【秋田・山形】夏のボーナスを支給する企業は秋田で横ばい、山形で増加の見込み

地域シンクタンク・モニター調査

経済動向について、秋田県については1~3月期実績は【横ばい】で、4~6月期の見通しも景気動向調査の結果を踏まえ、【横ばい】の見込みとなった。雇用動向については、1~3月期の実績、4~6月期の見通しのいずれも、雇用指標の推移をもとに【横ばい】としている。モニターが実施した調査によれば、夏季一時金を「支給する」企業の割合は6割で、前年からほぼ横ばいの見込み。一方、山形県については、経済動向は1~3月期実績は【やや好転】だが、4~6月期の見通しは景気動向調査の結果から【横ばい】。雇用動向では1~3月期実績は【やや好転】も、4~6月期の見通しは【横ばい】としている。夏季一時金を「支給する」企業の割合は増加する見込みだ。

<経済動向>

経済活動の再開や人流回復が見られるも、先行きは依然不透明/秋田

秋田・山形のモニターは、秋田県の1~3月期の地域経済について、モニターが実施する「秋田県内企業の景気動向調査(5月調査)」の結果をもとに【横ばい】と判断した。

同調査によれば、県内企業の自社の業況判断を示すDI値(前年同期比)はマイナス13.3(前回調査比5.7ポイント低下)で、2期ぶりに悪化した。項目別では「売上高」「営業利益」が悪化、「資金繰り」はほぼ横ばい、「人員人手」が2期連続でプラス幅が縮小となっている。

さらに、同調査の4~6月期の見通しをみると、DI値はマイナス15.3(今回調査比2.0ポイント低下)と小幅な悪化が見込まれている。業種別では、建設業がマイナス25.0(同17.0ポイント低下)、卸・小売業がマイナス23.8(同2.0ポイント低下)と悪化が見込まれる一方、製造業はマイナス8.0(同5.7ポイント上昇)、サービス業はマイナス1.3(同6.5ポイント上昇)で改善が見込まれている。

モニターは「経済活動の再開や人流回復の動きが見られるものの、コロナ禍の影響の長期化に加え、ロシアのウクライナ侵攻や円安にともなう原材料や燃料費価格の高騰もあって先行きは依然不透明で、慎重な見通しとなっている」とコメントしたうえで、判断は【横ばい】を選択した。

「売上高」「営業利益」「資金繰り」の今期業況判断が改善/山形

一方、山形県の1~3月期の地域経済については、「山形県内企業の景気動向調査(5月調査)」の結果をもとに【やや好転】と判断している。

県内企業の自社の業況判断を示すDI値(前年同期比)は0.8(前回調査比11.7ポイント上昇)と2期連続で改善し、3期ぶりにプラスに転じた。項目別では「売上高」「営業利益」「資金繰り」が改善し、「人員・人手」はプラス幅が拡大した。

同調査によれば、4~6月期の見通しについて、DI値はマイナス10.6(今回調査比11.4ポイント低下)で悪化の見込みを示している。業種別にみると、建設業がマイナス26.8(今回調査比20.3ポイント低下)、製造業がマイナス5.9(今回調査比21.7ポイント低下)、サービス業が7.7(今回調査比6.6ポイント低下)で悪化となったが、卸・小売業はマイナス17.7(今回調査比4.9ポイント上昇)で改善の見込みとなっている。

モニターは「新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することへの懸念に加え、ウクライナ情勢がもたらす影響にも注視していく必要があり、慎重な見通しは今後も続くものとみられる」としたうえで、【横ばい】を選択している。

<雇用動向>

雇用指標はおおむね横ばいで推移/秋田

秋田県の1~3月期の雇用情勢について、モニターは【横ばい】を選択した。

判断理由には、「新規求人倍率は前期からおおむね横ばいで推移している」ことや、「新規求人数(原数値)の前年同月比をみると、1月は増加となったものの、2月、3月は再び減少となっている」ことをあげた。4~6月期の見通しについても、「4月の有効求人倍率は1.53倍で前月(1.51倍)からおおむね横ばいで推移している」ことなどを理由に【横ばい】を選択している。

なお、モニターが実施した「秋田県内企業の景気動向調査」(5月調査)で夏季一時金の支給予定について尋ねたところ、「支給する」と回答した企業は60.6%と、前年(60.3%)から0.3 ポイントの上昇で、ほぼ横ばいとなった。業種別にみると、「支給する」と回答した企業は建設業が72.7%(前年比0.8ポイント低下)、製造業が44.3%(同4.5ポイント低下)、卸・小売業が65.3%(同3.6ポイント上昇)、サービス業が59.2%(同5.0ポイント上昇)となっており、建設業と製造業は低下した一方で、卸・小売業とサービス業は上昇した。

有効求人倍率、新規求人数とも回復傾向/山形

山形県のモニターは1~3月期の雇用情勢について、有効求人倍率、新規求人数のいずれも回復傾向にあることから【やや好転】を選択した。

4~6月期の見通しについては、「4月の有効求人倍率は1.48倍(前月比0.01ポイント上昇)と、おおむね横ばいで推移している」ことなどから【横ばい】とした。

モニターが実施した「山形県内企業の景気動向調査」(5月調査)で、夏季一時金の支給予定を尋ねたところ、「支給する」企業の割合は61.3%で、前年(53.5%)に比べ7.8ポイント上昇した。業種別にみても、「支給する」企業の割合は建設業が72.0%(前年比4.6 ポイント上昇)、製造業が61.7%(同10.9ポイント上昇)、卸・小売業が57.8%(同4.7ポイント上昇)、サービス業が53.8%(同8.3ポイント上昇)となっており、全ての業種で前年から上昇した。

(調査部)