格差是正などに向けた賃金改善を目指し、過去最高水準の賃上げを獲得したとの報告も
 ――【産別労組】1年間の運動・活動での特徴的な内容や2025年の定期大会で決定・補強した運動方針など

ビジネス・レーバー・モニター定例調査

JILPTはこのほど、「ビジネス・レーバー・モニター」を委嘱している産別労組・単組に対し、この1年間の運動・活動での特徴的な内容や、2025年の定期大会で決定・補強した運動・活動方針のポイント、職場でのAI技術の活用に対する方針などについて尋ねた。産別労組モニターからの報告をみると、多くの組合が春季生活闘争の展開として格差是正などに向けた賃金改善を目指して方針を掲げており、妥結結果では、過去最高水準の賃上げや前進回答を引き出した加盟組合の状況を報告する組織がみられた。職場でのAI技術の活用に対する方針では、安全衛生活動の推進に際して、AI等を活用した先進事例を共有して進めていくとの方針を確立しているとの報告もみられた。

今回の調査では、①この1年間の運動・活動で、特徴的だったことや成果をあげたこと、2025年の定期大会で決定・補強した運動・活動方針のポイント②労働組合として、職場でのAI(人工知能)技術(生成AI含む)の活用に対して、方針や考え方を確立している場合の内容――の2点について尋ねた。

本稿では産別労組の回答結果を紹介し、単組の回答結果については本号の別記事で紹介する。

調査期間は2025年10月17日~11月14日。調査票を産別労組には24組織、単組には27組織に配布し、産別では11組織、単組では12組織から回答を得た。なお、単組はほとんどを大手組合で占めている。

■電機連合

折り返しを迎える中期運動方針の必要な修正に向けて議論

製造業の産別労組からみていくと、電機業界の労働組合でつくる電機連合(組合員56万3,000人)は、この1年間の特徴的な取り組みとして、約3年前から取り組む運動変革プロジェクトに沿って、組織体制の見直しや運動方針の整理を実施してきたことを報告。さらに「組織横断的な連携を担う部門を新設して横串でのプロジェクトを進行している」と回答した。

電機連合では、2024年からの向こう2年間を1サイクルとして運動方針を策定しており、2025年は方針の後半にあたる。また、運動の方向性を示す指針となる中期運動方針を2021年から2030年までの10年間の単位で策定しており、折り返し地点を迎えるタイミングにもなっている。こうしたことから今後について、「方向性の確認や課題の洗い出しを行い、中期運動方針について必要な修正を加えたうえで、運動方針と方向性を新たに定める議論を進める」としている。

AIの活用基盤としてIT環境の刷新やリテラシー向上が必要に

職場でのAI技術の活用に対しては、「明確な方針としては整理していないが、組織の変革にはDXによる業務の見直し・改革、生産性向上が不可欠であると考えている」と回答。「AIの活用を前提に、その基盤としてIT環境の刷新とITリテラシーの向上が必要」として、本部や地方協議会で、ITツールの刷新・統合とあわせて生成AIの導入を進めることや、効果的な活用に向けて、個々人のスキル向上やチーム連携の強化をめざし、勉強会を同時並行で進めるとしている。

■基幹労連

AP25でも単年度で賃金改善に取り組む

鉄鋼、造船重機、非鉄などの労働組合でつくる基幹労連(組合員27万1,000人)は、この1年間の特徴的・成果をあげた取り組みとして、賃上げや政策実現活動の取り組みをあげた。

賃上げでは、AP(アクティブプラン)25(2025年の賃上げなどの交渉)において、2024年から向こう2年間で取り組む方式の後半にあたる「個別改善年度」として、その中心となる「年間一時金」「格差改善」に取り組んだ。

基幹労連は産別全体として賃上げに取り組むのは2年に1度とする「2年サイクル」方式を採用しており、1年目は「総合改善年度」と位置づけ、産別全体として賃金改善に中心的に取り組む(基本的には2年分の賃金改善を交渉する)。ただし、前年のAP24の方針では、賃金改善について産別全体で「2024年度のみの要求とする」と決めて取り組んだことから、AP25でも単年度で賃金改善について取り組むことを決めており、「相乗効果をはかるべく、統一要求を掲げるとともに、格差改善についても具体的な改善額を掲げ、積極的に取り組んだ」と報告した。

格差改善は2割超で前進回答を引き出す

最終的な回答結果については、格差改善(月例賃金)では187組合が要求し、189組合(組合は要求しなかったものの、会社側が改善額を提示した組合を含む)が回答を受け、うち40組合(21.2%)が前進回答を引き出した。回答額の平均は3,444円(要求額の平均は、3,711円)となっている。基幹労連は「前進回答となった組織も一定程度あり、これまでの大手追従・大手準拠の構造の転換に向けた大きな一歩である」と評価。業種別部会でまとまって要求を掲げたことで前進回答を得られた組織の後押しにつながったと受け止めている。

賃金改善については279組合(98.6%)で前進回答を引き出し、回答額の平均は1万3,087円となった。「過去最高の平均獲得額となった昨年に引き続き、物価上昇を超える獲得額となったことは、基幹労連全体で要求を統一して格差改善に積極的に取り組んだこと、労使で共通の課題を認識・共有できたこと、要求貫徹に向け全力を傾注して要求に込めた思いを最後まで粘り強く主張し、取り組んだことによる成果」と強調している。

また、政策実現活動で、第27回参議院選挙における比例代表候補者の当選を果たしたことも報告した。

安全衛生活動や組織強化・拡大などを重点項目に掲げる

2025年の定期大会では、「安全衛生活動の取り組み」「組織強化と組織拡大の取り組み」「労働政策の推進」「基幹労連政策の推進とその実現に向けた機能強化」「産業別組織としての運動の推進と強化」――の5つを重点項目として掲げている。

主要な取り組み項目をみると、「安全衛生活動の取り組み」として、類似災害の撲滅や災害発生防止に向けた活動の推進、安全で安心して働くことのできる職場環境の構築や、「労働政策の推進」として、AP26・27春季取り組みの推進や特定(産業別)最低賃金の取り組み、労働法制への対応などを示している。

また、職場でのAI技術の活用に対しては、「安全衛生活動の推進に際して、AI・IoTを活用した先進事例を共有して進めていくことで方針を確立している」とした。

■JEC連合

産業政策要望をまとめ関係省庁や政党に提出

化学、エネルギー、医薬などの労働組合でつくるJEC連合(組合員12万5,000人)は、安全や、雇用を守る取り組み、2025春闘の取り組みをこの1年間の特徴的な内容としてあげている。

安全の取り組みでは、労働災害(休業4日以上)を加盟組合(会員専用ホームページ)で共有する仕組みの構築や、各種テーマの研修会の開催、「JEC連合労働安全衛生指針&資料集」の作成・配布などを実施している。

雇用を守る取り組みではまず、産業政策要望をまとめ、関係省庁や政党に提出したことを紹介。また、企業の合理化・再編・撤退について、加盟組合へのサポートとともに情報収集を行ってきたものの、課題が残る結果となったため、「雇用問題が発生した時点からではなく、より早い段階から状況把握とサポート体制の構築が必要」として、2025年度は雇用対策委員会を2件立ち上げ、対応している。

25春闘では共闘による相場感の醸成や相乗効果の発揮を強く意識

2025春闘の取り組みについては、2024春闘の回答調査が未報告の組合に報告を促したうえで取り組みを総括し、方針作成や取り組み・支援体制を構築したと報告。さらに、「共闘による相場感の醸成や相乗効果の発揮を強く意識」したうえで、要求書提出期限の呼びかけの強化や、春闘調査回答率を向上するための施策を実施したとしている。また、「4月から交渉が本格化する中小組合の働く仲間の交渉支援のため、山場以降に共闘会議を開催した」とした。

定期大会で決定・補強した活動方針では、安全衛生活動、雇用を守る取り組み、労働条件・処遇の維持向上、ジェンダー平等社会の実現、社会貢献活動、組織拡大を掲げた。

■ゴム連合

賃上げ妥結水準は2期連続で過去最高に

タイヤなどゴム業界の労働組合を束ねるゴム連合(組合員4万4,000人)は、1年間の活動の特徴点として、まず、春季生活改善において「1万円以上の賃上げ目標の目安を掲げた結果、2期連続で過去最高水準の賃上げ妥結水準となった」と強調。また、休業災害の1年間の発生数が10件減少したことや、類似災害の発生率が56%に減少したこと、組織拡大の取り組み方針を策定して今後5年間の目標を設定したことなどをあげている。

雇用維持のための情報提供・相談対応などを掲げる

次期運動方針として掲げたポイントでは、「雇用を維持するために有益な情報の提供と相談対応を行うとともに、必要に応じて具体的な支援を行う」「加盟単組が抱える課題が多様化していることから課題の把握と必要な情報提供や助言等を行い、課題解決に向けた労使協議の活性化を支援する」としている。

ほかにも安全衛生活動の課題に応じた支援(教育・講演等)や、ワーク・ライフ・バランス推進方針の浸透活動、労働者自主福祉運動や災害時に無保障となる組合員をなくすことを目的とした取り組みの必要性についての啓発・情報宣伝活動の実施、組合役員を対象とした研修会の開催などを掲げている。

春季生活改善については、「世間情勢や方針素案に対する理解を深め、加盟単組が一体となって取り組みを進めることができるように意見の集約を行い、各加盟単組の考えを踏まえたうえで春の取り組み方針の策定を行う」としている。

■紙パ連合

26年春闘は賃金・一時金を中心に労働諸条件向上に向けた要求を掲げる

紙・パルプ業界の労働組合でつくる紙パ連合(組合員2万5,000人)は、7月の定期大会で、前年の定期大会で確立した「2年間の運動方針」にもとづく1年間の運動の点検と、これからの1年間の運動に向けた補強を確認。運動の柱としては、「雇用の安定と生活の向上をはかる取り組み」「魅力ある産業づくりへの取り組み」「組織の充実と活性化への取り組み」「福祉共済活動充実への取り組み」「社会的責任に応える取り組み」――の5つを掲げた。

2025春季生活闘争については、2025年3月31日現在ですべての組合が賃金改善分を獲得しており、「賃金引き上げの具体的な要求について、要求額・回答額ともに一定の成果があったと捉えられる」とする一方、「要求基準への結集度は前年より9.3ポイント上昇し40.7%となったが低位にとどまった」などと指摘。中央執行委員会を中心に産別方針への結集度を高める新たな取り組みも含めた検討や、賃金引き上げの「産別として目指すべき水準を追求する取り組み」についての浸透・強化、格差是正の取り組みによって顕著な課題である人材の確保・定着の改善につなげていく必要性などを強調した。

2026年春季生活闘争の取り組みとしては、統一要求として「賃金・一時金を中心に、労働諸条件向上にむけた要求を掲げ取り組む」と指摘。また、「持続的な賃上げと格差是正が実現できる環境を作っていくためにも、適切な価格転嫁・適正取引の取り組みを強化する」などとしている。

そのほか、ジェンダー平等の推進の取り組みのうち、中央執行部に女性を登用できる環境整備の構築に向けて、女性役員体制の構想を策定し、継続的な女性役員を輩出できる体制を目指すことなどを補強した。

■印刷労連

賃上げおよび「底上げ」「底支え」「格差是正」の改善を図る

印刷業界の労働組合を束ねる印刷労連(組合員2万1,000人)は、1年間の特徴的な運動・活動として、「『産業政策に関する要望書』をまとめたうえで産業政策懇談会を開催し、推薦議員へ要請を行ったこと」や、2025春季生活闘争において「賃金水準の調査結果をもとに目標水準を設定し、賃上げおよび『底上げ』『底支え』『格差是正』の改善を図った」ことなどを報告した。

次期運動方針については、①産業政策の実現および印刷産業の発展②組織の充実・強化と組織拡大③総合的な労働諸条件維持向上の取り組み④男女平等参画・ジェンダー平等の推進⑤組織運営と人財育成⑥労働者福祉の向上⑦組織の社会的責任と国際平和――の大きく7点を掲げている。

主な取り組み項目をみると、産業政策の展開として「印刷労連・産業政策」の継続的な見直し・検証・周知徹底することや、中小構成組織の労働運動の充実・強化、男女平等参画・ジェンダー平等の推進として連合「ジェンダー平等推進計画(フェーズ2)」と連動した取り組みの実施などを掲げている。

■セラミックス連合

ホームページリニューアルや組合役員向け教育資料の拡充を実施

セラミックス業界の労働組合でつくるセラミックス連合(組合員1万9,000人)は、1年間の運動・活動で特徴的だったこととして、「財政基盤強化」(産別会費改定に向けての準備)や、「組織強化」(ホームページリニューアルによる相互コミュニケーション向上、組合役員向け教育資料の拡充)、「結成30周年記念事業」(記念祝賀会開催、記念品、記念誌発刊)をあげている。

2025年の定期大会での運動・活動方針のポイントには、①セラミックス産業の健全なる発展を図る取り組み②安全衛生対策の取り組み③ゆとり・豊かさの追求④組織強化・拡大⑤ジェンダー平等推進の取り組み⑥財政基盤の強化⑦共助活動の強化⑧自然災害への対応――の8点を掲げる。

主な取り組み項目では「新たな産業政策の取り組み方針」に沿った活動の展開や、安全点検・衛生点検活動のさらなる強化、「第4次組織拡大取り組み方針」に沿った活動の展開、パート等非正規従業員および60歳以降の継続雇用者の組織化などを提示している。

■生保労連

9組合が引き上げ率3%以上に資する成果を獲得

製造業以外の産別組織についてみていくと、生命保険会社の労働組合でつくる生保労連(組合員22万7,000人)は、「生保産業の社会的使命の達成」「2025春闘における統一闘争の展開(内勤職員関係)」を、2024年度の運動・活動における特徴的な取り組みとしてあげた。

「生保産業の社会的使命の達成」については「営業職員一人ひとりが引き続きモチベーションを高く持ち続けられ、顧客や地域社会に一層貢献するとともに、営業職員の役割・活動がより理解・周知されるよう、生保産業と営業職員の社会的理解の拡大に向けて継続的に取り組んでいる」と強調。具体的には、「『地域社会共創フォーラム』を開催してこれまでの生保産業の取り組みの振り返りと地域社会において果たすべき今後の生保産業の役割等について、産業外も含めて認識の共有をはかった」としている。

「2025春闘における統一闘争の展開(内勤職員関係)」については、金融・保険業や他産業の賃金改定の動向等を従来以上に注視したうえで、統一要求基準として、組合員の期待・納得感に応えるべく「年間総収入の向上に取り組む」とし、加えて、月例給与で取り組む場合は5%以上、年間総収入ベースでは3%程度を、引き上げ率の目安としたことを報告。最終的に「引き上げ率を確認できた9組合が3%以上の引き上げに資する成果を獲得した」としている。

生保産業で働く魅力を高めるべく統一闘争を展開

2025年8月の定期大会で決定した、2025年度運動方針内容の特徴については、総合生活改善闘争における取り組みの重要な柱として、「賃金改善の流れを継続させていくことで他産業に対する優位性を確保し、人材の確保・定着につなげる必要があるとの認識のもと、より良い労働条件を確立し、生保産業で働く魅力を高めるべく統一闘争を展開する」ことをあげている。

■運輸労連

トラック適正化二法の可決・成立に向けた取り組みを実施

トラック運送など輸送業界の労働組合を束ねる運輸労連(組合員15万8,000人)では、1年間の特徴的な内容として、2024年4月からの自動車運転者の時間外労働の上限規制や、トラックなどの改善基準告示の改正、2025年6月に可決・成立した「トラック適正化二法」(「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律」)に対する対応をあげている。

これらの規制や法律改正などにより、モニターは「我々が求めてきた『事業許可更新制の導入』『違法な白トラの利用に関する罰則』『適正原価を下回る運賃の制限』『多重下請け構造の是正』等が図られ、業界全体の健全化と安定的な発展とともに、ドライバーの処遇や労働環境が大きく改善されようとしている」と言及。

「トラック適正化二法」の可決・成立に向けた取り組みとして、関係議員に働きかけ、適正運賃収受実現やトラックドライバーの賃金引き上げに向けた取り組みなどに関する質疑や、法案成立に向けた調整等について対応してもらったとしている。

業界では乗務員の健康状態の確認やアルコールチェックなどでAI技術を活用

職場でのAI技術の活用に対しては、業界におけるAIの活用例として、PC等での複数台分の運行指示書の作成や、従来の対面点呼に代わりAIやIT機器を使って乗務員の健康状態やアルコールチェックなどを自動で行う仕組み、デジタルタコグラフ(車両の運行状況をデジタルデータとして記録する装置)の活用による労働時間・運行管理の精度向上、リアルタイム配送システムなどをあげている。

■日建協

加盟組合支援では時短推進と賃金交渉を中心に取り組む

建設業界の労働組合でつくり、建設産業のホワイトカラー層で組織する日建協(組合員3万9,000人)は、産業政策活動や加盟組合支援、データバンク機能の維持、組織活動などを特徴的な取り組みとしてあげた。

産業政策活動については、加盟組合単独ではできない提言活動に最も重点を置いて取り組んだことを紹介。加盟組合支援については、「特に労働環境の改善に向けた加盟組合の活動を積極的に支援し、時短推進と賃金交渉の2つを中心として取り組んだ」としている。

データバンク機能の維持については、「データの収集・蓄積にあたり、情報の精度や利便性の向上にともなう質・量の充実を目指す」ことを強調。

組織活動については、加盟組合との直接対話に重点を置いた積極的な組織内交流や、他産業の情報収集・連帯強化に向けた組織外交流、未加盟組合の訪問などをあげている。

組織の活性化や連帯意識の向上などに加え、中長期的な活動の方向性を討議

2025年度の方針については、まず産業政策活動において、作業所アンケートなどを通じて実態を把握し、建設産業が抱える諸問題の解決に向けた提言活動や意見交換に重点をおいて取り組むとともに、将来の担い手に対して建設産業の社会的役割と魅力を発信し、誰もが働きやすい産業の実現を目指すことなどを掲げた。

加盟組合支援では、時間外労働の上限規制が適用されて1年が経過することから、加盟組合との経過後の状況もふまえた意見交換などを通じて、時短推進、時間外労働の調査分析を行うことなどを盛り込んだ。

組織に関する取り組みでは、執行部訪問や勉強会の開催などで日建協と加盟組合との相互理解を図り、組織を活性化するとともに連帯意識を高めることや、未加盟組合への加盟促進に向けた取り組みとしてアンケートや諸会議への参加を呼びかけることをあげた。加えて、「日建協ビジョン2030の実現に向けた中間期の進捗確認と今後のより良い活動のあり方など、中長期的な活動の方向性について討議する」としている。

情報流出の危険視からChatGPTなどの正式な導入には至らず

職場でのAI技術の活用に対しては、「例えばChatGPT等で簡単な挨拶文等の作成を試行しているが、情報の流出を危険視する観点からも正式な業務への導入には至っていない」としつつも「議事録作成に関しては時短の面からも学習機能を有しないソフトを導入し、文字起こしや会議の要点のまとめなど、広く活用するようにしている」としている。

■全建総連

物価高を上回る賃上げの実現や「第三次担い手3法」の具体化を最重点課題に

建設業界では最大の産別組織であり、大工・左官の労働者や一人親方などを組織する全建総連(組合員57万1,000人)は、1年間の特徴的な取り組みとして、物価高騰を上回る賃上げの実現や、建設事業の適正な施工や品質の確保、その担い手の確保に向けた対策の強化を目的とする「第三次・担い手3法」(「建設業法」「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」「公共工事の品質確保の促進に関する法律」)の具体化を図ることを、最重点課題として掲げた。

そのうえで、建設従事者の賃金・単価の引き上げや処遇改善、働き方改革対応、建設キャリアアップシステム(CCUS、技能者の保有資格・社会保険の加入状況や現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積して活用する仕組み)の利・活用をさらに前進させるとしている。

「2029年に想定される、『第四次・担い手3法』改正に向けた賃上げ運動の構築を図り、担い手確保・育成の環境整備等を実現し、持続可能な建設産業への転換を目指すため、『賃上げチャレンジミッション』を提起した」として、組織一丸となって「要求・請求・交渉」に取り組み、組合の存在意義・役割・価値を発揮してすべての立場・丁場・職種の賃金運動を前進させることを強調している。