就業者の状況
 ―労働力調査(基本集計)2023年平均結果から―

ちょっと気になるデータ

総務省統計局から2024年1月30日に「労働力調査(基本集計)」2023年平均の結果が公表された。この中からいわゆる「働いている者」である就業者()についての結果を紹介する。

2023年平均の就業者数は6,747万人で、前年に比べ24万人の増加となっている。男女別にみると男性は3,696万人で3万人の減少、女性は3,051万人で27万人の増加となっている。

直近20年について対前年増減の推移をみると、2013年以降増加が続き、2018年に140万人の増加、2019年に68万人の増加のあと、2020年には40万人の減少となった。その後2021年から2023年は連続で増加となっており、増加幅は拡大している。この3年間、女性は増加が続き、男性は減少が続いているが減少幅は縮小している(図表1)。

図表1:就業者の対前年増減の推移
画像:図表1

注1:労働力調査(基本集計)の長期時系列データの表2年平均結果に掲載されている就業者数から対前年増減をJILPTにおいて算出。

注2:表章単位未満の位で四捨五入してあるため、また、総数に分類不能又は不詳の数を含むため、計と内訳の合計とは必ずしも一致しない。

2023年について産業別にみると、前年と比べて増加しているのは「宿泊業,飲食サービス業」(398万人)で17万人増加、「製造業」(1,055万人)で11万人増加、「情報通信業」(278万人)で6万人増加などとなっている。前年と比べて減少しているのは「農業,林業」(187万人)、「金融業,保険業」(155万人)、「教育,学習支援業」(344万人)および「サービス業(他に分類されないもの)」(458万人)でそれぞれ5万人減少などとなっている。コロナ禍前の2019年と比較してみると、「情報通信業」(48万人増加)や「医療,福祉」(63万人増加)などでは増加している一方で、「宿泊業,飲食サービス業」(23万人減少)、「卸売業,小売業」(23万人減少)、「農業,林業」(20万人減少)、「生活関連サービス業,娯楽業」(17万人減少)、「建設業」(17万人減少)などでは減少している(図表2)。

図表2:主な産業別就業者の対2022年増減・対2019年増減
画像:図表2

[注] 労働力調査における「就業者」は、「従業者」と「休業者」を合わせたもの。「従業者」は、調査週間中において、収入を伴う仕事を少しでも(1時間以上)した者。「休業者」は、仕事を持っていながら調査週間中に病気や休暇などのため仕事をしなかった者のうち、①雇用者で仕事を休んでいても給料・賃金の支払を受けている者又は受けることになっている者、②自営業主で自分の経営する事業を持ったままで、その仕事を休み始めてから30日にならない者。

(調査部 統計解析担当)