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主な用語の説明

III 調査結果

1 入職・離職の状況





  平成10年1年間に労働移動を行った常用労働者の延べ数は約1,136万人で、

 前年と比べると約20万人の減少となった。在籍常用労働者に対する比率でみた

 延べ労働移動率は28.9%(前年29.6%)で、前年と比べると0.7ポイント低下

 した。労働移動を行った常用労働者のうち、入職者は約542万人、離職者は約

 594万人で前年と比べると入職者は約19万人減、離職者は横ばいとなった。

   これを比率でみると、入職率は13.8%(同14.4%)、離職率は15.1%(同

 15.2%)で、前年と比べると入職率は0.6ポイント、離職率は0.1ポイントそ

 れぞれ低下し、入職率は4年ぶりの低下となった。入職超過率をみると-1.3ポ

 イント(同-0.8ポイント)で前年に引き続き離職超過となり、超過幅が拡大し

 た(第1図第1表第2表)。



(1) 男女別入職・離職状況



  入職・離職状況を男女別にみると、男は入職者が約274万人、離職者が約301

 万人、女は入職者が約269万人、離職者が約293万人で、前年と比べると男は入

 職者、離職者とも約13万人減、女は入職者が約6万人減、離職者が約13万人増

 となった。

  これを比率でみると、男は入職率が11.2%(前年11.8%)、離職率が12.3%

 (同12.9%)、女は入職率が18.1%(同18.5%)、離職率が19.7%(同18.9%)

 となった。前年と比べると男は入職率、離職率とも0.6ポイント低し、女は入

 職率が0.4ポイント低下し、離職率は0.8ポイント上昇した。入職超過率をみる

 と、男は-1.1ポイント、女は-1.6ポイントで、男女とも離職超過となっている

 (第2図第1表第2表)。





(2) 就業形態別入職・離職状況

  

  入職・離職状況を就業形態別にみると、一般労働者は入職者約384万人、離

 職者約439万人、パートタイム労働者は入職者約158万人、離職者約155万人で、

 前年と比べると一般労働者は入職者約32万人減、離職者約18万人減、パートタ

 イム労働者は入職者約13万人増、離職者約17万人増となっている。

  これを比率でみると、一般労働者は入職率11.4%(前年12.4%)、離職率

 13.0%(同13.6%)で、前年と比べると入職率は1.0ポイント、離職率は0.6

 ポイントそれぞれ低下した。パートタイム労働者は入職率28.4%(同26.6%)、

 離職率27.8%(同25.2%)で、前年と比べると入職率は1.8ポイント、離職率

 は2.6ポイントそれぞれ上昇し、引き続き労働移動が活発化した。入職超過率

 をみると、一般労働者は-1.6ポイントで離職超過、パートタイム労働者は0.6

 ポイントで入職超過となっている(第3図第1表第2表)。

   

(3) 男女別・就業形態別入職・離職の状況



  入職・離職状況を男女別・就業形態別にみると、男は一般労働者が入職者約

 234万人、離職者約263万人で、パートタイム労働者は入職者が約40万人、離職

 者が約38万人、女は一般労働者が入職者約151万人、離職者約176万人で、パー

 トタイム労働者が入職者約118万人、離職者約117万人となっている。

  これを比率でみると、男は一般労働者が入職率10.0%、離職率11.2%、パー

 トタイム労働者が入職率39.3%、離職率37.1%となり、女は一般労働者が入職

 率14.7%、離職率17.1%、パートタイム労働者が入職率25.9%、離職率25.6%

 となっている。前年と比べると男の一般労働者は入職率、離職率とも0.9ポイ

 ント低下し、パートタイム労働者は入職率が6.9ポイント、離職率が4.3ポイン

 トそれぞれ上昇した。女の一般労働者は入職率が0.9ポイント低下し、離職率

 は0.1ポイント上昇、パートタイム労働者は入職率0.6ポイント、離職率2.2ポ

 イントそれぞれ上昇した。男女とも、パートタイム労働者の入職率、離職率が

 上昇し、特に男のパートタイム労働者の入職率が大幅に上昇している

 (第1表第2表)。





(4) パートタイム労働者の割合

  

  パートタイム労働者の常用労働者に占める割合は14.2%、入職者に占める割

 合は29.2%、離職者に占める割合は26.1%となっている。前年と比べるとそれ

 ぞれ0.2ポイント、3.3ポイント、3.0ポイント上昇した。

  これを男女別にみると、男は常用労働者に占める割合が4.2%、入職者に占め

 る割合が14.7%、離職者に占める割合が12.6%、女は常用労働者に占める割合

 が30.7%、入職者に占める割合が43.9%、離職者に占める割合が39.9%となっ

 ている。前年と比べると、入職者・離職者に占めるパートタイム労働者の割合

 は、男の入職者で3.2ポイント、離職者で2.0ポイント、女の入職者で3.0ポイ

 ント、離職者で2.7ポイントそれぞれ上昇した(第4図第3表)。



(5) 産業別入職・離職状況



  入職・離職状況を産業別にみると、入職者はサービス業の約170万人が最も

 多く、次いで卸売・小売業,飲食店約142万人、製造業約97万人、建設業約57

 万人などとなっている。離職者はサービス業が約158万人と最も多く、次いで

 卸売・小売業,飲食店約154万人、製造業約132万人、建設業約68万人などとな

 っている。

  これらの産業について比率をみると、入職率はサービス業18.2%(前年18.2%)

 が最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店15.8%(同15.6%)、建設業12.9%

 (同14.7%)、製造業9.1%(同10.7%)となり、前年と比べると、卸売・小

 売業,飲食店が0.2ポイント上昇し、サービス業は同水準、製造業が1.6ポイン

 ト、建設業が1.8ポイントそれぞれ低下した。離職率は卸売・小売業,飲食店

 17.1%(同17.0%)が最も高く、次いでサービス業16.9%(同17.7%)、建

 設業15.4%(同17.5%)、製造業12.4%(同12.1%)となり、前年と比べる

 と製造業が0.3ポイント、卸売・小売業,飲食店が0.1ポイント上昇し、サービ

 ス業が0.8ポイント、建設業が2.1ポイントそれぞれ低下した。入職超過率につ

 いては、サービス業で1.3ポイントの入職超過となったほかは、卸売・小売業,

 飲食店が-1.3ポイント、建設業が-2.5ポイント、製造業が-3.3ポイントとそれ

 ぞれ離職超過となっている(第5図第4表)。



(6) 企業規模別入職・離職状況



  企業規模別に入職・離職状況を比率でみると、入職率は「1,000人以上」9.7%、

 「300〜999人」11.8%、「100〜299人」16.5%、「30〜99人」15.5%、「5〜

 29人」15.5%、離職率は「1,000人以上」11.0%、「300〜999人」12.8%、

 「100〜299人」16.9%、「30〜99人」17.8%、「5〜29人」17.1%で、入職率、

 離職率ともに大企業で低くなっている。入職超過率は「1,000人以上」-1.3ポ

 イント、「300〜999人」-1.0ポイント、「100〜299人」-0.4ポイント、「30

 〜99人」-2.3ポイント、「5〜29人」-1.6ポイントとなっており、いずれの規

 模でも離職超過となった(第5表)。





2.入職者の状況





(1) 職歴別入職者の状況



  入職者を職歴別にみると、転職入職者約325万人、未就業入職者約218万人

 (新規学卒者約95万 一般未就業者約123万人)となっている。これを比率で

 みると、転職入職率は8.3%(前年7.9%) 未就業入職率は5.5%(同6.5%)

 で、前年と比べると転職入職率は0.4ポイント上昇し、未就業入職率は1.0ポイ

 ント低下した。

  未就業入職率を新規学卒者の入職率と一般未就業者の入職率に分けてみると、

 それぞれ2.4%(前年2.8%)、3.1%(同3.7%)で、いずれも前年に比べ低

 下した。

  未就業入職者のうち新規学卒者についてみると、前年(約109万人)と比べ

 て約13万人減少し、入職者全体に占める割合も17.6%(前年19.4%)と前年よ

 り1.8ポイント低下した。

  男女別にみると、転職入職者数は男が約182万人(前年約180万人)、女が約

 143万人(同約128万人)、未就業入職者数は男が約92万人(同約107万人)、

 女が約126万人(同約146万人)となっている。これを比率でみると、転職入職

 率は男が7.4%(同7.4%)、女が9.6%(同8.7%)で、前年と比べると男は同水

 準で女は0.9ポイント上昇した。未就業入職率は男が3.8%(同4.4%)、女が

 8.5%(同9.9%)で、前年と比べると男が0.6ポイント、女が1.4ポイントそれ

 ぞれ低下した(第6図第7図第1表第2表第6表)。



(2) 地域間移動の状況



  入職者約542万人のうち全国を13ブロックに分けて地域間を移動した者をみ

 ると、約47万人となっている。全入職者に占める割合は8.6%(前年9.3%)

 で、前年と比べると0.7ポイント低下した(第7表)。



(3) 転職入職者の状況



 イ 年齢階級別状況

    年齢階級別に転職入職率をみると、「20〜24歳」の14.4%が最も高く、

   次いで「19歳以下」11.3%、「25〜29歳」10.6%と30歳未満の各層で10%

   を超えて高く、一方「45〜49歳」「50〜54歳」「55〜59歳」がいずれも

   5.6%と40歳代後半から50歳代で低くなっている。前年と比べると「25〜

   29歳」「30〜34歳」で低下したが、それ以外の層では上昇した。

    男女別に前年と比べると、男は「19歳以下」と「20〜24歳」でそれぞれ

   1.6ポイント、「60歳以上」で1.3ポイント上昇したが、「25〜29歳」で

   は1.7ポイント低下した。女は「55〜59歳」で 2.9ポイント、「25〜29歳」

   「35〜39歳」で2.5ポイント上昇したのをはじめ、「30〜34歳」「40〜44

   歳」層以外は上昇している(第8図第8表)。



 ロ 就業形態別状況

    就業形態別に転職入職率をみると、一般労働者では7.3%(前年7.3%)、

   パートタイム労働者は13.9%(同11.5%)で、前年と比べるとパートタイ

   ム労働者が2.4ポイント上昇した(第2表)。





 ハ 企業規模間移動状況

    転職入職者の企業規模間移動の構成比をみると、より大きい規模の企業

   に移動した者は37.6%、同じ規模の企業に移動した者は35.5%、より小さ

   い規模の企業に移動した者は26.9%で、前年と比べると同じ規模への移動

   者が0.6ポイント上昇し、より大きい規模への移動者が0.6ポイント、より

   小さい規模への移動者が0.1ポイントそれぞれ低下した(第9表)。

   

 ニ 産業間移動状況

    転職入職者の産業間移動類型別の構成比をみると、第3次産業への転職

   入職者(第3次産業から第3次産業への転職も含む)が68.7%(前年64.0%)、

   第2次産業への転職入職者(第2次産業から第2次産業への転職も含む)

   が31.3%(同36.0%)となった。第3次産業から第3次産業への転職入職

   者は55.0%(同52.2%)、第2次産業から第3次産業への転職入職者は

   12.2%(同11.0%)、第2次産業から第2次産業への転職入職者は20.3%

   (同22.0%)、第3次産業から第2次産業への転職入職者は10.0%(同13.3%)

   となっており、前年と比べると第3次産業間及び第2次産業から第3次産

   業への転職入職者の割合が上昇し、第2次産業間及び第3次産業から第2

   次産業への転職入職者の割合が低下した(表1)。



 ホ 賃金変動別状況

    転職入職者の賃金変動割合別構成比をみると、賃金が前の勤め先に比べ

   「10%未満の増減」であった者が63.6%、「10%以上の減少」であった

   者が19.7%、「10%以上の増加」であった者が16.6%で、前年と比べる

   と「10%以上の増加」であった者が12.9ポイント、「10%以上の減少」

   であった者が3.3ポイント低下し、「10%未満の増減」であった者が16.2

   ポイント上昇した(第10表)。



 ヘ 離職期間別状況

    転職入職者の離職期間別構成比をみると、「15日未満」が27.3%と最も

   高く、次いで「1カ月〜 3カ月」23.7%、「6カ月〜1年」20.6%となり、

   前年と比べると「6カ月〜1年」が3.5ポイント上昇し、他はすべて低下し

   た。

    これを年齢階級別にみると、「19歳以下」「20〜24歳」「25〜29歳」

   の若年層と「45〜49歳」では「1カ月〜3カ月」が最も高くなっているが、

   他の年齢階級では「15日未満」が最も高くなっている (第11表)。





3 離職者の状況





(1) 年齢階級別離職者の状況



  年齢階級別に離職率をみると、「60歳以上」の33.4%が最も高く、次いで

 「19歳以下」33.2%、「20〜24歳」25.2%、「25〜29歳」17.9%と、若年層

 及び高年齢層で高くなっている。前年と比べると「60歳以上」で2.5ポイント

 上昇したほか、「20〜24歳」及び40歳代以上の中高年層で上昇している。

  男女別にみると、男は「60歳以上」の34.0%が最も高く、次いで「19歳以下」

 31.2%、「20〜24歳」21.5%となり、女は「19歳以下」の35.4%が最も高く、

 次いで「60歳以上」32.2%、「20〜24歳」29.2%、「25〜29歳」25.8%となっ

 ている。前年と比べると男女両方の「19歳以下」で大幅に 低下し、女の55歳

 以上で大幅に上昇した(第9図第12表)。



(2) 勤続期間別離職者の状況



  離職者の勤続期間別構成比をみると、勤続「1年未満」が36.7%(「6カ月

 未満」20.0%)と最も高く、次いで「2〜5年未満」19.2%、「10年以上」17.5%、

 「1〜2年未満」13.5%、「5〜10年未満」12.9%となっている。前年と比べる

 と勤続「10年以上」が2.3ポイントの上昇となり上昇幅が大きい。

  男女別にみると、男女とも勤続「1年未満」(男34.8%、女38.6%)が最も

 高く、また男女ともに勤続「10年以上」が前年に比べ上昇した。

  職業別にみると「管理的職業従事者」で勤続「10年以上」の65.5%が最も高く、

 また「専門・技術的職業従事者」と「事務従事者」で「2〜5年未満」がそれぞれ

 25.2%、26.3%と最も高いほかは、勤続「1年未満」の割合が最も高く、「サービ

 ス職業従事者」52.0%、「保安職業従事者」46.9%、「販売従事者」46.3%など

 となっている(第13表(3) 離職理由別離職者の状況



  離職者の離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が64.5%で最も高く、

 次いで「契約期間の満了」12.3%、「経営上の都合」10.0%となり、前年と比

 べると「経営上の都合」が2.6ポイント、「契約期間の満了」が1.6ポイント上

 昇し、「個人的理由」は4.2ポイント低下した。年齢階級別に前年と比べると、

 「経営上の都合」の割合は35歳以上で大幅に上昇している。

  男女別にみると、男は「個人的理由」56.7%、「契約期間の満了」13.9%、

 「経営上の都合」13.4%となり、女は「個人的理由」72.6%、「契約期間の

 満了」10.7%、「経営上の都合」6.5%、となっている。前年と比べると男は

 「経営上の都合」が3.1ポイント、「契約期間の満了」が 0.8ポイントそれぞ

 れ上昇し、「個人的理由」が3.2ポイント低下した。女は、「契約期間の満了」

 が2.7ポイント、「経営上の都合」が2.3ポイントそれぞれ上昇し、「個人的理

 由」が6.1ポイント低下した(第14表)。 

  



4 上期・下期別移動状況





  入職率は上期8.5%(前年9.1%)、下期5.2%(同5.2%)、離職率は上期

 8.3%(同8.4%)、下期6.7%(同6.7%)となり、前年同期と比べると入職

 率・離職率とも上期は低下したが、下期は同水準だった(第10図第15表)。

  男女別にみると、入職率は男が上期7.1%(前年7.4%)、下期4.1%(同4.3%)、

 女が上期 10.9%(同11.9%)、下期7.1%(同6.5%)で、前年同期と比べ

 ると女が下期で上昇したほかは低下している。離職率は男が上期6.9%(同

 7.2%)、下期5.4%(同5.7%)、女が上期10.6%(同10.5%)、下期9.0%

 (同8.3%)で、前年同期と比べると男は上期・下期ともに低下し、女は上昇

 している。

  就業形態別にみると入職率は一般労働者が上期7.4%(同8.1%)、下期4.0%

 (同4.2%)、パートタイム労働者が上期15.5%(同15.5%)、下期13.0%

 (同11.3%)で、前年同期と比べると一般労働者は上期・下期ともに低下し

 ているが、パートタイム労働者は下期に上昇した。離職率は一般労働者が上

 期7.1%(同7.4%)、下期5.9%(同6.0%)、パートタイム労働者が上期15.6%

 (同14.8%)、下期12.2%(同10.6%)で、前年同期と比べると一般労働者

 は上期・下期ともに低下し、パートタイム労働者は上昇した(第15表)。








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