約7割が社内の人から勤務時間外に連絡があると回答
 ――マイナビの「つながらない権利をめぐる個人の本音と企業の実態調査」集計結果

つながらない権利

マイナビがこのほど発表した「つながらない権利をめぐる個人の本音と企業の実態調査」によると、「社内の人から勤務時間外に連絡がある」と回答した正社員の割合は70.0%にのぼった。勤務時間外の連絡を拒否したいと思うかについて尋ねると、6割以上がそう思うと答えた。

「つながらない権利」とは、労働者が休日などの勤務時間外にメールや電話などの業務連絡に対応しなくてもよいと選択できる権利をいう。調査は個人調査と企業調査の2通り。個人調査は、正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2025年に転職した人を対象に、2025年12月16日~25日に実施。1,446人が回答した。企業調査は、従業員数3人以上の企業で2025年中に中途採用業務を担当し、「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者を対象として2025年12月17日~22日に実施し、1,500人が回答した。

<個人調査>

「上司・部下ともに連絡はない」とした人の割合は30.0%

社内の人からの勤務時間外における業務連絡が来ることがあるかを尋ねた結果をみると、「上司・部下ともに連絡がある」が60.3%、「上司からはあるが部下からはない」が7.3%、「上司からはないが部下からはある」が2.4%、「上司・部下ともに連絡はない」が30.0%だった。

「上司・部下ともに連絡がある」「上司からはあるが部下からはない」「上司からはないが部下からはある」を合計した【社内の人から勤務時間外に業務連絡がくることがある】割合は70.0%にのぼった(図表)。

図表:社内の人から勤務時間外に業務連絡がくることがあるか
画像:図表

(公表資料から編集部で作成)

【社内の人から勤務時間外に業務連絡がくることがある】の回答割合を役職別にみると、部長職が90.3%、課長職が89.8%、係長・主任が85.7%、非管理職が55.5%となり、役職が高い人ほど勤務時間外の業務連絡があると回答した割合が高かった。

勤務時間外に業務連絡をすると回答した人は69.6%

一方、社内の人に対して勤務時間外に業務連絡をすることがあるかを尋ねた結果をみると、「上司・部下ともに連絡をすることがある」の回答割合が61.0%、「上司に連絡はするが部下に連絡することはない」が7.9%、「上司に連絡はしないが部下に連絡することはある」が0.7%で、「上司・部下ともに連絡することはない」は30.4%となっている。

「上司・部下ともに連絡をすることがある」「上司に連絡はするが部下に連絡することはない」「上司に連絡はしないが部下に連絡することはある」を合計した【社内の人に対して勤務時間外に業務連絡をすることがある】割合は69.6%とほぼ7割となっている。

【社内の人に対して勤務時間外に業務連絡をすることがある】の回答割合について、役職別にみると、部長職が91.7%、課長職が88.2%、係長・主任が86.1%、非管理職が54.8%で、勤務時間外に業務連絡をする回答割合についても役職が高い人ほど高かった。

勤務時間外の連絡を拒否したいと思う人は計64.3%

勤務時間外の連絡を拒否したいと思うかについて尋ねた結果をみると、「とてもそう思う」が33.3%、「まあそう思う」が31.0%、「どちらともいえない」が22.1%、「あまりそう思わない」が9.5%、「まったくそう思わない」が4.1%で、「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合計した【そう思う】の割合は64.3%と6割以上となっている。

また、【そう思う】の回答割合について年代別にみると、「20代」が68.1%、「30代」が64.4%、「40代」が65.3%、「50代」が52.7%となり、若い世代ほど勤務時間外の連絡を拒否したいと回答する割合が高い。

上司へ業務時間外に連絡をすると回答した人に、業務連絡の緊急度を尋ねると、「緊急度が高いことが多い」の回答割合が28.3%、「どちらかといえば緊急度が高いことが多い」が32.6%、「どちらともいえない」が27.5%、「どちらかといえば緊急度は低いことが多い」が9.1%、「緊急度が低いことが多い」が2.6%となり、「どちらかといえば緊急度が高いことが多い」「緊急度が高いことが多い」を合計した【緊急度が高いことが多い】割合は60.9%となっている。

反対に、部下から勤務時間外に業務連絡を受けると回答した人に、業務連絡の緊急度を尋ねると、「緊急度が高いことが多い」が4.6%、「どちらかといえば緊急度が高いことが多い」が25.3%、「どちらともいえない」が40.8%、「どちらかといえば緊急度は低いことが多い」が24.0%、「緊急度は低いことが多い」が5.3%で、「どちらかといえば緊急度が高いことが多い」と「緊急度が高いことが多い」を合計した【緊急度が高いことが多い】は29.9%にとどまった。緊急度が高いかどうかについての認識には、上司と部下で差がある結果となった。

勤務時間外連絡に対する率直な気持ちを自由回答で尋ねた結果をみると、「原則NG/拒否派」では「常に仕事に縛られている感覚になり、通知を気にしてしまい、気持ちの切り替えができず、心身ともに十分に休めていないと感じる(40代男性)」など、「条件付きで許容派」では「緊急性が高く、対処に時間がかからない要件であれば円滑なチームワーク、人間関係を構築するために時間外でもフレキシブルに対応すべきだと思う(50代男性)」などといったコメントがみられた。

<企業調査>

時間外連絡が頻繁・定期的に発生しているとする人事担当者は3割以上

企業の人事担当者に、自社における勤務時間外連絡の発生有無を尋ねた結果をみると、「頻繁に発生している」が13.6%、「定期的に発生している」が20.0%、「時々発生している」が17.1%、「まれに発生している」が17.7%で、「発生したことはない」が31.7%となっている。「頻繁に発生している」「定期的に発生している」「時々発生している」「まれに発生している」を合計した【発生したことがある】割合は68.4%となっている。

「発生したことがある」の回答割合について、上場有無別にみると、「上場企業」では76.4%
である一方で、「未上場企業」では61.6%だった。

41.8%がガイドラインの策定に「未着手」

つながらない権利に関するガイドライン策定状況の有無をみると、「すでに対応を完了している」は29.3%、「現在対応をすすめている」が28.9%、「対応策を検討中(未着手)」が21.3%、「まだなにもしていない」が20.5%。「対応策を検討中(未着手)」「まだなにもしていない」を合計した【未着手】の割合は41.8%と約4割となっている。

【未着手】の割合を上場有無別にみると、「上場企業」が33.4%、「未上場企業」が48.8%となり、「上場企業」に比べ、「未上場企業」のほうが15.4ポイント高かった。

(調査部)

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