2022年第1四半期(1~3月期)実績および2022年第2四半期(4~6月期)の見通し
地域シンクタンク・モニター調査
今期は多くの地域で有効求人倍率が上昇し人手不足感強まる――来期はまん防解除で消費回復も物価高騰やウクライナ情勢を懸念する報告が
JILPTでは、各地域のシンクタンクにモニターを委託し、四半期ごとに各地の経済や雇用の動向を尋ねる「地域シンクタンク・モニター調査」を実施している。今回の調査では、2022年第1四半期(1~3月期)の実績と2022年第2四半期(4~6月期)の見通しについて回答を得た(回答締切りは6月22日、モニターの一覧は表1)。各地域モニターの報告から経済動向および雇用動向(表2)を紹介する。
各地の1~3月期の経済動向は「やや好転」が2地域、「横ばい」が7地域、「やや悪化」が3地域、「悪化」が1地域だった。唯一「悪化」と判断した茨城では、仕入価格の高騰が県内企業の業況判断を大幅な下向きとしている。これに対し4~6月期見通しでは、「やや好転」が4地域、「横ばい」が9地域だった。まん延防止等重点措置の解除により宿泊や飲食で回復がみられるものの、生産では半導体不足が足かせとなっているほか、ウクライナ情勢への懸念も多くの地域から報告された。
一方、雇用動向については、1~3月期実績で「やや好転」が5地域、「横ばい」が8地域だった。多くの地域が有効求人倍率の上昇を報告している。4~6月期見通しは「やや好転」が6地域、「横ばい」が7地域だった。4~6月期に前期実績より上向く見通しを示した地域は茨城と中国の2地域。なお、本文中に出てくる有効求人倍率、新規求人倍率は特に断りがない限り、季節調整値である。
地域 | 組織名 | 回答者 |
北海道 | 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 | 横浜 啓氏 |
秋田・山形県 | 株式会社フィデア情報総研 | 後藤 正彦氏 手塚 綾子氏 |
岩手県 | いわぎんリサーチ&コンサルティング株式会社 | 高橋 宏輔氏 |
宮城県 | 七十七リサーチ&コンサルティング株式会社 | 田口 康友氏 |
福島県 | 一般財団法人とうほう地域総合研究所 | 和田 賢一氏 |
茨城県 | 株式会社常陽産業研究所 | 金子 充氏 |
北陸 | 福井県立大学地域経済研究所 | 南保 勝氏 |
東海 | 株式会社OKB総研 | 市來 圭氏 |
近畿 | 一般財団法人アジア太平洋研究所 | 長谷川 裕子氏 |
中国 | 公益財団法人中国地域創造研究センター | 江種 浩文氏 |
四国 | 四国経済連合会 | 井上 郷平氏 |
九州 | 公益財団法人九州経済調査協会 | 相川 弘樹氏 |
地域 | 経済動向 | 雇用動向 | ||
実績 (2022第1四半期) |
見通し (2022第2四半期) |
実績 (2022第1四半期) |
見通し (2022第2四半期) |
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北海道 | やや悪化 | やや好転 | やや好転 | やや好転 |
秋田県 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
山形県 | やや好転 | 横ばい | やや好転 | 横ばい |
岩手県 | 横ばい | 横ばい | やや好転 | やや好転 |
宮城県 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
福島県 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
茨城県 | 悪化 | 横ばい | 横ばい | やや好転 |
北陸 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
東海 | 横ばい | やや好転 | やや好転 | やや好転 |
近畿 | やや悪化 | やや好転 | 横ばい | 横ばい |
中国 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | やや好転 |
四国 | やや悪化 | やや好転 | 横ばい | 横ばい |
九州 | やや好転 | 横ばい | やや好転 | やや好転 |
(調査部)