【茨城】(常陽産業研究所)
今期の景況判断が改善。価格上昇に対して消費者が少しずつ慣れてきているとの見方も
地域シンクタンク・モニター定例調査
茨城県の経済動向は、2025年10~12月期は県内企業の業況判断が改善しており、モニターである常陽産業研究所は【やや好転】とした。調査結果では、価格上昇に対して、消費者が少しずつ慣れてきているという企業の声もみられた。1~3月期は、業況判断の動きをもとに【横ばい】。雇用動向は、人手不足感が引き続き高水準であることから10~12月期の実績は【横ばい】とした。1~3月期の見通しも雇用判断DIの動きをもとに【横ばい】としている。
<経済動向>
業況判断はまだ「悪化」超だが、前期から約10ポイント改善
モニターが実施した「県内主要企業の経営動向調査(10~12月期)」によれば、県内企業の景況感をあらわす自社業況総合判断DIは「悪化」超9.2%と、前期から約10ポイント上昇した。業種別にみると、製造業は「悪化」超5.6%で約17ポイント上昇、非製造業は「悪化」超11.8%で約4ポイント上昇となっている。
この結果をもとにモニターは、10~12月期の地域経済を【やや好転】と判断した。
企業からは明るい認識が示される一方、仕入価格の高騰を懸念する声も
調査に回答した製造業の企業からは、「着実に業績は伸び続けている」(非鉄金属)、「上昇した販売価格に消費者が少しずつ慣れてきているようだ」(食料品)など、一部業種からは前向きなコメントも多くみられた。
非製造業の企業からは、「引き合い・受注は堅調。人手不足・原材料高がネックではあるが業況自体はおおむね良好」(建設業)などの声があった一方、「原材料価格の高騰に歯止めがかからず、仕入価格は常に上昇している」(ゴルフ場)と、仕入価格の高騰を懸念するコメントも数多くみられている。
先行きの業況判断はおおむね横ばい
1~3月期については、自社業況総合判断DIは全産業で「悪化」超8.3%と、今期から約1ポイント低下でおおむね横ばいの見通し。これを業種別にみると、製造業が「悪化」超6.8%、非製造業が「悪化」超9.6%で、いずれもおおむね横ばいの見込みとなっている。
企業からは、仕入価格の上昇・高止まりについて「売上高は増加する見込みだが、材料費高騰により利益は圧迫」(生産用機械)、「原材料高騰や円安の影響で仕入価格が上昇し、利益確保が困難」(卸売業)といった声が聞かれるほか、「米国通商政策、日中関係悪化など先が読みにくい状況」(電気機械)、「日中関係悪化によるインバウンド減少の影響が気になる」(宿泊・飲食業)など、海外経済の動向が国内・県内経済に与える影響を不安視する見方も根強く残っている。
モニターは、「県内経済の先⾏きについては、物価や賃上げの動向が企業や家計にもたらす影響とともに、海外経済の動向や高市政権の経済外交政策の行方等に注視する必要がある」とコメントしたうえで、1~3月期の地域経済を【横ばい】と判断した。
<雇用動向>
新規求人数は10カ月連続で前年同月比マイナス
10月の雇用動向をみると、有効求人倍率は1.12倍で前月比0.02ポイント低下した。低下は3カ月連続。新規求人倍率は1.85倍で、前月から0.15ポイント低下した。低下は2カ月ぶり。
新規求人数は前年同月比マイナス9.0%と、10カ月連続で前年水準を下回った。新規求人数(パートを除く)の内訳を業種別にみると、「生活関連サービス業・娯楽業」(前年同月比プラス66.2%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同プラス24.5%)が増加した一方で、「情報通信業」(同マイナス46.1%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(同マイナス23.5%)、「運輸・郵便業」(同マイナス17.0%)、「製造業」(同マイナス11.0%)などが減少した。
新規求職者数は前年同月比マイナス0.6%で、3カ月連続で前年を上回った。
雇用保険受給者数は前年同月比プラス15.0%で、6カ月連続で前年を上回った。
日銀短観によると、茨城県の12月の雇用人員判断DIはマイナス30で、引き続き大幅な「不足」超となっている。
「県内主要企業の経営動向調査結果(10~12月期)」によると、雇用判断DIは「減少」超7.3%で前期から約1ポイント上昇した。業種別にみると、製造業が「減少」超7.8%で前期から横ばい、非製造業が「減少」超6.9%で前期から約2ポイント上昇となっている。
モニターは「雇用情勢は、有効求人倍率が弱めの動きにあるものの、人手不足感が引き続き高水準である」とコメントし、10~12月期の雇用の実績を【横ばい】と判断した。
雇用動向の先行きは製造業・非製造業ともに改善
同調査の先行き(1~3月期)をみると、「減少」超4.0%で今期から約3ポイント上昇している。業種別では、製造業が「減少」超3.4%と今期から約4ポイント上昇、非製造業が「減少」超4.4%で今期から約3ポイント上昇となっており、モニターはこの結果をもとに1~3月期の雇用動向についても【横ばい】と判断した。


