解消は諦めている」(36.5%)、「解消までの労力を割きたくない」(31.4%)、「解消する手段を知らない」(25.1%)が上位に並んだ。仮に行動を取ったとしても、状況の改善に期待できないと考える人が少なくないようだ。
労働組合の認知率は就業経験の有無で大差
調査は、全回答者(1,000人)に「『労働組合』は、働く人が主体となって、賃金や働く環境を向上させるために、経営者などに対して法律上対等な立場で交渉ができる団体」だと説明したうえで、労働組合の認知度を質問している。その結果、「知っている」は81.0%、「知らない」は19.0%となった。
認知率(「知っている」と回答した人の割合)は、男性(82.6%)が女性(79.4%)を3.2ポイント上回り、世代別では若年層ほど認知率が下がる傾向がみられた。なお、就業経験別では、現在働いている人の認知率は87.9%、過去に働いたことがある人は89.5%で、働いたことがない人(34.3%)より50ポイント以上高い。
就業者の約2割が「勤務先に労働組合があるかわからない」
現在働いている人の勤務先の労働組合の有無については、約半数(49.7%)が「ない」と回答。「ある」は29.4%、「わからない」は20.9%だった。勤務先で労働組合に「加入している」のは20.9%、「加入していない」は56.8%、「わからない」は22.3%となった。「加入している」と答えた人の雇用形態は、正規雇用が29.3%だったのに対し、非正規雇用は11.5%に過ぎず、雇用形態で大きな違いがみられた。
連合の認知率は30代で41.0%にとどまる
また、全回答者に、「日本労働組合総連合会(通称:連合)は、日本最大の労働組合の中央組織」だと説明したうえで、認知度を尋ねたところ、「知らない」が53.1%で過半数を占め、「知っている」〈「どのような組織か知っている」(13.7%)+「名前を聞いたことがある」(33.2%)〉は46.9%となった。認知率は男性が53.0%で女性(40.8%)より12.2ポイント高く、世代別では40代以下(10代46.0%、20代42.5%、30代41.0%、40代44.0%)で半数を割っている。
若年層はSNSで連合を認知するケースが多い
連合を知っている人(469人)に、何で知ったか(複数回答)を聞くと、「TV」(43.7%)が突出して高く、次いで「新聞」(19.6%)、「労働組合の機関紙」(10.2%)、「労働組合に加入しているため」(9.6%)、「YouTube」(8.7%)などが続いた。
世代別では、10代の2位に「YouTube」(21.7%)、3位に「X(旧Twitter)」(15.2%)、4位に「Instagram」(10.9%)が入り、20代も2位に「X(旧Twitter)」(18.8%)があがるなど、若年層はSNSで連合を見聞きする機会が多いことがわかる。
また、連合の取り組みで知っているもの(同)は、「春闘(春季生活闘争)の実施」(28.8%)が最も高く、「労働組合づくり支援・労働相談の実施」(19.2%)、「政治・選挙活動」(17.1%)、「政府・政党などへの政策・制度要請」(15.8%)、「労働政策に関する政府審議会への参画」(13.9%)などが上位だった。
「連合を身近な存在だと思う」人は認知者の約3割
また、連合を知っている人に、「連合は自身にとって身近な存在だと思うか」を問うと、「そう思う」〈「非常にそう思う」(5.3%)+「そう思う」(7.5%)+「ややそう思う」(17.9%)〉は約3割(30.7%)にとどまり、「そう思わない」〈「全くそう思わない」(17.1%)+「そう思わない」(18.3%)+「あまりそう思わない」(33.9%)〉が約7割(69.3%)を占めた。
それぞれの理由をみると、身近な理由(複数回答)は「社会の役に立っていると思うから」(33.3%)、「困ったときに頼れると思うから」(29.2%)、「役立つ情報をくれるから」(24.3%)、「身近な人が関わっているから」「顔の見える活動をしているから」(いずれも20.1%)など。他方、身近に思わない理由(同)は、「身近に関わっている人がいないから」(35.7%)、「どのような人が関わっているのか見えないから」(25.5%)、「自分・家族の生活とは関係ないと思うから」(20.6%)、「いつ頼っていいかわからないから」(18.8%)、「なくても困らないから」(14.2%)などの割合が高かった。
連合認知者の52.2%が「連合に好感を持てる」
連合を認知している人の連合の好感度については、好感を「持てる」〈「持てる」(8.3%)+「どちらかといえば持てる」(43.9%)〉が52.2%なのに対し、「持てない」〈「持てない」(11.9%)+「どちらかといえば持てない」(35.8%)〉は47.8%でほぼ半々。好感が「持てる」と答えた人は、女性(57.4%)が男性(48.3%)より9.1ポイント高く、世代別では、「持てる」と回答した人の割合は若年層で高くなる傾向がみられた。 好感を持てる人の理由(複数回答)は、「働く人の味方だから」(38.4%)や「働く人の処遇改善に取り組んでいるから」(28.2%)などが高く、好感を持てない人の理由(同)は、「政治の活動ばかり目立つから」(29.0%)が群を抜く。
なお、連合を知っている人が持つ連合のイメージ(複数回答)は、「影響力のある」(20.5%)、「保守的な」(15.6%)、「堅実な」(13.9%)、「真面目な」(13.4%)、「頼れる」(10.7%)、「信頼できる」(10.2%)、「熱意のある」(10.0%)が10%を超えた。
連合と労働組合に期待することは「賃金・労働条件の改善」
全回答者に「連合および労働組合に期待すること」(複数回答)を聞いたところ、「賃金・労働条件の改善」(31.5%)が約3割で最も高く、「雇用・労働に関わる法制度の改善」(20.2%)、「職場の働き方改革サポート」(20.1%)、「労働相談」(18.0%)も2割前後の回答があった。
「今後、労働組合に加入したい、または加入し続けたいと思うか」については、加入に前向きな人〈「是非加入したい、または是非加入し続けたい」(5.5%)+「加入したい、または加入し続けたい」(29.9%)〉が35.4%。逆に、加入に否定的な人〈「加入したくない、または加入し続けたいと思わない」(35.1%)+「まったく加入したくない、または退会したい」(29.5%)〉は64.6%となった。
働く人に身近で頼れる存在になれるよう認知を広げる取り組みを推進
こうした結果について、春田雄一・総合運動推進局長は「連合の認知率は46.9%と5割を下回り、特に30代では約4割にとどまるなど、働く世代への認知の広がりには依然として課題がある」ことを指摘。そのうえで、仕事や職場に不満を感じている人の多くが「何も行動していない」状況にあることや、労働組合の役割に対する関心が一定程度存在していることなどをあげて、「連合としては、働く人にとってより身近で頼れる『必ずそばにいる存在』となるよう、認知度の向上とともに、取り組みをわかりやすく発信しながら活動を進めていく」などとコメントしている。
公称を「678万人」に/2026年連合登録人員
連合は同日の中央執行委員会で2026年の連合登録人員を確認した。登録人員数は、前年比10万490人減の677万8,431人。この結果に基づき、連合は公称を「678万人」に変更する。
登録人員の内訳をみると、友好参加組織を含む構成組織では、一般組合員(区分A)は前年比17万162人減の507万2,287人。一方、パート等で月20時間以上働く組合員(区分B)が同2万6,864人増の67万8,039人で、パート等で月20時間未満の組合員(区分C)は、16万5,286人増えて98万63人となった。これに地方連合会直加盟の組合員4万8,042人が加わるが、こちらは前年より12万2,478人少ない。
次に、主要産別の動きを確認すると、組合員を前年より増やしたのは、UAゼンセン(2万109人増)、JEC連合(5,992人増)、基幹労連(5,284人増)、フード連合(4,110人増)など。なお、新規の友好参加組織として、薬粧連合(3万3,581人)が加わったことも増加要因となった。他方、減らしたのは生保労連(2万808人減)と自治労(1万2,633人減)が目立つほか、JP労組(4,338人減)、情報労連(4,201人減)、日教組(3,848人減)などの減少も目に付く。
芳野会長は同日の記者会見で、登録人員が実数ベースで昨年より約10万人減少したことについて、「公称700万人としていたが、今回をもって678万人となった。(2026年1月からスタートした)中央会費制度の導入や地域ゼネラル連合の発足など大きな組織的構造改革を行った結果、組織人員数について一定の整理がはかられた影響がある」と説明。今後は「全国各地で精力的に取り組みを進めている組織拡大の努力が成果となって上積みされていくものと期待している」などと述べ、最重要課題の1つに掲げる組織拡大に注力していく姿勢を強調した。
(調査部)
2026年6月号 連合運動の記事一覧
- 相談件数の合計は1万8,277件で、メールでの相談は前年から増加 ―連合の「なんでも労働相談ホットライン」2025年年間集計報告
- 就業経験者の58.5%が仕事や職場に不満を感じつつも、3人に2人は「何も行動していない」――「連合および労働組合のイメージ調査2026」


