2022年の平均世帯所得は524万円で前年から3.9%減少
 ――厚生労働省の2023年「国民生活基礎調査」

国内トピックス

厚生労働省が7月5日に公表した2023年の「国民生活基礎調査」によると、2022年の世帯所得の平均は524万2,000円で、前年から3.9%減少し、2021年に引き続き、前年比でのマイナスとなった。高齢者世帯は304万9,000円で前年から4.2%減少。一方、児童のいる世帯に限ってみると、812万6,000円で前年から3.5%増加した。

過去10年で「児童のいる世帯」の世帯所得は増加傾向

世帯所得の状況に絞り、同調査の結果をみていくと、2022年の1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」では524万2,000円で、前年から3.9%減少。世帯類型別にみると、「高齢者世帯」が304万9,000円(対前年比4.2%減)、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000円(同2.1%減)、「児童のいる世帯」が812万6,000円(同3.5%増)となっている。なお、「高齢者世帯」とは、65歳以上の者のみで構成するか、65歳以上の者に18歳未満の未婚の者が加わった世帯を指す。「児童」とは18歳未満の未婚の者を指している。

過去10年程度の平均所得金額の推移をみると、「高齢者世帯」はおおむね横ばいであるものの、「児童のいる世帯」は増加傾向で、2013年の696万3,000円から約17%増加したことになる。ただ、世帯全体に占める「高齢者世帯」の割合が年々高まっており、かつ「高齢者世帯」の所得は他の世帯よりも低いことから、「全世帯」でみると伸び悩んでいる(図表1)。

なお、1世帯あたりの人数は減少傾向にあり、2013年は2.51人であったが、2022年は2.25人、2023年は2.23人となっている。

図表1:1世帯あたり平均所得金額の推移(世帯の種類別)
画像:図1
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(厚生労働省公表の図表データ)

全体の4割強が200万円以上400万円未満の所得

所得金額の階級別に世帯数の分布をみると、「100~200万円未満」が14.6%、「200~300万円未満」が14.5%、「300~400万円未満」が12.9%で特に多く、これらをあわせた100万円以上400万円未満は42.0%でボリュームゾーンとなっている。中央値は405万円となっている(図表2)。

図表2:世帯数の分布(所得金額の階級別)
画像:図2
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(厚生労働省公表の図表データ)

世帯主が50~59歳の世帯所得は758.5万円

1世帯あたりの平均所得金額を世帯主の年齢階級別にみると、「50~59歳」が758万5,000円で最も高く、次いで「40~49歳」が696万円、「30~39歳」が608万5,000円などの順。最も低いのは「29歳以下」で339万5,000円となっている。

世帯人員1人あたりの平均所得金額を世帯主の年齢階級別にみると、「50~59歳」が309万4,000円で最も高い。最も低いのは「70歳以上」の193万5,000円となっている(図表3)。

図表3:1世帯あたりおよび世帯人員1人あたりの平均所得金額(世帯主の年齢階級別)
画像:図表3
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(厚生労働省公表の図表データ)

高齢者世帯では所得の6割強を「公的年金・恩給」が占める

1世帯あたりの平均所得について、所得の種類別の構成割合をみると、全世帯では「稼働所得」が72.9%を占めて最も割合が高く、次いで「公的年金・恩給」が20.9%などとなっている。これを高齢者世帯についてみると、「公的年金・恩給」が62.9%で最も割合が高く、「稼働所得」が26.1%などとなっている。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで、公的年金・恩給が総所得に占める割合が「100%」の世帯は41.7%で、4割強を占めている。以下、「80~100%未満」が17.9%、「60~80%未満」が13.9%、「40~60%未満」が13.2%、「20~40%未満」が9.3%、「20%未満」が4.0%となっている。

国民生活基礎調査は国民生活の基礎的事項を調査しており、毎年実施しているが、大規模調査を3年に1度実施している。2023年は簡易な調査の年にあたる。所得の状況を尋ねる「所得票」は7,430世帯に配付し、4,674世帯の回答を集計した。

(調査部)

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