【茨城】物価の急上昇やまん防適用による需要の冷え込みで経済が悪化。次期も横ばいの見通し

地域シンクタンク・モニター調査

経済動向について、1~3月期の実績は、資源・資材価格、穀物価格等が急上昇したことや、まん延防止等重点措置の適用による需要の冷え込みから【悪化】となった。4~6月期は業況判断指数の結果から【横ばい】の見通しとしている。1~3月期の雇用は【横ばい】、4~6月期の雇用見通しは【やや好転】の見込みとなっている。

<経済動向>

仕入価格判DIが過去20年で2番目の高水準に

茨城県のモニターが実施する「県内主要企業の経営動向調査(1~3月期)」によれば、県内企業の景況感をあらわす自社業況総合判断DIは、全産業ベースで「悪化」超24.6%と、前期調査の「好転」超1.4%から26ポイント低下した。業種別にみると、製造業は「悪化」超14.6%で前期から27ポイント低下、非製造業は「悪化」超31.2%で前期から26ポイント低下となっている。

モニターは「製造業の景況感は、世界的な供給制約を背景に生産・受注減が続いている品目があることや、資源・資材価格、穀物価格等の急上昇で、仕入価格判断DIが過去20年で2番目に高い水準となったことなどを受け、4期ぶりの『悪化』超となっている」「非製造業では、まん延防止等重点措置の適用による需要の冷え込みや、従業員の人繰りへの悪影響がみられ、景況感が悪化した」として1~3月期の地域経済を【悪化】と判断した。

来期は製造業・非製造業ともにおおむね横ばいの見込み

4~6月期については、「自社業況総合判断DIは全産業で『悪化』超24.4%と今期から横ばいの見通し」。これを業種別にみても、「製造業は『悪化』超12.2%、非製造業は『悪化』超32.5%でいずれもおおむね横ばいの見込み」となっている。

モニターは「世界・日本の感染状況の推移、世界情勢を反映した資源・資材価格や穀物価格の行方、それにともなう県内企業の価格転嫁の動向などを注視する必要がある」とコメントしたうえで、先行きを【横ばい】と判断した。

<雇用動向>

雇用指標は改善示すも、実績は横ばい圏内

1~3月期の雇用指標をみると、有効求人倍率が3カ月連続で改善しているほか、新規求人数の増加や雇用保険受給者数の減少も続いている。

しかし、モニターが実施した「茨城県内主要企業の経営動向調査結果(1~3月期)」をみると、雇用判断DIは、全産業で「減少」超0.5%と前期(「減少」超0.5%)から横ばいだった。業種別にみると、製造業は「減少」超7.2%で前期から10ポイント低下したが、非製造業は「増加」超4.1%で前期から6ポイント上昇している。

こうしたことからモニターは、雇用の実績(1~3月期)を「【横ばい】圏内で推移している」と判断した。

来期の雇用状況は製造業・非製造業ともにやや好転の見通し

4~6月期の雇用状況の見通しは【やや好転】と判断。

同調査の先行き(4~6月期)の結果から、「全産業で『増加』超10.9%と今期から11ポイント上昇している。業種別では、製造業が『増加』超9.8%で17ポイント上昇、非製造業が『増加』超11.6%で8ポイント上昇する見通し」としている。

(調査部)