<2024年第4四半期(10~12月期)実績および2025年第1四半期(1~3月期)の見通し>
コメの価格高騰の影響で個人消費が伸び悩み、生産活動はトランプ政権の通商政策が懸念材料。雇用は人手不足感と求人数の減少が併存する状況に。
地域シンクタンク・モニター定例調査
JILPTでは、各地域のシンクタンクにモニターを委託し、四半期ごとに各地の経済や雇用の動向を尋ねる「地域シンクタンク・モニター調査」を実施している。今回の調査では、2024年第4四半期(10~12月期)の実績と2025年第1四半期(1~3月期)の見通しについて回答を得た(回答締切りは3月26日、モニターの一覧は図表1)。各地域モニターの報告から経済動向および雇用動向(図表2)を紹介する。
図表1:地域シンクタンク・モニターの一覧
図表2:各地域の経済動向および雇用動向
<経済動向>
各地の10~12月期の経済動向は「やや好転」が3地域、「横ばい」が8地域、「やや悪化」が1地域。インバウンド需要が好調となっているが、個人消費は物価高を背景に停滞している。生産活動の動きは、地域・業種でバラツキがみられた。
1~3月期見通しでは、「横ばい」が10地域、「やや悪化」が2地域。個人消費はコメの価格高騰の影響で伸び悩んでいる。生産活動は米国のトランプ政権の通商政策への懸念を多くの地域が報告した。
<雇用動向>
雇用動向については、10~12月期実績で「やや好転」が2地域、「横ばい」が9地域、「やや悪化」が1地域だった。求人は減少しているものの、人手不足感は持続しているとする地域もあった。
1~3月期見通しは「やや好転」が2地域、「横ばい」が10地域。前期実績から上向く見通しを示したのは山形県、九州の2地域で、下向く見通しを示したのは近畿の1地域のみだった。スポットワークなど採用方法が多様化するなかで、公的な統計だけでは労働市場の動きを見極めることが難しいと指摘するモニターもいた。
なお、本文中に出てくる有効求人倍率、新規求人倍率は特に断りがない限り季節調整値である。