<2025年第2四半期(4~6月期)実績および第3四半期(7~9月期)の見通し>
住宅投資では建築基準法改正による駆け込み需要の反動も。有効求人倍率は横ばい・低下の動き、多くの地域で人手不足感は継続

地域シンクタンク・モニター定例調査

JILPTでは、各地域のシンクタンクにモニターを委託し、四半期ごとに各地の経済や雇用の動向を尋ねる「地域シンクタンク・モニター調査」を実施している。今回の調査では、2025年第2四半期(4~6月期)の実績と第3四半期(7~9月期)の見通しについて回答を得た(回答締切りは9月26日、モニターの一覧は図表1)。各地域モニターの報告から経済動向および雇用動向(図表2)を紹介する。

図表1:地域シンクタンク・モニターの一覧
画像:図表1

図表2:各地域の経済動向および雇用動向
画像:図表2

<経済動向>

各地の4~6月期の経済動向は「やや好転」が1地域、「横ばい」が9地域、「やや悪化」が2地域。猛暑は一部の商品の売上増に寄与したが、外出控えによる消費低迷にもつながっている。住宅投資は法改正による駆け込み需要からの反動減で、新設住宅着工戸数が大幅に落ち込んだ。

7~9月期見通しでは、「横ばい」が8地域、「やや悪化」が4地域。前期から判断を引き上げたのは「四国」のみで、引き下げたのは4地域となっている。米国の関税政策の不透明感は和らいだとの見方もあるものの、鉱工業生産指数の低下や製造業の業況判断の悪化を報告する地域もあった。近畿は大阪・関西万博の閉幕前の駆け込み需要が期待される。

<雇用動向>

雇用動向については、4~6月期実績で「やや好転」が3地域、「横ばい」が7地域、「やや悪化」が2地域だった。各地の有効求人倍率は横ばいか低下の動きとなっている。

7~9月期見通しは「横ばい」が10地域、「やや悪化」が2地域。前期実績から上向く見通しを示したのは山形県のみで、下向く見通しを示したのは4地域だった。多くの地域で人手不足感が継続している。

なお、本文中に出てくる有効求人倍率、新規求人倍率は特に断りがない限り季節調整値である。