【北海道】(北海道二十一世紀総合研究所)
懸念される大雪の影響による個人消費の落ち込み。強い人手不足感が継続
地域シンクタンク・モニター定例調査
北海道の2025年10~12月期の地域経済について、モニターである北海道二十一世紀総合研究所は、消費にやや停滞感がみられることや、企業活動でコスト負担増加の影響が続いていることから【横ばい】と判断した。1~3月期の見通しは、大雪の影響で個人消費の落ち込みが懸念されることから【やや悪化】としている。雇用動向については、10~12月期、1~3月期のいずれも、有効求人倍率や日銀短観の動きをもとに【横ばい】と判断している。人手不足感の強い状況が継続している。
<経済動向>
売上DIが6期ぶりにプラス圏から低下
モニター実施の「道内企業の経営動向調査(10~12月期実績)」によると、売上DIは0で6期ぶりにプラス圏から低下したほか、利益DIはマイナス13で4期連続のマイナスとなった。業種別にみると、製造業は売上DIが0で利益DIがマイナス21、非製造業は売上DIが0で利益DIがマイナス9となっている。
分野別の動向をみると、当期の販売額は家電大型専門店(前年同期比プラス7.8%)、ドラッグストア(同プラス4.3%)、スーパーマーケット(同プラス3.9%)、コンビニエンスストア(同プラス2.2%)、ホームセンター(同プラス0.5%)が前年を上回ったが、百貨店(同マイナス0.4%)は前年を下回った。合計では前年同期比プラス3.1%となっている。
値上げによる買い控えや安い商品を求める動きが強まる
モニターによると、「値上げの影響で客単価が上昇している一方で、買い控えやより価格の安い商品を買い求める動きが強まっている」。また、「クリスマスや年末などの特別な日には底堅い需要がみられる一方で、それ以外の日は消費が落ち込むなど、消費の二極化が一層進んでいる」という。
乗用車新車登録台数は前年同期比プラス0.4%で、2四半期ぶりに前年を上回った。
来道客数はほぼ前年並みのなか外国人入国者数は2割超の増加
観光関連をみると、来道客数は前年同期比プラス0.8%となっている。外国人入国者数は同プラス21.3%で増加傾向が続いている。
公共投資は、公共工事請負金額が前年同期比マイナス12.8%で、3四半期ぶりに前年を下回った。
住宅投資は、新設住宅着工戸数が前年同期比マイナス15.8%と減少。改正建築物省エネ法の全面施行の影響が続いており、足元の動きは鈍い。
これらの動きをもとにモニターは、「個人消費こそ物価高を要因に売上面で好調に推移している」ものの、「消費行動にやや停滞感がみられること、企業活動においてもコスト負担増加の影響が続くなか、ここに来て売上面でも弱い動きがみられ始めている」ことから、10~12月期の地域経済を【横ばい】と判断した。
経営動向はマイナス見通しだが、販売額はプラスが続く
「道内企業の経営動向調査(1~3月期見通し)」によると、売上DIはマイナス5で8期ぶりのマイナス、利益DIはマイナス15で5期連続のマイナスが見込まれている。業種別にみると、運輸業とホテル・旅館業以外は売上DI・利益DIがいずれもマイナスとなっている。
一方、1月の業態別販売額では、百貨店を除いたすべての業態で前年同月を上回り、合計では前年同月比プラス2.2%で、4カ月連続で前年を上回った。ただし、道央圏を中心に、1月下旬以降に交通障害をもたらすほどの大雪に何度も見舞われていることから、外出控えによる消費の落ち込みが懸念される。
観光関連では、1月の来道客数が前年同月比マイナス4.9%、外国人入国者数が同プラス9.3%となっている。
1月の新設住宅着工戸数が前年同月比58.5%増
住宅投資は、1月の新設住宅着工戸数が前年同月比プラス58.5%で大きく増加しており、「改正建築物省エネ法の全面施行の影響がここに来てようやく解消し始めている」。
公共投資は、1月の公共工事請負金額が同プラス36.5%で4カ月ぶりに前年を上回った。
モニターはこれらの動きをもとに、「コスト上昇要因により企業収益の厳しさが続いている」ことに加えて、「大雪の影響による個人消費の落ち込みが懸念される」ことから、1~3月期の見通しを【やや悪化】と判断した。
<雇用動向>
新規求人数の前年同月比マイナスは6カ月連続
労働統計をみると、有効求人倍率は10月が0.95倍(前月比変化なし)、11月が0.94倍(同マイナス0.01ポイント)、12月が0.93倍(同マイナス0.01ポイント)と、やや低下傾向で推移している。
新規求人数は10月が前年同月比マイナス2.0%、11月が同マイナス11.0%、12月が同マイナス4.7%と推移しており、6カ月連続で前年を下回っている。
10~12月期の完全失業率は2.8%で、前期比では0.3ポイントの低下、前年同期比では0.2ポイントの低下となっている。
日銀短観の雇用人員判断は大幅な「不足」超
日銀短観(12月調査)の雇用人員判断はマイナス48の「不足」超で、前期から1ポイント低下した。業種別にみると、製造業がマイナス32で同4ポイント上昇、非製造業がマイナス52で同2ポイント低下となっており、「人手不足感の強い状況が継続している」。
モニターは10~12月期の雇用について、「新規求人数が減少傾向にあるものの、総じてみれば、人手不足感の強い状況に変化はみられない」として【横ばい】と判断した。
有効求人倍率は3カ月連続で前月を下回る
日銀短観の3月先行きの雇用人員判断はマイナス51で、人手不足感が強い状況が続く見込み。
1月の有効求人倍率は0.92倍で前月から0.01ポイント低下し、3カ月連続で前月を下回った。新規求人数は前年同月比マイナス2.6%と、7カ月連続で前年を下回った。業種別にみると、「医療、福祉」「複合サービス業」「運輸業、郵便業」などで増加したものの、幅広い業種で前年を下回った。
このため1~3月期の見通しについても「新規求人数の減少傾向が続いているものの、総じてみれば人手不足感の強い状況が継続している」として【横ばい】と判断した。


