生理痛がある女性のなかで「生理休暇」を取得した人の割合は約1割。半数が更年期障害の症状がつらくても「何もしない」
 ――連合東京が女性を対象に「生理休暇と更年期障害に関するアンケ-ト」を実施

労組調査

連合東京が女性を対象に行った「生理休暇と更年期障害に関するアンケ-ト」の調査結果によると、生理痛がある人で、「生理休暇」を取得したことがある人の割合は1割台(13.6%)だった。また、40代以上の約4分3の人は更年期障害の症状があったと回答したものの、症状がある人のほぼ5割が、症状がつらい時でも「何もしない」と答え、有給の休暇を取得した人は約17%にとどまった。

調査は、連合東京のホームページ上に、Web調査画面を掲載して実施した。回答者は女性限定。調査を行うことを、連合東京の加盟組織や、連合の組織内議員のSNSなどを通じて周知し、2022年3月1日~4月25日の期間で行った。回答したのは1,340人で、就労状況について「仕事をしている」と答えた1,319人を対象に分析した。

〈生理(月経)について〉

9割に生理痛の経験

調査結果を、まず生理(月経)についてみていくと、生理(月経)痛が「ある・あった」が57.0%、「時々ある・あった」が33.4%、「とくにない」が9.2%などとなっており、9割の女性に生理痛の経験があった。

年齢別にみると、若い年代ほど「ある・あった」の割合が高くなっており、「20代以下」(69.6%)や「30代」(64.8%)では、同割合は6割以上に達している。

生理痛に4割弱の人が「何もしない」

生理痛が「ある・あった」「時々ある・あった」と回答した女性に、生理痛の時の対処方法を聞くと(複数回答)、「通院、薬の服用のみ」が61.9%で最も割合が高く、「有給休暇」が13.5%で、「生理休暇」は6.2%と1割以下。「何もしない」という女性も少なくなく、37.0%と4割弱に及んだ。

これを年齢別にみると、「通院、薬の服用のみ」の割合は「20代以下」で72.3%、「30代」で70.0%と、比較的若い年代で高くなっており、「何もしない」は「40代」で41.4%、「50代以上」で44.4%と、40代以上で高くなっている。なお、「生理休暇」はどの年代でも1割以下だった。

生理休暇を取得した人の割合は1割台

生理痛が「ある・あった」「時々ある・あった」と回答した女性に、生理休暇を取得したことがあるかどうか尋ねたところ、「ある(有給)」は13.6%と1割台で(「ある(無給)」は回答者なし)、「ない」が79.9%とほぼ8割を占めた。わずかではあるが、「生理休暇を知らない」(3.5%)という人もいた。

〈更年期について〉

約4分の3の人に更年期障害の症状あり

更年期については、40代以上の人の回答を分析している。「更年期障害か」と思う症状の有無を聞くと(複数回答)、「疲れやすい」(41.5%)、「肩こり・頭痛」(37.0%)、「イライラする」(34.1%)、「頭痛・めまいがする」(30.3%)、「やる気がおきない」(30.2%)、「汗をかきやすい」(26.5%)、「とくにない」(24.1%)などの順で回答が多く、約4分3(74.1%)の人に何らかの症状があった。

年代別にみると、40代では、「疲れやすい」(38.6%)が最も割合が高く、「肩こり・頭痛」(34.2%)が次いで高い。また「とくにない」(30.2%)という人も3割いた。一方、50代以上では、40代と同様に「疲れやすい」(45.9%)が最も割合が高かったが、「汗をかきやすい」(41.7%)が40代での割合(16.5%)よりも大幅に高く、「やる気がおきない」(37.8%)が4割弱に及んでいる。

5割の人が、症状がつらくても「何もしない」

更年期障害の症状がある人を対象に、症状がつらい時の対処方法を聞くと(複数回答)、「何もしない」が50.0%と5割に達し、「通院、薬の服用のみ」(38.8%)という人も少なくなかった。「休暇取得(有給)」は17.2%で2割以下だった。

更年期障害の症状がある人に、更年期症状が原因で病院に行ったことの有無について聞くと(複数回答)、「ない」が72.3%と7割以上に及んだ。「あった」は19.7%で、「通院中」が6.4%などとなっている。

これを年代別にみると、40代では「ない」が77.8%と8割近い。ただ、50代でも「ない」は65.8%と6割以上で、「あった」という人は4人に1人の割合(25.0%)だった。

〈働く女性の健康について〉

婦人科検診の受診は、「している」が6割弱

毎年の「婦人科検診」の受診状況を聞くと、「している」が58.3%、「していない」が41.7%で、「している」人が6割弱を占めている。

年代別にみると、「している」の割合は、40代が74.7%で最も高く、次いで50代以上(66.4%)、30代(54.4%)、20代以下(31.1%)の順となっており、若い世代になると受診割合が低くなる。

職場の仲間や家族から「生理痛」や「更年期症状」について見聞きすることがあるか尋ねた結果をみると、「ある」が50.1%、「ない」が38.2%、「わからない」が11.7%という結果となっている。

年代別にみると、「ある」の割合は上の年代になるほど高くなっており、50代以上が61.8%、40代が55.1%、30代が50.8%、20代以下が31.1%となっている。

(調査部)