【福島】(とうほう地域総合研究所)
企業規模300人未満の今春闘の賃上げ率が5%に
地域シンクタンク・モニター定例調査
福島県の経済動向は、1~3月期は新設住宅着工戸数が減少している一方で鉱工業生産指数は上昇していることなどから、モニターのとうほう地域総合研究所は【横ばい】と判断した。4~6月期は、新設住宅着工戸数の大幅な増加などから【やや好転】とした。雇用動向については、労働統計の動きをもとに1~3月期は【横ばい】、4~6月期も【横ばい】とみている。連合福島によると、春闘の賃上げ率は昨年を下回っている。ただし、企業規模別にみると300人未満は前年比0.37ポイント上昇の5.00%になっている。
<経済動向>
鉱工業生産指数が2期連続で上昇
1~3月期の地域経済を個人消費からみると、大型小売店販売額は前年同期比プラス1.5%の1,821億1,000万円で、5期連続の増加となった。他方、乗用車登録・届出台数(新車および中古車)は4万3,813台で、同マイナス1.5%。減少は3期連続となっている。
公共投資は、環境省発注の工事の減少に伴い、公共工事前払保証請負金額が前年同期比マイナス3.6%と2期ぶりに低下した。
民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)の工事費予定額が前年同期比マイナス36.8%となっている。前年同期の大型設備投資の反動で減少しているものの、「底堅さは維持している」。新設住宅着工戸数は前年同期比マイナス20.8%、前期比マイナス23.8%となっている。
生産活動は、鉱工業生産指数が前期比プラス4.5%となり、2期連続で上昇した。
モニターはこれらの統計をもとに、1~3月期について【横ばい】と判断した。
総体的には持ち直しの兆しがみえつつある
4月の統計をみると、大型小売店販売額は前年同月比プラス2.0%となっている。増加は4カ月連続。乗用車登録・届出台数は同プラス2.6%となっている。
公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前年同月比マイナス27.9%。民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)工事費予定額が同プラス207.1%と大きく増加した。
新設住宅着工戸数は前年同月比プラス53.2%。特に賃貸は、同プラス103.4%と大きく増加した。
モニターは4~6月期の見通しについて、「乗用車登録・届出台数は、4月からの自動車税環境性能割の廃止を見据えた1~3月の買い控えからの反動増といった特殊要因はある」としつつも、「総体的には持ち直しの兆しがみえつつある」として【やや好転】と判断した。
<雇用動向>
有効求人倍率が4期連続で低下
1~3月期の雇用実績は、雇用保険受給者実人員数が前期から11.2%減少した。ただし前年同期比では7.8%増加している。有効求人倍率は1.20倍で、前期から0.03ポイント低下した。低下は4期連続。
有効求人倍率は低下しているものの、人手不足下で求人数は比較的安定していることから、モニターは1~3月期の雇用動向を【横ばい】とした。
4月の統計をみると、有効求人倍率は1.22倍で、前月比で0.02ポイント上昇した。雇用保険受給者実人員数は前年同月比で15.0%増加した。
モニターは、「人手不足を背景として求人に底堅さがある」としたうえで、4~6月期の判断についても【横ばい】とした。
今春闘の賃上げ率は前年比0.41ポイント減の4.48%に
連合福島は、2026年春闘での傘下組合の賃上げ要求に対する妥結状況を公表した(5月25日時点)。それによると、前年比の引き上げ率は4.48%で、前年を0.41ポイント下回った。ただし、企業規模300人未満の組合においては5.00%で、前年を0.37ポイント上回った。
また、モニターが5月に実施した県内の個人向けアンケートによれば、今春の賃上げの状況について、「引き上げられた」が31.4%、「引き下げられた」が9.2%、「変わらない」が59.3%となっている。


