【中国】(中国地域創造研究センター)
関税引き下げで10月は米国向け自動車輸出が伸びたものの、11月以降は生産計画見直し・部品の需要減が相次ぐ

地域シンクタンク・モニター定例調査

中国地域では、2025年10~12月期の経済動向は、生産活動では自動車が関税の引き下げで10月の米国向け輸出が伸びたものの、11月以降は生産計画の見直しや部品の需要減が相次いだほか、個人消費は節約志向が高まっており、モニターである中国地域創造研究センターは【やや悪化】とした。1~3月期も【やや悪化】としている。雇用動向については、有効求人倍率の動きなどをもとに10~12月期の実績を【やや悪化】と判断し、1~3月期の見通しも【やや悪化】とした。

<経済動向>

11月からは圧縮機やタービン部品などの需要も減退

モニターは、10~12月期の中国地域の経済動向について【やや悪化】と判断した。

生産活動についてみると、10月は三菱自動車水島製作所(倉敷市)での新型車の生産が好調だったほか、広島県内でも自動車と自動車部品が好調で、強く持ち直した。米国向けの関税率が27.5%から15%に下がったことで、米国向けの輸出も伸びた。

しかし11月からは一転し、自動車産業での生産計画の見直しや部品の需要減が相次いだ。機械は、圧縮機やタービン部品、化学のポリプロピレンやポリエチレンなどの需要が減ったことが響いた。こうした状況のため、アジア向けに好調な輸出を続ける半導体や工作機械ではカバーできなかった。

個人消費は、残暑による衣料品の低調、物価高による節約志向の高まりで食品購入にも影響が生じており、一部のラグジュアリーハンドバッグや宝飾品などを除いて全般的に停滞感がある期間となった。

不透明感ぬぐえず、来期の経済動向も「やや悪化」と判断

1~3月期の見通しについても、米国の関税政策や長引く物価高により、不透明感がぬぐえず、【やや悪化】と判断した。

賃上げは個人消費にはプラスになるかもしれないが、企業経営にとってはネガティブな影響が強い印象があり、さらに世界経済や株式相場の不確実性が景気回復への勢いをそぐ懸念がある。

春休みから新年度にかけてのインバウンドや、国内旅行者の増加による宿泊・飲食・サービス業へのプラスが期待できるものの、賃上げによる所得環境の改善は「物価高を緩和するほどの効果は見込めそうにない」という。

<雇用動向>

昨年4月をピークに下げ止まりがみえない有効求人倍率

10~12月期の雇用実績について、モニターは【やや悪化】と判断した。

12月の有効求人倍率は広島県が1.36倍、島根県が1.33倍、岡山県が1.32倍で、中国地方全体で1.32倍となっており、全国平均の1.19倍を大きく上回ったものの、昨年4月をピークとして下げ止まっていない状況。

物価高で人件費や資材価格が上がるなかで、企業が人を雇う余力を出しにくくなっており、生活関連サービス業では人員整理で求人数を見直す動きも出ている。企業の人手不足感は強まっているものの、人件費の高騰で介護施設や小売業は求人数を絞っている。また、製造業でのデジタル化や小売業でのセルフレジなど省力化設備の導入も加速している。

労務費を抑えるために省人化で対応する事例が相次ぐ

1~3月期の見通しも【やや悪化】としている。

物価高が長引くとともに最低賃金は引き上げが続いており、原材料費の高騰も歯止めがかからないなかで、経営負担から求人を抑えている企業が増えている。

また、労務費を抑えて省人化で対応する事例が相次いでいる。統計上ではパートタイムの求人の減り方が大きく、「企業経営が相当程度に圧迫されていることがうかがえる」という。