67歳~76歳の高齢者が行う社会参加活動はスポーツ、趣味が中心で、高齢者・子育て支援を行う人は1割以下
 ――厚生労働省「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」の第18回調査結果から

実態調査

厚生労働省が2005年10月末時点で50~59歳だった全国の男女を追跡して、就業や社会活動などを継続的に毎年、調査している「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」の第18回調査(2022年実施、対象者は67~76歳)の結果から、社会参加活動の状況をみると、活動がある人の割合は「スポーツ・健康」(53.5%)と「趣味・教養」(52.5%)では5割を超える一方、「高齢者支援」(6.2%)や「子育て支援・教育・文化」(5.0%)は1割以下だった。「地域行事」は33.1%となっている。

「スポーツ・健康」「趣味・教養」は5割を超える

第18回調査までの割合の推移をみると、「スポーツ・健康」はコロナ禍の影響をうける前の第15回まではほぼ60%台で推移し、前回の第17回では45.9%まで低下したが、今回、50%台まで回復した。「趣味・教養」は、第6回(2010年実施)以降、ずっと50%台となっている。「地域行事」は第15回までは10年間、40%台で推移してきたが、第17回では27.8%まで落ち込み、今回は30%台となった。「高齢者支援」は10%を超える年(第7回と第9回)もあったが、近年はほぼ微減傾向にある。「子育て支援・教育・文化」は過去に8.0%に達した年(第9回)もあったが、ここ3年間は5%前後となっている。

就業状況をみると、「仕事をしていない」人が61.8%と6割に達し、「自営業主、家族従業者」が11.9%、「会社・団体等の役員」と「正規の職員・従業員」がそれぞれ2.6%、「パート・アルバイト」が14.1%、「労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託」が4.3%などとなっており、毎年、仕事をしていない人の割合が高まっている。

68歳になっても仕事をしたい人がほぼ5割

これからの仕事の希望を聞くと、「68~69歳になったときの仕事の希望」では、「仕事をしたい」が48.1%、「仕事はしたくない」が32.1%で、仕事をしたい人の割合が優勢。「仕事をしたい」の割合の内訳をみると、「有償型の社会参加活動」をあげた人は1.5%で、「パートタイム」をあげる人が21.4%で最も多い。

(調査部)

2023年12月号 実態調査の記事一覧