【福島】(とうほう地域総合研究所)
公共投資が大幅減。有効求人倍率は建設など高水準の職種も

地域シンクタンク・モニター定例調査

福島県の経済動向は、7~9月期は公共投資が大幅に減少したほか、生産活動も低下していることなどから、モニターのとうほう地域総合研究所は【やや悪化】と判断した。10~12月期も、全体に弱い動きがみられるとして【やや悪化】となった。雇用動向については、7~9月期は、有効求人倍率は低下しているが、人手不足を背景に建設など高倍率の職種もみられるとして【横ばい】とし、10~12月期もほとんどの業種で人手不足感があることから【横ばい】としている。

<経済動向>

大型小売店販売も乗用車登録も前年同期比マイナス

7~9月期の地域経済を個人消費からみると、大型小売店販売額は前年同期比マイナス1.0%となった。乗用車登録・届出台数(新車および中古車)は同マイナス1.4%で、一部メーカーの出荷停止が影響した。

公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前期比マイナス27.3%と大きく減少した。民間設備投資は、建築着工(民間非居住用)工事費予定額が同マイナス26.5%となった。新設住宅着工戸数は同マイナス3.0%。

生産活動は、鉱工業生産指数が101.9で前期から2.8%低下した。

モニターはこれらの統計をもとに7~9月期について、「全体では【やや悪化】」と判断した。

10~11月では公共投資は前期比マイナス40%台に

10~11月の統計をみると、大型小売店等販売額は前年同期比マイナス0.9%と減少している。乗用車登録・届出台数は同マイナス1.7%となった。

公共投資は、公共工事前払保証請負金額が前期比マイナス45.4%と大幅に減少した。

モニターは「全体的に弱い動きがみられる」ことから、10~12月期の見通しについても【やや悪化】とした。

<雇用動向>

依然としてほとんどの業種で人手不足感

7~9月期の雇用実績は、雇用保険受給者実人員数が前期から11.1%増加したほか、有効求人倍率も低下しているものの、「人手不足を背景に建設など有効求人倍率が高水準な業種もみられる」ことから【横ばい】とした。

10~12月期については、有効求人倍率は10月、11月ともに1.25倍で前期から横ばいで推移している。雇用保険受給者実人員数は10月、11月の平均が前年同期を0.2%上回っている。

そのうえで、モニターが実施した「県内景気見通し調査」から雇用過不足感をみると、依然としてほとんどの業種で不足感があることから、「県内雇用動向は、現状と大きな変化はなく、【横ばい】で推移する」と判断した。