国家公務員は3年間で500人以上、地方公務員では2年間で7,000人以上採用したことが明らかに
 ――公務員での就職氷河期世代の採用実績

公務での採用実績

「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」にもとづき、政府、地方公共団体では2020年度からの3年間、公務職場での就職氷河期世代の採用に取り組んできた。国家公務員では、2020年度以降、毎年150人以上を採用することを目標に掲げ、3年間で500人以上を採用した。地方公務員では、2020年度~2021年度で7,000人以上を採用したことが発表されている。政府は2023年度からの2年間を就職氷河期世代への支援の「第2ステージ」と位置づけ、引き続き支援策を講じることにしている。

<国家公務員の中途採用実績>

政府では、2020年度から新たに実施した「国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)」を活用して、2020年度~2022年度までの3年間で、政府全体で毎年150人以上を採用することを目標に取り組んだ。

国家公務員では3年連続で採用予定人数を上回る合格者数に

人事院がこれまでに発表した同試験の2020年度~2022年度の合格者発表結果をみると、2020年度は、1万943人が申し込み、199人(事務:132人、技術:38人、刑務官:10人、入国警備官:19人)が合格した。2021年度は、5,302人が申し込み、合格者は203人(事務:153人、技術:32人、刑務官:18人)。2022年度は、5,532人が申し込み、合格者は160人(事務:126人、技術:21人、刑務官:13人)となった。

3年連続で、当初の採用予定人数を上回る合格者数となった(採用予定人数は2020年度が157人、2021年度が167人、2022年度が159人だった)。

政府では、2023年~2024年度も、毎年150人以上の採用を目標に取り組む方針だ。

<地方公務員の中途採用実績>

地方公共団体では就職氷河期世代に限定した試験の採用者数が1,200人を超える

総務省が2022年5月にまとめた「地方公共団体における就職氷河期世代支援に係る中途採用の一層の推進について」から、地方公共団体における2020年度~2021年度の就職氷河期世代に限定した中途採用試験での採用実績をみると、2年間での中途採用者数は1,224人(図表1)。当初予定されていた581人を大幅に上回る実績をあげている。

図表1:就職氷河期世代に限定した中途採用試験の採用実績(2020・21年度)
画像:図表1
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(総務省公表資料から編集部で作成)

1,224人の内訳は、2020年度が677人(都道府県191人、政令市107人、市区町村379人)、2021年度が547人(都道府県202人、政令市94人、市区町村251人)となっている。

なお、同試験は、首長部局における2021年4月1日時点の年齢が大卒程度でおおむね39歳以上50歳以下、高卒程度でおおむね35歳以上46歳以下の者を対象とした「就職氷河期世代に限定した中途採用試験」。

また、2021年4月1日時点で35歳以上50歳以下の一部または全部が受験可能である「就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験」の結果(先述の試験および主に新規学卒者を対象とした採用試験を除く)から、就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験での採用実績をみると、2020年度~2021年度の就職氷河期世代の採用者数は5,863人(図表2)。

図表2:就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験の採用実績(2020・21年度)
画像:図表2
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注:括弧書きは、就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験により採用された全採用者数実績

(総務省公表資料から編集部で作成)

5,863人の内訳は、2020年度が3,017人(都道府県832人、政令市349人、市区町村1,836人)、2021年度が2,846人(都道府県673人、政令市391人、市区町村1,782人)となっている。

同試験の全世代の採用者数は1万4,993人であり、採用者の4割近くを、就職氷河期世代が占めたことになる。

両結果からわかるように、2020年度~2021年度に実施した中途採用試験で採用された就職氷河期世代は、あわせて7,087人にのぼる。

なお、公表されている2022年度の採用予定者数(2022年12月末時点)をみると、就職氷河期世代に限定した中途採用試験では498人(都道府県207人、政令市112人、市区町村179人)となっており、就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験では、就職氷河期世代だけでみた採用予定者数は2,432人となっている。

(調査部)