2020年4月の新着図書紹介

1.干場 弓子著『楽しくなければ仕事じゃない』東洋経済新報社

(2019年11月刊,278p,四六判)

サブタイトルは「『いまやっていること』がどんどん『好きで得意』になる働き方の教科書」。話題のビジネス書、自己啓発書を相次ぎ発行する出版社の社長を務める著者が、働く若い男女を対象に仕事を楽しむにはどうすればいいかを指南する。著者は「(仕事が)楽しいかどうかを決定するのは、自分がそれをどうとらえるか、であり、その人の選択による」と主張。楽しいことがあるから楽しめるのではなく、なんでも楽しもうと決心して仕事に取り組むべきだと述べる。さらに「プラン通りにいかないから、人生は面白い!」「効率優先を言うのは10年早い」「いまやっている仕事を好きになる」など自らの経験に基づき、仕事を前向きにとらえていくうえで役立つ方法を紹介する。

請求番号:159/tan
書誌番号:JB00113282
ISBN:9784492046579

2.青樹 明子著『中国人が上司になる日』日本経済新聞出版社

(2019年11月刊,253p,新書判)

21世紀は中国の時代と言われて久しい。最近の中国企業の躍進を目にすると、長らく眠っていた巨象が目覚め、世界を席巻しているようだ。本書は、仕事のパートナーとして働くわれわれ日本人に中国人ビジネスマンの特質を解説する。例えば、① 中国人エリートは夜中の2時、3時までサービス残業をいとわない ② 携帯電話の機種で相手の社会的地位を判断する ③ メンツのためなら仕事も辞める ④ 政治を無視してはなにもできない――など。将来に向けた過酷な競争を勝ち抜いてきた彼らは生半可な頭脳の持ち主ではなく、超優秀な中国人部下をいままで持て余していたところが、今度は上司になった彼らを迎える時代になる。著者の提案する処方せんはただ一つ、相手を知ることだという。

請求番号:335.47/chu
書誌番号:JB00113371
ISBN:9784532264147

3.佐藤 博樹編著『ダイバーシティ経営と人材マネジメント』勁草書房

(2020年2月刊,vii+198p,A5判)

さまざまな就業意識や価値観を持った労働者が同じ企業内で働く現在、人材の多様性を重視する「ダイバーシティ経営」の推進が一段と求められている。本書もそうした視点で編集された1冊で、生協総合研究所に設置されたワーク・ライフ・バランス(WLB)研究会での成果がもとになっている。生協では、人手不足と定着率の低さが重要課題となっており、「どのような制度を整備すれば職員が定着するか」「管理職がいかにマネジメントすれば、部下は意欲的に働くか」といった問題の解決について研究会を重ねてきた。研究成果では、生協だけにとどまらず、多くの日本企業に共通して、WLBの満足度が高ければ、職員の就業継続意思の向上につながるとの結論を導き出した。

請求番号:336.4/dai
書誌番号:JB00113456
ISBN:9784326504664

4.海老原 嗣生著『年金不安の正体』筑摩書房

(2019年11月刊,204p,新書判)

気鋭の雇用ジャーナリストが、問題が横たわる年金制度について読み解き、持論を展開した。保険料の徴収方法について、現在採用している世代間扶養の「賦課方式」ではなく、少子化に強い「積立方式」を求める声があるが、① 拠出と給付に40年の時間差が発生する ② 積立金の運用を40年行う必要がある ③ 高齢化に対して弱い――などのマイナス面があると指摘。世代間の不公平を訴え、少子高齢化による制度崩壊をあおるだけでは本当の問題は解決しないと警鐘を鳴らす。結論として、日本人は誰かを悪者にすることで、高齢化社会で必要となる負担から目をそらし続けてきたと解明。世の中には「フリーランチ」などないとし、今後は高負担社会を目指すべきだと力説する。

請求番号:364.6/nen
書誌番号:JB00113288
ISBN:9784480072658

(日本十進分類[NDC]順に掲載)

主な受け入れ図書

2020年1月~2020年2月の労働図書館受け入れ図書

  1. 楠木 建著『「仕事ができる」とはどういうことか?』宝島社(277頁,四六判)
  2. 竹村 之宏著『リーダーシップと突破力』日本生産性本部生産性労働情報センター(211頁,四六判)
  3. 勝田 吉彰著『「途上国」進出の処方箋:医療、メンタルヘルス・感染症対策』経団連出版(206頁,A5判)
  4. 千葉 博監修『入門図解職場のハラスメント』三修社(255頁,A5判)
  5. 梅崎 修ほか編著『労働・職場調査ガイドブック』中央経済社(xi+239頁,A5判)
  6. 岩出 誠著『労働法実務大系 第2版』民事法研究会(43+848頁,A5判)
  7. 脇田 滋ほか編著『韓国労働法の展開』旬報社(xvi+278頁,A5判)
  8. 帯刀 康一著『パワハラ防止の実務対応』労務行政(196頁,A5判)
  9. 藤木 昌代ほか編著『欧州の教育・雇用制度と若者のキャリア形成』白桃書房(xv+352頁,A5判)
  10. 青柳 いづみこ著『音楽で生きていく!』アルテスパブリッシング(309頁,四六判)