分野:国民経済計算

国民経済計算

1 (国内総生産 GDP)

居住者たる生産者による国内生産活動の結果生み出されたモノやサービスの付加価値の総額である。"国内"であって、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。

2 (国民総所得)

当該国の居住者主体によって受け取られた所得の総額を示すもので、「国内総生産」に海外からの所得(雇用者報酬、投資収益などの財産所得・企業所得)の総受取を加えたものである。

201 (国民所得)

「雇用者所得」、「企業所得」、「財産所得(非企業)」の合計が国民所得(要素費用表示)であり、さらに「純間接税」を加えたものが「国民所得(市場価格表示)」である。「国民所得(市場価格表示)」に固定資本減耗を加えると、「国民総所得」と一致する。

3 (企業所得)

営業余剰・混合所得に受け取った財産所得を加算し、支払った財産所得を控除したものである。民間法人企業所得、公的企業所得、個人企業所得に分類される。

4 (雇用者報酬)

生産活動から発生した付加価値のうち労働を提供した雇用者への分配額をさす。ここでいう雇用者とは、産業、政府サービス生産、対家計民間非営利サービス生産を問わずあらゆる生産活動に従事する就業者のうち、個人事業主と無給の家族従事者を除くすべての者であり、法人企業の役員、特別職の公務員、議員等も雇用者に含まれる。雇用者報酬は、具体的には以下のような項目から構成されている。このうち1の(b)、2および3の一部は、実際に現金の形で雇用者に支払われるものではなく、帰属計算項目として雇用者報酬に含まれているものである。

1.賃金・俸給

a) 現金給与(所得税、社会保険料雇用者負担等控除前)。一般雇用者の賃金、給料、手当、賞与などの他に役員給与や議員歳費等も含まれる。

b) 現物給与、自社製品等の支給など、主として消費者としての雇用者の利益となることが明らかな財貨・サービスに対する雇主の支出。給与住宅差額家賃もこれに含まれる。

2.雇主の現実社会負担

健康保険・厚生年金等の社会保障基金への負担金(雇主の強制的現実社会負担)及び厚生年金基金・適格退職年金等の年金基金への負担金(雇主の自発的現実社会負担)。

3.雇主の帰属社会負担

退職一時金等の無基金社会保険制度への負担金。

5 (財産所得)

カネ、土地および無形資産(著作権・特許権など)を貸借する場合、この貸借を原因として発生する所得の移転である。利子および配当、地代(土地の純賃貸料)、著作権・特許権の使用料などが該当する。ただし財産所得中の賃貸料には、建築物(住宅を含む)、設備、機械等の再生産可能な有形固定資産の賃貸に関するものは含まれない。

《用語解説の情報は、報告書の内容をもとにJILPTで作成したものです。》