産業別就業者
 ―令和2年国勢調査 就業状態等基本集計結果から―

ちょっと気になるデータ

総務省統計局から2022年5月27日に令和2年国勢調査の就業状態等基本集計の結果が公表された。就業状態等基本集計は、人口の労働力状態、従業上の地位、産業・職業大分類別等に関する結果について集計されたものである。この中から、就業者、産業別就業者の結果[注1]を紹介する。

15歳以上就業者は6546万8436人で、うち男性が3606万3580人、女性が2940万4856人となっている。2015年(前回平成27年国勢調査結果。以下同じ。)と比較すると、総数は165万8054人増加、男性は10万264人増加、女性は155万7790人増加となっている。

産業大分類別の割合をみると、男性では「製造業」が20.0%と最も高く、次いで「卸売業,小売業」が13.5%、「建設業」が11.1%などとなっている。女性では「医療,福祉」が22.6%と最も高く、次いで「卸売業,小売業」が18.5%、「製造業」が11.0%などとなっている(表1)。

表1:産業別就業者
画像:図表

2015年と比較すると、男性では「情報通信業」と「医療,福祉」でそれぞれ0.6ポイント上昇、「サービス業(他に分類されないもの)」で0.5ポイント上昇などとなっており、「製造業」で0.8ポイント低下、「建設業」で0.4ポイント低下などとなっている。女性では「医療,福祉」で1.0ポイント上昇、「情報通信業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「サービス業(他に分類されないもの)」で0.4ポイント上昇などとなっており、「製造業」、「卸売業,小売業」で0.7ポイント低下、「宿泊業,飲食サービス業」で0.6ポイント低下などとなっている(図1)。なお、2020年の結果をみる際には、新型コロナウイルス感染拡大の影響の可能性について留意する必要があると思われる。

図1:就業者の産業大分類別割合の変化(2015年~2020年の差)
画像:図1

注:図1において「漁業」、「鉱業,採石業,砂利採取業」は男女とも-0.0ポイント、「電気・ガス・熱供給・水道業」は男-0.0ポイント、女は0.0ポイント。

[注1] ここで紹介する結果は、集計結果に含まれる「不詳」(産業の場合「分類不能の産業」)をあん分等によって補完した不詳補完値である。不詳補完値については「不詳補完結果(参考表)に関する解説及び参考資料新しいウィンドウ」を参照。5月27日に公表された「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計 結果の要約」及び「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計結果 結果の概要」には不詳補完値が用いられている(5年前との比較においては平成27年国勢調査を同様の方法で遡及集計した結果(不詳補完値)が用いられている)。

(調査部 統計解析担当)