新規学卒者の賃金
 ―令和4年賃金構造基本統計調査結果から―

ちょっと気になるデータ

厚生労働省から2023年3月17日に賃金構造基本統計調査の令和4年結果が公表された。この中から新規学卒者の賃金(注1)についての結果を紹介する。

2022年の新規学卒者の賃金は、高校卒では男女計181.2千円(対前年増減率0.8%)、男性183.4千円(同1.0%)、女性177.6千円(同0.7%)、大学卒では男女計228.5千円(同1.4%)、男性229.7千円(同1.3%)、女性227.2千円(同1.5%)となっており、高校卒、大学卒ともに前年と比べて増加している(図1)。

図1:新規学卒者の賃金(2022年)
画像:図1

直近10年についてみると(注2)、高校卒、大学卒それぞれについて、男性、女性ともにおおむね増加傾向で推移している(図2)。

図2:新規学卒者の賃金の推移
画像:図2
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次に、産業別に2022年の新規学卒者の賃金をみると、高校卒では「学術研究,専門・技術サービス業」で187.3千円ともっとも高く、次いで「卸売業,小売業」で186.3千円、「不動産業,物品賃貸業」で184.1千円などとなっている。大学卒では「学術研究,専門・技術サービス業」で244.2千円ともっとも高く、「鉱業,採石業,砂利採取業」で240.3千円、「医療,福祉」で235.5千円などがこれに次いでいる(図3)。

図3:産業別にみた新規学卒者の賃金(2022年)
画像:図3
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[注1] 一般労働者のうち、新規学卒者に該当する者の所定内給与額(通勤手当を含む)を集計したもの。2020年からの新規項目。

[注2] 2019年以前は個人票における年齢・勤続年数・最終学歴から新規学卒者に該当すると推定される労働者の所定内給与額を推計した遡及集計結果。

(調査部 統計解析担当)