【山形】(山形銀行やまぎん情報開発研究所)
AI・データセンター需要の拡大などを背景に生産好調な業種も。7月の有効求人倍率は約3年ぶりの高水準
地域シンクタンク・モニター定例調査
山形県の4~6月期の地域経済は、鉱工業生産指数が上昇するなど、緩やかな持ち直しの動きとなったことから、モニターの山形銀行やまぎん情報開発研究所は【やや好転】と判断した。7~9月期の見通しは、生産活動ではAI・データセンター需要の拡大などを背景に受注が好調な業種もあるが、中東情勢の悪化を受けて原油由来製品などを中心に物価上昇ペースがやや強まる見込みで、個人消費の持ち直しは緩やかなものにとどまるとみて、【横ばい】とした。雇用動向については、人手不足感の状況などをもとに4~6月期の実績は【横ばい】、7~9月期の見通しは【やや好転】と判断した。7月の有効求人倍率は1.39倍で約3年ぶりの高水準となった。
<経済動向>
鉱工業生産は「電子部品・デバイス」「化学」の伸びが全体をけん引
4~6月期の鉱工業生産指数は前期比プラス3.5%となった。集積回路を中心とした「電子部品・デバイス」、医薬品を中心とする「化学」の伸びが全体をけん引した。
個人消費についてみると、当期の県内販売統計は前年比プラス1.9%で、引き続きプラスを維持したが、増加率は3期連続で縮小している。モニターは「重点支援地方交付金を活用した自治体による物価高騰対策(商品券等の給付)も一定の下支えとなった可能性がある」とみている。
モニター作成の「やまぎん消費総合指数」では、当期は実質値で前期比プラス6.6%となった。食料費に加えて、家電などの耐久消費財購入費の増加がみられた。
モニター実施の「やまぎん企業景況サーベイ」をみると、当期の業況判断BSIは前期比2.4ポイント上昇の0.8となっている。プラス水準となるのは1年ぶり。中東情勢の悪化による原材料や副資材の価格上昇などへの懸念が強まったことなどから、製造業は悪化がみられたものの、非製造業は運輸業、卸売業、小売業、サービス業などが幅広く改善した。
こうした動きをふまえつつモニターは、4~6月期の地域経済を「緩やかな持ち直しの動きとなった」として【やや好転】と判断した。
すでに高水準にある「電子部品・デバイス」などは徐々に低下へ
7~9月期の生産活動は、AI・データセンター需要の拡大などを背景に、「はん用・生産用・業務用機械」などにおける受注が好調となっているものの、すでに高水準にある「電子部品・デバイス」や「化学」については、徐々に生産水準を下げる動きがみられている。全体ではやや弱含みとなる見込み。
個人消費は、中東情勢の悪化を受けて原油由来製品などを中心に物価上昇ペースがやや強まるとみられることから、持ち直しは緩やかなものにとどまる見通し。
「やまぎん企業景況サーベイ」によると、当期の業況判断BSIは前期比6.6ポイント上昇の7.4となった。業種別にみると、製造業は同19.9ポイント上昇の17.4で、約5年ぶりの高水準となった。非製造業は同2.2ポイント低下の0.7となっている。
こうした状況を総合的にふまえてモニターは、7~9月期の見通しを【横ばい】とした。
<雇用動向>
県内の雇用情勢に大きな変動なし
労働統計をみると、4~6月の有効求人倍率は1.31倍で、前期比0.03ポイント上昇し、2期連続で小幅な上昇となった。求人数は「建設業」や「製造業」などを中心に前年を上回る水準に増加したが、求職者数は減少した。ただし、いずれも動きは小幅であることから、「県内の雇用情勢に大きな変動はない」という。
「やまぎん企業景況サーベイ」の雇用判断BSI(「多い」-「少ない」)をみると、前期比2.0ポイント上昇のマイナス30.2となっている。
こうした動きをもとにモニターは、4~6月期の雇用状況を【横ばい】と判断した。
7月以降はやや改善の動きを強めると予想
7月の労働統計をみると、有効求人倍率は前月比0.04ポイント上昇の1.39倍で、約3年ぶりの高水準となった。県内の有効求人倍率は昨年から横ばいに近い推移が続いてきたが、求人数の増加などを受けて6月、7月は上昇傾向が強まっており、モニターは「雇用情勢はやや改善の動きを強めていく」とみている。
「やまぎん企業景況サーベイ」での7~9月期の雇用判断BSIは前期比5.1ポイント低下のマイナス35.3となっている。低下は3期ぶり。製造業、非製造業ともに足もとで人手不足感が強まっている。
モニターは7~9月期の見通しについて、「やや改善傾向を強める」とみて【やや好転】と判断した。


