在留資格区分別にみた賃金(外国人労働者の賃金)
―令和5年賃金構造基本統計調査結果から―
ちょっと気になるデータ
今回は、前回に引き続き2024年3月27日に厚生労働省から公表された「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果から、外国人労働者の賃金(注1)についての結果を紹介する(注2)。外国人労働者が増加する中、同調査では令和元年調査から新たに外国人労働者についての調査項目が追加されている。
2023年の外国人労働者計の賃金は23万2,600円(年齢33.0歳、勤続年数3.2年)となっている。在留資格区分別(注3)にみると「専門的・技術的分野(特定技能を除く)」が29万6,700円(年齢31.8歳、勤続年数3.0年)、「特定技能」が19万8,000円(同28.9歳、同2.4年)、「身分に基づくもの」が26万4,800円(同44.7歳、同5.7年)、「技能実習」が18万1,700円(同26.2歳、同1.7年)、「その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)」が23万1,300円(同30.8歳、同2.5年)となっている。また、産業別(注4)にみると「建設業」が22万6,900円(同29.3歳、同2.3年)、「製造業」が19万2,600円(同32.0歳、同3.2年)、「宿泊業,飲食サービス業」が21万6,700円(同31.9歳、同3.1年)、「生活関連サービス業,娯楽業」が19万7,200円(同39.9歳、同4.6年)、「医療,福祉」が21万6,300円(同29.7歳、同2.1年)、「サービス業(他に分類されないもの)」が25万1,500円(同37.8歳、同2.9年)となっている(図表1)。
図表1:外国人労働者の賃金(2023年)
注
[注1] 調査実施年6月分の所定内給与額の平均。「所定内給与額」は、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。
[注2] ここで紹介する統計はe-Stat(政府統計の総合窓口)の外国人労働者第1表に掲載されている。
[注3] 出入国管理及び難民認定法に定める在留資格に基づき次のように区分されている。特別永住者及び外交又は公用の在留資格をもって在留する者は除く。
「専門的・技術的分野(特定技能を除く)」:教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興業、技能
「特定技能」:特定技能1号、特定技能2号
「身分に基づくもの」:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
「技能実習」:技能実習
「留学(資格外活動)」:留学
「その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)」:文化活動、短期滞在、研修、家族滞在、特定活動
各在留資格の行うことができる活動や該当例については出入国在留管理庁のホームページの在留資格一覧表に掲載されている。
「留学(資格外活動)」については該当する数値がない。
[注4] 表章記号「X」で示されている産業(標本誤差率が5%超又は計数が僅少で標本誤差率が計算不能のもの)以外の産業。
(調査部 統計解析担当)