【茨城】製造業の景況感が一時悪化も、7~9月期は回復の見込み

地域シンクタンク・モニター定例調査

経済動向について、4~6月期の地域経済は、非製造業では景況感の改善がみられたものの、製造業は悪化したことから【横ばい】となった。7~9月期は製造業の回復をうけて【やや好転】の見通しとしている。雇用動向は4~6月期の実績、7~9月期の見通しともに【やや好転】となっている。

<経済動向>

非製造業の景況感が改善

茨城県のモニターが実施する「県内主要企業の経営動向調査(4~6月期)」によれば、県内企業の景況感をあらわす自社業況総合判断DIは、全産業ベースで「悪化」超17.4%と、前期調査の「悪化」超24.6%から7ポイント上昇した。業種別にみると、製造業は「悪化」超24.0%で前期から9ポイント低下したものの、非製造業は「悪化」超12.8%で前期から18ポイント上昇している。

モニターは製造業について、「世界的な供給制約を背景に生産・受注減が続く品目があることや、急激な円安等により資源・資材、エネルギー等の価格がさらに上昇したことなどを背景に、景況感が悪化したと考えられる」とし、非製造業については「新型コロナによる行動制約の緩和等が消費マインドの改善につながったことなどから、資源・資材価格高騰の影響が大きい建設業を除き、すべての業種で景況感が改善したとみられる」として、これらを勘案して4~6月期の地域経済を【横ばい】と判断した。

供給制約や物価上昇が生産に与える影響を中止する必要が

7~9月期については、「自社業況総合判断DIは全産業で『悪化』超12.9%と今期から5ポイント上昇の見通し」であることを報告。これを業種別にみると、「製造業は『悪化』超16.2%で8ポイント上昇、非製造業は『悪化』超10.7%でおおむね横ばいの見込み」だという。

モニターは「感染状況の推移とそれに伴う行動制約・経済対策の動向、また、世界的な供給制約や企業物価の上昇等が県内生産に与える影響を注視する必要がある」とコメントしたうえで、先行きを【やや好転】と判断した。

<雇用動向>

雇用実績は持ち直しつつある

4~6月期の雇用動向について、6月の雇用指標をみると、有効求人倍率が2カ月連続で改善となったほか、新規求人倍率は2カ月ぶりに上昇した。雇用保険受給者数も前年同月比10.9%減と、14カ月連続で前年を下回っている。

モニターが実施した「茨城県内主要企業の経営動向調査結果(4~6月期)」をみても、雇用判断DIは「増加」超3.0%と、前期(「減少」超0.5%)から4ポイント上昇した。こうしたことからモニターは、雇用の実績(4~6月期)を「持ち直しつつある」として【やや好転】と判断した。

来期は非製造業で改善の見通し

また同調査の先行き(7~9月期)の結果をもとに、「全産業で『増加」超6.2%と今期から3ポイント上昇している。業種別では、製造業が『増加』超5.4%でおおむね横ばいだが、非製造業が『増加』超6.6%で4ポイント上昇する見通し」であることをあげ、7~9月期の雇用状況の見通しも【やや好転】と判断した。

(調査部)