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     コース別雇用管理制度の実施状況と指導状況について

1 コース別雇用管理制度について


(1)制度導入時期


   対象企業のコース別雇用管理制度の導入時期を、均等法及び改正均等法の施行

  年(それぞれ昭和61年、平成11年)により区分してみると、昭和61年〜平

  成10年の間に導入した企業が67.0%で最も多く、次いで平成11年以降が

  19.1%、昭和60年までが9.8%となっている。(付表第1表)


(2)制度導入目的


   コース別雇用管理制度の導入目的としては、「能力主義に基づく処遇を行うた

  め」をあげた企業が53.0%で最も多く、次いで「個人の価値観の多様化に対

  応した処遇をするため」をあげた企業が27.0%、「経営効率・組織の活性化

  を図るため」が13.0%、「女性の活用を図るため」が5.1%となっている。

  (付表第2表<複数回答>)


(3)コース形態


   各企業のコース形態を、コースの組合せにより、(1)総合職(企画的業務に従

  事し、全国的規模の転勤がある)と一般職(定型的業務に従事し、転居を伴う転

  勤がない)のみの組合せ、(2)総合職と一般職に加えて、両コースの中間的な業

  務に従事する、中間職(非定型的業務に従事し、転居を伴う転勤がない)や準総

  合職(総合職に準ずる業務に従事し、一定地域のみの転勤がある)のコースがあ

  る組合せ、(3)総合職と一般職に加えて、特殊な分野の業務に従事する、専門職

  (専門的業務に従事する)や現業職(技能分野の業務に従事する)のコースがあ

  る組合せ、(4)総合職と一般職に加えて、中間職や準総合職のコース、さらに専

  門職や現業職のコースがある組合せ、(5)その他の組合せ、の5つに区分すると、

  50.2%の企業が(1)の形態で実施しているものの、(3)の形態の企業が

  22.8%、(2)の形態の企業が13.5%となっており、コース形態は多様で

  ある。
   また、これらの企業の中には、入社後数年してからコースを選択させる企業や、

  管理職を別コースとして区分している企業もあった。(付表第3表)


(4)コースの決定


   コース決定の時期は、「募集・採用時に決定する」企業が91.2%、「入社

  後に決定する」企業が7.4%であり、募集・採用時にコースの決定を行う企業

  が圧倒的に多い。
   募集・採用時にコースを決定している企業のうち、「本人にコースを選択させ

  ている」企業は79.6%、「会社が(採用者の学歴等に基づいて)コースを決

  めている」企業が20.4%となっている。入社後にコースを決定している企業

  においては、「本人にコースを選択させている」企業が81.3%、「会社がコ

  ースを決めている」企業が18.8%となっている。
   転勤の有無をコース区分の要件としている企業は94.4%で、規模が大きい

  企業ほど転勤の有無をコース区分の要件としている企業の割合が高く、1,000

  人以上の企業では99.0%を占めている。(付表第4表付表第5表)


(5)コースの転換


   コース転換制度を「導入している」企業は88.8%で、いずれの業種におい

  ても80%以上の企業が転換制度を導入している。一方、転換制度を「導入して

  いない」企業は10.7%であるが、このうち「運用で実施している」企業が

  17.4%、転換制度の「導入予定がある」企業が30.4%となっている。

  (付表第6表)


(6)コース転換制度の導入時期


   コース転換制度を導入している企業のうち、転換制度の導入年が明らかな企業

  についてみると、「コース別雇用管理制度の導入と同時期に転換制度を導入した」

  企業が81.5%を占め、「コース別雇用管理制度導入後に転換制度を導入した」

  企業が18.5%となっている。
   転換制度の導入時期をコース別雇用管理制度の導入年別にみると、昭和60年

  までに制度を導入した企業の40.0%、昭和61〜平成10年に制度を導入し

  た企業の81.5%、平成11年以降に制度を導入した企業の96.4%が制度

  導入と同時期に転換制度も導入しており、制度の導入年が遅いほど転換制度を同

  時期に導入している企業の割合が高い。(付表第7表付表第8表)


(7)総合職と一般職間のコース転換制度


   総合職と一般職の両コースがある企業のうち、転換制度を導入している企業に

  ついて、総合職と一般職間の転換制度をみると、「総合職、一般職間の双方向へ

  の転換制度がある」企業が63.0%と最も多く、次いで「一般職から総合職へ

  の転換のみ」の企業が23.9%、「総合職から一般職への転換のみ」の企業が

  1.6%となっている。(付表第9表)


(8)一般職から総合職へのコース転換時に必要となる要件


   一般職から総合職への転換制度がある企業において、転換時に必要な要件があ

  る企業は94.4%で、このうち「客観的条件(年齢・勤続年数・資格等級等)

  に加えて、試験と上司の推薦」が必要な企業が41.1%、「客観的条件と上司

  の推薦」が必要な企業が15.2%、「上司の推薦のみ」が必要な企業が

  14.6%、「試験と上司の推薦」が必要な企業が13.9%であり、要件があ

  る企業のうちの84.8%において「上司の推薦」を必要としている。

  (付表第10表)


(9)コース転換前後の配慮


   コース転換制度を導入している企業のうち、転換前後に労働者に対して教育訓

  練、キャリアアップ相談、資格取得支援等の「配慮を行っている」企業は

  40.8%、「配慮を行っていない」企業は59.2%となっており、配慮を行

  っていない企業の方が多い。
   配慮の内容で特に多いのは教育訓練であり、配慮を行っている企業のうち「教

  育訓練を実施している」企業は75.6%となっている。(付表第11表)


(10)制度の見直し


   「これまでに制度の見直しを行った」企業は27.9%、「今後見直しの予定

  がある」企業は31.2%、「これまでに制度の見直しはなく、今後も見直しの

  予定がない」企業は47.4%となっている。
   見直しを行った企業について、コース別雇用管理制度の導入年別にみると、昭

  和60年までに制度を導入した企業の42.9%、昭和61年〜平成10年に導

  入した企業の27.1%、平成11年以降に導入した企業の24.4%が見直し

  を行っており、制度の導入時期が早い企業ほど見直しを行った企業の割合が高い。
   見直しを行った企業及び今後の見直しを予定している企業について、その見直

  し内容をみると、「昇格に上限のあるコースの昇格上限を引き上げるなど、各コ

  ースの処遇の見直し」(23.0%)、「転勤の有無等コース間を区分する要件

  の見直し」(17.7%)と既存のコース形態のままその処遇、要件を見直す企

  業と、「職務内容、職務レベルの高低によりコースを分割又はコースを統合」

  (23.9%)、「勤務地を限定したコースを追加するなど、転勤の有無、範囲

  によるコース区分の見直し」(18.6%)、「制度全体又は特定コースの廃止」

  (18.6%)とコースの追加、分割・統合又は制度の廃止など抜本的に見直す

  企業がみられる。

  (付表第12表<複数回答>付表第13表付表第14表<複数回答>

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