【福島】(とうほう地域総合研究所)
最低賃金引き上げに対して約半数の企業が価格転嫁で対応
地域シンクタンク・モニター定例調査
福島県の経済動向は、2025年10~12月期は民間設備投資と新設住宅着工戸数が大幅に増えていることなどから、モニターのとうほう地域総合研究所は【やや好転】と判断した。1~3月期は、各種統計の動きをふまえて【横ばい】となった。雇用動向については、労働統計の動きをもとに10~12月期は【やや悪化】、1~3月期は【横ばい】としている。最低賃金は1月から78円引き上げられて1,033円となっているが、モニターが県内企業に実施した調査によると、約半数の企業が価格転嫁によって対応するとしている。
<経済動向>
民間設備投資と新設住宅着工戸数が大幅増
10~12月期の地域経済を個人消費からみると、大型小売店販売額は1,919億2,200万円で前年同期比プラス1.0%となった。乗用車登録・届出台数(新車および中古車)は3万7,431台で同マイナス3.5%となった。
公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前年同期比プラス27.3%と2期ぶりに増加した。環境省発注の工事が増加した。
民間設備投資は、大型商業施設の建設があったことから、建築着工(民間非居住用)工事費予定額は前年同期比プラス78.3%となっている。
新設住宅着工戸数は前年同期比プラス22.6%、前期比プラス15.2%となっている。
生産活動は、鉱工業生産指数が前期比プラス1.0%となっている。上昇は2期ぶり。
モニターはこれらの統計をもとに、10~12月期について【やや好転】と判断した。
住宅着工は上向きで、個人消費も底堅い動き
1月の統計をみると、大型小売店販売額は前年同月比プラス2.2%となっている。増加は2カ月ぶり。乗用車登録・届出台数は同マイナス1.4%となっている。
公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前年同月比マイナス27.3%と大きく減少した。民間設備投資も、建築着工(民間非居住用)工事費予定額が同マイナス89.7と大きく減少した。
新設住宅着工戸数は前年同月比プラス20.3%となっている。
モニターは1~3月期の見通しについて、住宅着工が上向いていることや、個人消費の底堅さなどから【横ばい】の範囲内で推移すると判断。ただし、「イラン問題によるガソリン価格高騰の影響は注視する必要がある」としている。
<雇用動向>
有効求人倍率が低下し、新規求人も減少
10~12月期の雇用実績は、雇用保険受給者実人員数が前期から10.1%減少した。ただし前年同期比では7.8%の増加。有効求人倍率は1.23倍で、前期から0.03ポイント低下した。
人手不足の状況にはあるものの、新規求人数が減少していることから、モニターは10~12月期の雇用動向を【やや悪化】とした。
1月の統計をみると、有効求人倍率は1.20倍で、前月比で0.02ポイント低下した。雇用保険受給者実人員数は前月比で2.2%増加した。
モニターは、「物価上昇や海外情勢などによる企業業績の悪化を受けての求人動向への悪影響には注意する必要がある」としたうえで、1~3月期の判断を【横ばい】とした。
約2割の企業は「最賃上昇の影響はない」
福島県の最低賃金は、1月から78円引き上げられて1,033円となっている。モニターが県内企業に対して1月に実施した調査によると、最低賃金の引き上げへの対策(複数回答)は「商品やサービスの価格に転嫁する」が49.8%と半数近くで最も高く、次いで「設備投資を実施して生産性を向上させる」が25.8%となっている。「最低賃金上昇の影響はない」とする企業は約2割となっている。


