転職者の状況
―労働力調査(詳細集計)の結果から―
ちょっと気になるデータ
総務省統計局から2024年11月12日に「労働力調査(詳細集計)」の2024年(令和6年)7~9月期平均結果が公表された。この中から転職についての結果を紹介する。
2024年7~9月期平均の就業者は6,800万人で、このうち転職者(就業者のうち前職のある者で、過去1年間に離職を経験した者)は346万人で前年同期に比べて21万人の増加となっている。就業者に占める転職者の割合である転職者比率は5.1%で前年同期に比べて0.3ポイントの上昇となっている。
男女別にみると、男性の転職者は161万人で前年同期に比べて13万人増、転職者比率は4.3%で前年同期に比べて0.3ポイントの上昇、女性の転職者は185万人で前年同期と比べて7万人の増加、転職者比率は6.0%で前年同期に比べて0.2ポイントの上昇となっている。
転職者比率の直近5年程度の推移をみると、女性が男性を上回って推移している(図表1)。
図表1:転職者比率の推移
2024年7~9月期の転職者346万人についてもう少し詳しくみる。
まず、年齢階級別に転職者比率をみると、男性、女性とも「15~24歳」で最も高くなっており(男性、10.7%、女性12.8%)、おおむね年齢階級が若い方が転職者比率は高くなっている(図表2)。
図表2:年齢階級別転職者比率(2024年7~9月期)
次に、前職の離職理由別に転職者をみると、男性では「より良い条件の仕事を探すため」が59万人(前職の離職理由別転職者の合計に占める割合(注1)36.9%)、「定年又は雇用契約の満了のため」が26万人(同16.3%)、「事業不振や先行き不安のため」が12万人(同7.5%)、女性では「より良い条件の仕事を探すため」が73万人(同39.7%)、「家事・通学・健康上の理由のため」が20万人(同10.9%)、「定年又は雇用契約の満了のため」が17万人(同9.2%)などとなっている。「その他」は男性では43万人(同26.9%)、女性では48万人(同26.1%)となっている(図表3)。
図3:前職の理由別の転職者割合(2024年7~9月期)
[注1] 割合は、「労働力調査(詳細集計)」の第Ⅱ-3表を用いてJILPTで計算したもの。
(調査部 統計解析担当)