【四国】(四国経済連合会)
平均賃上げ率が3%以上の企業が約半数に達する

地域シンクタンク・モニター定例調査

四国の1~3月期の経済動向は、設備投資が堅調に推移しているほか、個人消費はインバウンドで活性化しており、モニターである四国経済連合会は【横ばい】と判断した。4~6月期は、景況感がやや慎重化していることから、【やや悪化】の見込み。雇用動向は、雇用調整実施中の企業割合が低水準にあることから、1~3月期実績、4~6月期見通しともに【横ばい】とした。モニター実施の調査によると、2025年度の平均賃上げ率は3%以上とする企業が約半数となっている。

<経済動向>

設備投資が堅調に推移、個人消費はインバウンドが活発化

1~3月期の四国経済は、輸出で持ち直しの動きが続いているほか、設備投資が堅調に推移し、個人消費もインバウンド消費の活発化などにより全体として回復している。

モニターが実施した「景気動向調査(3月調査)」の結果をみても、景気について「既に回復」または「回復傾向」とみる企業の割合は66%で、前回12月調査(66%)と同水準となっており、「経営者の景況感は明るさが続いている」。

こうしたことからモニターは、1~3月期の地域経済の実績を「持ち直しの動きが続いている」として【横ばい】と判断した。

4~6月期の見通しについては、同調査(6月調査)によると、現在の四国の景気について「既に回復」または「回復傾向」とみる企業の割合は58%で、前回3月調査(66%)から低下しており、モニターは「経営者の景況感はやや慎重化している」として、判断を【やや悪化】としている。

<雇用動向>

雇用調整実施中の企業割合は3%以下で「引き続き良好な状況」

「景気動向調査(3月調査)」によれば、四国に本社を置く企業で雇用調整を実施中の企業の割合は3%で、前回12月調査(3%)から変化がない。モニターは「引き続き良好な状況」として1~3月期の雇用動向を【横ばい】と判断した。

4~6月期の見通しについても同調査(6月調査)の結果をもとに、雇用調整を実施中の企業の割合は2%で、3月調査(3%)からほとんど変化がないことから【横ばい】と判断した。

なお、人手の過不足の状況については、「不足」または「やや不足」とする企業の割合が3月調査で66%、6月調査で68%となっており、人手不足感は引き続き強い状況にある。

賃上げ率5%以上の企業割合は16%

モニター実施の調査によると、2025年度の平均賃上げ率は「5.0%以上」が16%、「4.0%以上5.0%未満」が17%、「3.0%以上4.0%未満」が18%と、3%以上とする企業割合が約半数となった。

業種別にみると、平均賃上げ率が3%以上とする企業割合は製造業で62%、非製造業で45%となっている。企業規模別にみると、大企業が63%、中堅企業が55%、中小企業が45%となっている。

ベアの実施理由は「人材の定着・確保を図るため」が9割超

2025年度にベースアップを実施すると回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「人材の定着・確保を図るため」が前年度調査の87%から93%へ、「物価が上昇したため」が58%から64%へそれぞれ上昇している。なお、「他社が賃上げを実施したため」は33%で、前年度調査(34%)と同水準となっている。

また、2025年度の賞与・一時金について、引き上げを実施するとする企業割合は2024年度実績の48%から38%に低下する一方で、「前年度の水準に据え置き」は46%から59%に上昇している。