【北海道】(北海道二十一世紀総合研究所)
暑さが例年を下回り、夏物商材の動きに落ち込み。新規求人数は前年同期比減が続く
地域シンクタンク・モニター定例調査
北海道の4~6月期の地域経済について、モニターの北海道二十一世紀総合研究所は、個人消費が底堅く推移しているものの、物価高で企業のコスト負担が増加していることから【横ばい】と判断した。7~9月期の見通しも、例年ほどは暑くなかったことから個人消費で夏物商材の動きが落ち込んでいるものの、全体では底堅く、【横ばい】とした。雇用動向は、4~6月期、7~9月期のいずれも有効求人倍率や日銀短観の動きをもとに【横ばい】と判断。人手不足感の強い状況が継続している一方、新規求人数は13カ月連続で減少している。
<経済動向>
家電大型専門店などが前年同期を上回る販売額に
モニター実施の「道内企業の経営動向調査(4~6月期実績)」によると、売上DIはマイナス1で2期連続のマイナスとなったほか、利益DIはマイナス14で6期連続のマイナスとなった。業種別にみると、製造業は売上DIがマイナス6で利益DIがマイナス23、非製造業は売上DIが1で利益DIがマイナス10となっている。
分野別の動向をみると、当期の販売額は家電大型専門店(前年同期比プラス10.3%)、百貨店(同プラス4.1%)、ドラッグストア(同プラス3.2%)、スーパーマーケット(同プラス3.1%)、コンビニエンスストア(同プラス1.4%)、ホームセンター(同プラス1.1%)のいずれも前年を上回った。合計では前年同期比プラス3.0%で、7四半期連続の増加となった。
モニターによると、円安や中東情勢の影響により、生活必需品をはじめ多くの商材で価格上昇が続き、客単価が上昇している。加えて、2027年から新たな省エネ基準が適用されるエアコンが、駆け込み需要で好調に推移した。
好調を維持していた外国人入国者数の伸びにも落ち着きが
観光関連をみると、来道客数は前年同期比プラス2.9%、外国人入国者数は同プラス1.3%となっている。これまで好調を維持していた外国人入国者数の伸びが落ち着きつつあるものの、コロナ禍以降は増加傾向が続いている。
公共投資は、公共工事請負金額が前年同期比プラス18.6%と、2四半期連続で前年を上回った。住宅投資は、新設住宅着工戸数が前年同期比プラス54.6%となっている。昨春以降、建築物のエネルギー消費性能の向上を目的とする改正建築物省エネ法の全面施行の影響が続いていたが、その影響が一巡して回復傾向に転じている。ただし、水準としては2023年や2024年を下回っており、足元の動きは鈍い。
これらの動きをもとにモニターは、「物価高を背景に、消費者の節約志向の強まり、企業のコスト負担増加といった影響は続いている」ものの、総じて個人消費が底堅く推移していることや、住宅投資の回復傾向がみられることなどから、4~6月期の地域経済を【横ばい】と判断した。
7~9月期の売上DI、販売DIともにマイナスの見通し
「道内企業の経営動向調査(7~9月期見通し)」によると、売上DIはマイナス4で3期連続のマイナス、利益DIはマイナス14で7期連続のマイナスが見込まれている。業種別では、「ホテル・旅館業」以外はいずれも利益DIがマイナスとなっている。
7月の業態別販売額は、百貨店、スーパーマーケット、ドラッグストアは前年同月を上回ったものの、コンビニエンスストア、ホームセンター、大型家電量販店は前年同月を下回り、全体では前年同月比マイナス0.6%となった。減少は10カ月ぶり。モニターは「例年ほどの暑さがみられず、夏物商材の動きが落ち込んだことが要因」とみている。
観光関連では、7月の来道客数が前年同月比プラス3.4%、外国人入国者数が同プラス5.1%と、引き続き好調に推移している。
住宅投資は、7月の新設住宅着工戸数が前年同月比マイナス9.4%で、4カ月ぶりに減少した。公共投資も7月の公共工事請負金額が同マイナス8.6%で、5カ月ぶりに減少した。
モニターはこれらの動きをふまえつつ、「天候要因により個人消費を中心に足元の動きに落ち込みがみられたものの、全体的には底堅く推移している」として7~9月期の見通しも【横ばい】と判断した。
<雇用動向>
4~6月期の完全失業率は2.7%で前期と変わらず
労働統計をみると、有効求人倍率は4月が0.91倍(前月比マイナス0.01ポイント)、5月が0.91倍(同変化なし)、6月が0.91倍(同変化なし)と、横ばいで推移している。
新規求人数は4月が前年同月比マイナス3.8%、5月が同マイナス13.9%、6月が同マイナス3.9%となっており、12カ月連続で前年を下回っている。
4~6月期の完全失業率は2.7%で、前期比では変化なし、前年同期比では0.2ポイントの上昇となっている。
日銀短観(6月調査)の雇用人員判断はマイナス46の「不足」超で、前期から1ポイント上昇した。業種別にみると、製造業がマイナス32で同3ポイント上昇、非製造業がマイナス50で同1ポイント上昇となっており、「人手不足感の強い状況が継続している」。
モニターは4~6月期の雇用について、「新規求人数が減少傾向にあるものの、総じてみれば、人手不足感の強い状況に変化はみられない」として【横ばい】と判断した。
新規求人数は「医療、福祉」で増加、「宿泊業、飲食サービス業」などは減少
7月の有効求人倍率は0.91倍で前月から変化がなかった。新規求人数は前年同月比マイナス0.4%と、13カ月連続で前年を下回った。業種別にみると、「医療、福祉」で増加したほか、「情報通信業」「運輸業、郵便業」で微増となったものの、「宿泊業、飲食サービス業」「建設業」「卸売業、小売業」「製造業」などで減少した。
日銀短観の9月先行きの雇用人員判断はマイナス51で、人手不足感が強い状況が続く見込み。
このため7~9月期の見通しについても、「新規求人数の減少傾向が続いているものの、総じてみれば人手不足感の強い状況が継続している」として【横ばい】と判断した。


