役職別の賃金
 ―令和4年賃金構造基本統計調査結果から―

ちょっと気になるデータ

厚生労働省から2023年3月17日に賃金構造基本統計調査の令和4年結果が公表された。この中から役職別にみた賃金についての結果(注1)を紹介する。

役職別の賃金は、男女計では部長級586.2千円、課長級486.9千円、係長級369.0千円、男性では部長級593.1千円、課長級495.6千円、係長級379.1千円、女性では部長級520.1千円、課長級435.0千円、係長級337.6千円となっている(注2)図1)。

図1:役職別の賃金
画像:図1

役職に就いていない非役職者(部長級、課長級、係長級、職長およびその他役職(注3)以外の者)の賃金を100として役職者と非役職者の間の賃金格差をみると、男女計では部長級208.2、課長級172.9、係長級131.0、男性では部長級197.0、課長級164.7、係長級125.9、女性では部長級205.4、課長級171.8、係長級133.3となっている。部長級では2倍程度、課長級では1.6~1.7倍、係長級では1.3倍程度の差がみられる。また、どの役職についても男性に比べて女性の方が格差が大きくなっている(図2)。

図2:役職・非役職間の賃金格差(非役職者=100)
画像:図2

最後に、産業別に役職別の賃金をみると、部長級では「金融業,保険業」が796.7千円ともっとも高く、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」692.1千円、「医療,福祉」662.8千円などとなっている。課長級では「金融業,保険業」が621.5千円ともっとも高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」608.5千円、「鉱業,採石業,砂利採取業」573.0千円などがこれに次いでいる(図3)。

図3:産業別にみた役職別の賃金
画像:図3
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[注1] 6月分の所定内給与額の平均。役職別の統計は一般労働者のうち雇用期間の定めのない者について集計されている(雇用期間の定めの有る者は含まれない)。

[注2] 各役職の平均年齢と平均勤続年数は以下のとおり。

画像:各役職の平均年齢と平均勤続年数
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[注3] その他役職は、管理・事務・技術部門における係長以上又は生産部門における職長以上の職務に従事する者で、部長級、課長級、係長級、職長級のいずれにも含まれない役職をいう。部(局)調代理、同補佐、部(局)次長、課長代理、同補佐、課次長等、調査役等のスタッフ、支社長、支店長、工場長、営業所長、出張所長、病院長、学校長等。

(調査部 統計解析担当)