<2024年第2四半期(4~6月期)実績および第3四半期(7~9月期)の見通し>
インバウンド需要や半導体関連の堅調な生産により「やや好転」が4地域。雇用面でみられた運輸や建設での求人増の動き
地域シンクタンク・モニター定例調査
JILPTでは、各地域のシンクタンクにモニターを委託し、四半期ごとに各地の経済や雇用の動向を尋ねる「地域シンクタンク・モニター調査」を実施している。今回の調査では、2024年第2四半期(4~6月期)の実績と第3四半期(7~9月期)の見通しについて回答を得た(回答締切りは9月26日、モニターの一覧は表1)。各地域モニターの報告から経済動向および雇用動向(表2)を紹介する。
表1:地域シンクタンク・モニターの一覧
表2:各地域の経済動向および雇用動向
<経済動向>
各地の4~6月期の経済動向は「やや好転」が4地域、「横ばい」が7地域、「悪化」が1地域。インバウンド需要による消費の好調が続いている。生産活動は半導体関連が堅調だが、大手自動車メーカーの認証不正問題の影響が残っており、結果として乗用車登録・販売台数が減少した。
7~9月期見通しでは、「やや好転」が1地域、「横ばい」が8地域、「やや悪化」が3地域。賃上げによる個人消費の増加に期待する向きもある。近畿では、南海トラフ地震臨時情報や台風の影響が景気判断に影を落とした。
<雇用動向>
雇用動向については、4~6月期実績で「やや好転」が1地域、「横ばい」が8地域、「やや悪化」が2地域、「悪化」が1地域だった。全体では求人の減少を報告する地域が多いものの、いわゆる「2024年問題」の影響を受ける運輸や建設での求人増を指摘する報告もみられた。
7~9月期見通しは「好転」が1地域、「横ばい」が11地域。前期実績から上向く見通しを示したのは北海道、近畿、九州の3地域で、下向く見通しを示したのは茨城県のみだった。強い人手不足感が特に非製造業で継続している。
なお、本文中に出てくる有効求人倍率、新規求人倍率は特に断りがない限り季節調整値である。