【東海】(OKB総研)
景況感が大幅改善、夏のボーナスの妥結額は過去最高を記録
地域シンクタンク・モニター定例調査
4~6月期の東海地域の経済は、生産活動が増加基調で推移したほか、個人消費は底堅く推移しており、モニターのOKB総研は【やや好転】と判断した。7~9月期の見通しについても、景況感の大幅な改善に加え、個人消費は物価上昇の影響はみられるものの底堅い推移が続いていることから【やや好転】とした。雇用動向は人手不足感の状況などをもとに、4~6月期実績、7~9月期見通しのいずれも【横ばい】と判断している。愛知県経営者協会によると、夏のボーナスの妥結額の平均は78万5,723円で、記録が確認できる1992年以降で過去最高となった。
<経済動向>
生産活動は「電子部品・デバイス工業」が好調、個人消費は「家電大型専門店」の販売額が1割近い伸び
4~6月期の経済動向からみると、生産は増加基調で推移した。当期の鉱工業生産指数は前期比プラス5.2%で、3四半期連続で前期を上回った。特に「電子部品・デバイス工業」は同プラス31.9%と大きく上昇している。
東海財務局「法人企業統計調査」によれば、東海4県(静岡県含む)の当期の設備投資額は前年同期比マイナス12.9%で、3四半期ぶりにマイナスとなった。業種別にみると、製造業は同マイナス10.8%、非製造業は同マイナス15.8%となっている。
個人消費は底堅く推移した。中部経済産業局管内5県(愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県)の当期の販売額をみると、「百貨店」(前年同期比マイナス4.7%)、「コンビニエンスストア」(同マイナス0.2%)が減少したものの、「家電大型専門店」(同プラス9.5%)、「ドラッグストア」(同プラス5.0%)、「ホームセンター」(同プラス3.3%)、「スーパーマーケット」(同プラス1.3%)は増加した。
輸出をみても、当期の名古屋税関管内の輸出額は前年同期比プラス13.1%となっている。
モニターはこうした動きをもとに、4~6月期の地域経済を【やや好転】と判断した。
AI導入によるDXの推進などで設備投資額は前年同期比2割超の増加
7~9月期について、個人消費をみると、7月の大型小売店販売は「家電大型専門店」(前年同月比プラス11.4%)、「ドラッグストア」(同プラス3.5%)、「ホームセンター」(同プラス3.0%)、「スーパーマーケット」(同プラス0.3%)は前年を上回ったものの、「百貨店」(同マイナス8.4%)、「コンビニエンスストア」(同マイナス0.3%)は前年を下回った。モニター作成の「OKB景況指数(9月期)」の個人消費はマイナス13.4で、6月期から3.3ポイント低下している。
東海財務局「法人企業景気予測調査」では、7~9月期の景況判断BSIはマイナス2.1で、前期のマイナス12.0から「下降」超の幅が縮小している。企業規模別では大企業が5.2、中堅企業がマイナス1.6、中小企業がマイナス6.9。業種別にみると製造業が0.0で、非製造業がマイナス3.5となっている。
モニター作成の「OKB景況指数(9月期)」の景気水準は0.0で、前期から18.6ポイント改善した。改善は2期ぶり。
7月の鉱工業生産指数(速報値)は118.8で、前月比プラス2.4%となっている。
「法人企業統計調査」によれば、東海4県の当期の設備投資額は前年同期比プラス22.2%となっている。大企業、中堅企業を中心に、生産能力の増強を目的とした設備投資の実施や、AI導入によるDXを推進していくといった声が聞かれる。
輸出をみると、名古屋税関管内の輸出通関額は8月(速報値)が前年同月比プラス15.2%となっている。
こうした動きをもとにモニターは、「景況感は大幅に改善している」「個人消費も物価上昇の影響はみられるものの底堅い推移が続いている」などとして7~9月期の見通しも【やや好転】と判断した。
<雇用動向>
夏のボーナスの平均妥結額は78万5,723円
雇用の実績(4~6月期)について、有効求人倍率をみると当期は1.21倍で、前期から0.01ポイント上昇した。新規求人数は4月が前年同月比マイナス1.6%、5月が同マイナス5.2%、6月が同プラス1.7%と推移している。完全失業率は前期より0.3ポイント低い2.1%となった。
モニターはこれらの動きをふまえつつ、4~6月期の判断を【横ばい】とした。
「法人企業景気予測調査」によると、9月末時点の従業員数判断BSIは29.2の「不足気味」超で、6月末(30.5)から「不足気味」超の幅が縮小した。一方、モニター作成の「OKB景況指数(9月期)」をみると、雇用は63.1の「不足」超の状況で、前期(61.1)から「不足」超の幅が拡大している。
7月の有効求人倍率は1.22倍で、前月から0.01ポイント上昇している。
モニターはこうした動きをふまえて、「前期からの変化は限定的であり、見通しを変更するほどの変化はみられない」ことから、7~9月期の見通しについても【横ばい】と判断した。
なお、愛知県経営者協会の「2026年夏季賞与交渉状況報告」によると、夏季賞与の妥結額の平均は78万5,723円で、記録が確認できる1992年以降で過去最高となった。


