年齢階級別労働力人口比率
―労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)平均結果から―
ちょっと気になるデータ
2025年1月31日に、総務省統計局から公表された「労働力調査(基本集計)」2024年(令和6年)平均結果の中から労働力人口比率(15歳以上の人口に占める労働力人口の割合。以下労働力率という。)の結果について紹介する。
2024年平均の労働力率は63.3%で前年に比べ0.4ポイントの上昇、男性は71.5%と0.1ポイントの上昇、女性は55.6%と0.8ポイントの上昇となった。
年齢階級別(5歳階級別)の労働力率について、2024年と2004年の結果をみると、男性では、どちらも「25~29歳」から「55~59歳」までのすべての年齢階級において95%前後で推移している(図表1)。また、「60~64歳」の労働力率は、2004年から2024年で15.7ポイント上昇している。女性では、2004年から2024年にかけて、すべての年齢階級で労働力率が大きく上昇している。2004年は、出産や子育て期にあたる「30~34歳」から「35~39歳」までの労働力率が低下し、M字カーブ(注1)の谷がみられるが、2024年はカーブが浅くなっている。また、M字カーブの谷で労働力率が最も低い年齢階級は、2004年では「30~34歳」(61.4%)に対し、2024年では「35~39歳」(81.4%)となっている。
図表1:年齢階級別(5歳階級別)の労働力率
また、女性の労働力率について、未婚と有配偶別(注2)にみると(注3)、未婚の女性は2024年、2004年ともにM字カーブの谷は浅く台形に近い(図表2)。また、2024年は2004年と比べてすべての年齢階級で労働力率は上昇しており、とくに50歳以上で上昇幅が大きくなっている。一方、有配偶の女性は、2004年では、34歳までの労働力率は50%未満にとどまり、35歳以降から徐々に上昇している。2024年では、「30~34歳」で78.6%、「35~39歳」で78.1%とやや低下するものの、「20~24歳」から「55~59歳」までのすべての年齢階級で70%を超え、カーブの谷は浅く台形に近くなっている。
図表2:女性の年齢階級別の労働力率(未婚、有配偶別)
注
[注1] 女性の労働力率が、結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという、いわゆるM字カーブを描くこと。(内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書」より)
[注2] 労働力調査(基本集計)の配偶者関係(「未婚」「有配偶」「死別・離別」)のうち「未婚」と「有配偶」の結果を掲載した。
[注3] 有配偶の労働力率について、2004年はすべての年齢階級で掲載しているが、2024年の「15~19歳」の労働力人は数値が表章単位に満たないため、図表2に掲載していない。
(調査部 統計解析担当)