【福島】(とうほう地域総合研究所)
県内に希望する仕事・会社があるかどうかが高校生の将来の県内居住意向を左右

地域シンクタンク・モニター定例調査

福島県の経済動向は、7~9月期は民間設備投資が大幅に増加しているものの、生産活動は低下していることなどから、モニターのとうほう地域総合研究所は【横ばい】と判断した。10~12月期も、各種統計の動きをふまえて【横ばい】となった。雇用動向については、労働統計の動きをもとに7~9月期、10~12月期のいずれも【横ばい】としている。モニターが県内の公立高校に通う生徒に実施した調査によると、将来の県内居住の意向は希望する仕事・会社が県内にあるかどうかで大きく変わっている。

<経済動向>

民間設備投資が電気・ガス等の大型投資により大幅増

7~9月期の地域経済を個人消費からみると、大型小売店販売額は1,909億2,200万円で前年同期比プラス1.7%となった。乗用車登録・届出台数(新車および中古車)は3万7,694台で同マイナス1.5%となった。前年の一部メーカー出荷停止の反動増がなくなった。

公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前年同期比マイナス5.1%と2期ぶりに減少した。環境省発注の工事が減少した。

民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)工事費予定額が前年同期比プラス89.3%、前期比プラス133.5%となっている。「電気・ガス・熱供給・水道業」での大型投資により大きく増加した。

新設住宅着工戸数は前年同期比マイナス23.2%、前期比プラス14.7%となっている。

生産活動は、鉱工業生産指数が前期比マイナス1.6%となっている。

モニターはこれらの統計をもとに、7~9月期について【横ばい】と判断した。

物価上昇が懸念材料だが、個人消費は底堅い

10~11月の統計をみると、大型小売店等販売額は前年同期比プラス2.1%となっている。乗用車登録・届出台数は同マイナス6.5%となっている。

公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前年同期比マイナス40.7%と大きく減少した。民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)工事費予定額が同プラス117.6%で2倍以上に大きく増加した。

新設住宅着工戸数は前年同期比プラス59.3%。4月からの住宅省エネ法改正に向けた3月の駆け込み需要に対する反動減が落ち着いたことで、前年同期比増に転じた。

モニターは10~12月期の見通しについて、「物価上昇が懸案材料となっている」としつつも、個人消費の底堅さなどから【横ばい】の範囲内で推移すると判断した。

<雇用動向>

有効求人倍率が1.2倍台に低下

7~9月期の雇用実績は、雇用保険受給者実人員数が前期から25.3%増加した。前年同期比では6.4%の増加。有効求人倍率は1.26倍で、前期の1.3倍台から2期ぶりに1.2倍台に低下した。

有効求職者数は前期比で増加した一方、有効求人数が減少したことで、有効求人倍率は低下した。モニターは、人手不足を背景に新規求人数は前期並みを維持していることもふまえて、7~9月期の雇用動向を【横ばい】とした。

10~11月の月平均の統計をみると、有効求人倍率は1.22倍で、7~8月比で0.05ポイント低下した。雇用保険受給者実人員数は7~8月比で7.8%減少した。

モニターは、「物価上昇などによる企業業績の悪化による求人動向への悪影響には注意する必要がある」としたうえで、10~12月期の判断を【横ばい】とした。

県内に居住意向を持つ高校生は46.1%

モニターが県内の公立高校生を対象に実施した調査で、将来、福島県内に居住する意向があるか尋ねたところ、「ずっと住み続けたい」が9.9%、「一度県外に出ても福島県に戻って住みたい」が36.2%で、居住意向を持つ割合は合計46.1%と5割を下回った。そのほか、「わからない」が33.8%、「住みたくない」が20.1%となっている。

県内に希望する仕事・会社の有無別に将来の県内への居住意向をみると、福島県内に希望する仕事・会社があるとする生徒では、「ずっと住み続けたい」が16.2%、「住みたくない」が12.1%となっている。福島県内に希望する仕事・会社がないとする生徒では、「ずっと住み続けたい」が2.4%、「住みたくない」が47.3%となっており、モニターは「希望する仕事・会社があるかどうかで将来の居住意向が大きく変わる」と指摘している。