【賃上げの全体状況】
直近の集計が単純平均で6,491円(2.47%)に
 ――国民春闘共闘委員会

春闘取材

全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は、賃上げの統一要求として「月額3万円以上・時間額190円以上」(定期昇給相当分込みで10%相当)の引き上げを掲げて、交渉に臨んでいる。5月16日に公表した第6回目の賃上げ集計では、有額回答を引き出した643組合の単純平均は6,491円(2.47%)、加重平均では6,322円(2.18%)で、引き上げ額は単純平均、加重平均とも1~5回目の集計より高くなっている。

加重平均は6,322円

第6回集計結果によると、5月11日までに1,063組合が何らかの回答を引き出している。そのうち、金額もしくは率などが明らかになっている有額回答を得た組合は643組合(60.5%)で、「定昇確保」などの言葉による回答を得た組合が420組合(39.5%)となっている。

有額回答を引き出した643組合での単純平均(一組合あたりの平均)は、額で前年同期比510円増の6,491円、率も同0.36ポイント増の2.47%。加重平均(組合員一人あたりの平均、組合員数7万7,806人)では前年同期比912円増の6,322円、率で同0.17ポイント増の2.18%となった。

第1~5回の集計をみると、単純平均は第1回:6,395円(2.49%)、第2回:6,347円(2.36%)、第3回:6,287円(2.34%)、第4回:6,368円(2.38%)、第5回:6,456円(2.42%)。加重平均は、第1回:5,645円(2.07%)、第2回:5,804円(2.02%)、第3回:5,916円(2.06%)、第4回:5,919円(2.07%)、第5回:6,070円(2.08%)で、どちらも第6回集計が最も高い引き上げ額になっている。

比較可能な組合の6割強が前年実績超え

前年実績と比較可能な515組合についてみると、単純平均額は6,605円(前年実績5,511円)で前年を1,094円上回っている。率で対比が可能な296組合の賃上げ率も、単純平均で2.46%(同2.05%)と、前年を0.42ポイント上回った。なお、前年実績を超える回答を引き出した組合は、額で328組合(63.7%)、率では186組合(62.8%)となっている。

こちらも第1~5回の単純平均をみると、第1回:6,655円(2.31%)、第2回:6,405円(2.34%)、第3回:6,405円(2.40%)、第4回:6,483円(2.42%)、第5回:6,608円(2.41%)で、第1回目以降、低下傾向だった引き上げ額が4回目から上昇に転じ、最新集計は初回と同水準に戻している。

国民春闘共闘によると、「産業別では、鉱業・建設業、製造業、マスコミ関係業で高水準となっている一方、医療、社会福祉・介護などが厳しい状況となっている」という。

時給引き上げ額は30円台に

非正規労働者の賃上げ状況については、12単産177組合から360件の報告が寄せられている。時給制では233件の報告があり、そのうち引き上げ額が判明している183件の単純平均は30.1円、率では40件の平均で2.96%となっている。

(調査部)