【福島】(とうほう地域総合研究所)
ベアを実施した県内企業が54.2%と半数を超える

地域シンクタンク・モニター定例調査

福島県の経済動向は、4~6月期は新設住宅着工戸数が増加しているものの、鉱工業生産指数は低下していることなどから、とうほう地域総合研究所は【横ばい】と判断した。7~9月期も【横ばい】とした。雇用動向については、労働統計の動きをもとに4~6月期、7~9月期のいずれも【横ばい】とみている。有効求人倍率は人手不足を背景に緩やかに上昇している。一方、モニターが実施した調査によると、ベアを実施した県内企業は54.2%で半数を超えた。

<経済動向>

小売店販売、建築工事費は前年同期を上回る一方、生産活動は2期連続で減少

4~6月期の地域経済を個人消費からみると、大型小売店販売額は1,866億7,100万円で前年同期比プラス0.6%と、6期連続の増加となった。乗用車登録・届出台数(新車および中古車)は3万7,976台で同プラス1.6%と、4期ぶりに増加した。

民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)の工事費予定額が前年同期比プラス79.6%と大幅に増加。製造業や教育・学習支援業で大型設備投資があったことで、堅調に推移している。新設住宅着工戸数は前年同期比プラス34.9%で、前期比ではプラス33.9%となっている。

一方、公共投資は、国土交通省の発注工事が減少したことなどに伴い、公共工事前払保証請負金額が前年同期比マイナス1.8%と2期連続で減少した。

生産活動は、鉱工業生産指数が前期比マイナス2.3%となり3期ぶりに低下した。

モニターはこれらの統計をもとに、4~6月期について【横ばい】と判断した。

7月は大型小売店販売額が前年同月比マイナスに

7月の統計をみると、大型小売店販売額は前年同月比マイナス1.4%となっている。減少は2カ月連続。乗用車登録・届出台数は同プラス1.9%となっている。

民間設備投資は、7月の建築着工(民間非居住用)工事費予定額が前年同月比プラス9.8%と2カ月連続で増加した。

新設住宅着工戸数は、7月が前年同月比マイナス11.9%。特に賃貸は同マイナス59.0%と大きく減少した。

公共投資は、7~8月の公共工事前払保証請負金額が前年同期比マイナス26.0%となっている。

モニターは7~9月期の見通しについて、「個人消費が猛暑となった昨年との比較で減少している」としつつも、「県内経済全体としては【横ばい】の範囲内で推移する」と判断した。

<雇用動向>

有効求人数が増える一方、有効求職者数は減少

4~6月期の雇用実績は、雇用保険受給者実人員数が前期から12.5%増加した。有効求人倍率は1.22倍で、前期から0.02ポイント上昇し、5期ぶりの上昇となった。

モニターはこうした動きについて、「製造業が引っ張る形で有効求人数が増えているのに対し、有効求職者数が減少していることで、有効求人倍率は上昇している」としたほか、「雇用保険受給者実人員は増加しているものの、求人が比較的安定して推移している」とみて、4~6月期の雇用動向を【横ばい】とした。

7月の統計をみると、有効求人倍率は1.24倍で、前月比で0.01ポイント上昇した。雇用保険受給者実人員数は前年同月比で1.2%増加した。

モニターは、「有効求人倍率は人手不足を背景として緩やかに上昇している」としたうえで、7~9月期の判断についても【横ばい】とした。

定期昇給も含めれば約8割の企業が賃上げを実施

モニターが7月に県内企業に実施した「県内景気見通しアンケート調査」によると、今春の賃上げ実施状況は「引き上げた(定期昇給のみ)」が26.0%、「引き上げた(ベースアップのみ)」が21.2%、「引き上げた(ベースアップと定期昇給の両方)」が33.0%で、あわせて80.2%(前年比マイナス2.1ポイント)の企業が賃上げを実施している。

ベースアップを実施した企業は54.2%(同プラス0.2ポイント)で、昨年同様に半数を超えた。