トップページ
III 調査結果
1)サービス業の経営実態
1 事業所の設立状況
事業所の設立時期をみると、調査業種全体では、昭和50年〜63年に設立され
た事業所の割合が38.1%と最も高く、次いで昭和40年〜49年設立が20.9%、
平成元年〜3年設立が15.0%、平成4年以降の設立が10.4%となっている。なお、
平成4年以降に設立された事業所の割合を業種別にみると、その他の娯楽業(29.9
%)、警備業(25.2%)、老人福祉事業, 知的障害・身体障害者福祉事業(23.4%)、
公園, 遊園地(23.0%)などが高くなっている。
事業所の設立形態は、いずれの設立時期でも「創業(新規設立)」に伴う設立
とする割合が最も高いが、「他企業からの分離・独立」、「フランチャイズ展開」
も設立時期が新しいほど高くなる傾向にある。(第1図、第1表、付属統計表第1表)
事業所の設立形態別に設立事由をみると、「支店・支社等として開設」の場合は
「事業の拡大・強化」(77.7%)が特に高くなっているが、「他企業からの分離・独立」
の場合は「事業の拡大・強化」(34.3%)と「特定業務の集約化、専門化」(33.0%)が
ほぼ同率となっている(付属統計表第2表)。
2 業務量変動と対応策
業務量変動の状況をみると、1日の間で業務量が「大幅に(倍増)変動」する事
業所は、対個人物品賃貸業(27.6%)で最も多く、次いで旅館(26.2%)、公園, 遊
園地(23.5%)の順となっている。1週間で業務量が「大幅に(倍増)変動」するの
は、公園, 遊園地(42.0%)、旅館(29.9%)、対個人物品賃貸業(28.2%)、1年の
間で業務量が「大幅に(倍増)変動」するのは公園, 遊園地(58.0%)、写真業(50.4
%)、洗濯業(50.2%)の順となっている(付属統計表第3表)。
業務量の変動に対する方策(複数回答)は、調査業種全体では、「残業で対応」
(47.3%)、「一般社員以外(派遣労働者を除く)で対応」(25.3%)、「交替制勤務
で対応」(24.4%)、「他企業への外注などで対応」(18.9%)などが高い割合となっ
ている。
業種別にみると、多くの業種で「残業で対応」とする事業所割合が最も高いが、
「一般社員以外(派遣を除く)で対応」とする割合は、公園, 遊園地(56.4%)、
旅館(44.3%)、警備業(38.8%)、個人教授所(36.0%)で、また、「交替制
勤務で対応」とする割合は、遊戯場(51.7%)、スポーツ施設提供業(46.5%)、
その他の娯楽業(46.1%)、理容業, 美容業(41.4%)、駐車場業(40.4%)な
どで、また、「他企業への外注などで対応」は、ソフトウェア業, 情報処理・提供
サービス業(63.2%)、土木建築サービス業(65.2%)、建物サービス業(40.8
%)でそれぞれ高くなっている。
その他の対応策をみると、「派遣労働者で対応」とする事業所の割合は、対個
人物品賃貸業(22.1%)、対事業所物品賃貸業(15.7%)、ソフトウェア業, 情
報処理・提供サービス業(14.6%)で、「フレックスタイム制で対応」とする事
業所の割合はソフトウェア業, 情報処理・提供サービス業(21.3%)、対個人物
品賃貸業(17.3%)、個人教授所(16.3%)で、「1週間、1カ月、1年単位の変
形労働時間制で対応」とする事業所の割合は、写真業(23.7%)、公園, 遊園地
(22.6%)、個人教授所(22.1%)、警備業(20.4%)でそれぞれ高くなってい
る 。(付属統計表第4表)
3 直面する経営課題
直面している経営面の課題(3つ以内の複数回答)をみると、調査業種全体で
は、「営業・販売力の強化」(46.9%)が最も高く、次いで「人件費等経費の削減」
(45.7%)、「業務の効率化・スリム化、組織の再編成」(28.8%)、「労働者の生産
性、能力の向上」(26.0%)などが高い割合となっている。
業種別にみると、多くの業種で「営業・販売力の強化」を課題とする事業所割
合が最も高くなっているが、「人件費等経費の削減」を課題とする割合が最も高
い業種として、その他の娯楽業(75.6%)、スポーツ施設提供業(72.7%)、遊
戯場(64.7%)、公園, 遊園地(62.5%)などが、また、「労働者の生産性、能
力の向上」を課題とする割合が最も高い業種として、自動車整備業(54.4%)な
どがある。
そのほか、「技術力・研究開発の強化」を課題とする割合が最も高い業種とし
て、理容業, 美容業(64.6%)、ソフトウェア業, 情報処理・提供サービス業
(60.6%)などが、また、「受注の安定化、受注体制の整備」を課題とする割合
が最も高い業種として、土木建築サービス業(59.9%)、他に分類されない事業
所サービス業(53.3%)がある。また、「事業の拡大、新事業への進出」が最も
高い業種としては、その他の専門サービス業(35.4%)が、「業務の効率化・ス
リム化、組織の再編成」が最も高い業種として、一般廃棄物処理業, 産業廃棄物
処理業(42.0%)などがある。(付属統計表第5表)
2)サービス業の就業実態
1 雇用面の実態
(1) 職種別にみた雇用変動
事業所における職種別労働者数の3年前と比べた変動状況を増減D.I.(増加し
たとする事業所割合から減少したとする事業所割合を引いたもの)によってみる
と、46職種中32職種がプラスで、13職種でマイナスになっている。
プラス幅は、社会福祉士(53.9ポイント)で最も大きく、次いで介護福祉士(52.0
ポイント)、美容師(33.8ポイント)、プログラマー(29.5ポイント)、一・二級建
築士(29.0ポイント)、設計技師(28.7ポイント)、看護婦(士)(25.1ポイント)、療
法士(理学、作業)(23.1ポイント)となっている。
一方、マイナス幅は、起重機・建設機械運転工(−57.2ポイント)で最も大きく、
次いでキャディ(−38.6ポイント)、自動車整備工・修理工(−18.3ポイント)、給
仕従事者(−18.1ポイント)、電気修理工(−15.4ポイント)などとなっている。
(第2図、付属統計表第6表)
(2) 労働者構成
イ 就業形態をみると、調査業種全体では、一般社員の割合が68.5%、一般社員以
外の割合が31.5%となっている。これを、サービス業の3分類別にみると、一般
社員の割合は「社会的・公共的サービス」(86.0%)で、一般社員以外の割合は
「対個人サービス」(47.2%)で最も高くなっている。
一般社員の割合を業種別にみると、自動車整備業(94.2%)で最も高く、次いで
対事業所物品賃貸業(87.6%)、病院(87.5%)、理容業, 美容業(87.2%)、有線放送
業(86.2%)の順で、いずれも8割を超えている。
一方、一般社員以外の割合は、公園, 遊園地(69.1%)で最も高く、次いでその
他の娯楽業(68.4%)、駐車場業(67.0%)、個人教授所(63.3%)の順となっている。
ロ 一般社員について男女構成をみると、調査業種全体では、男性55.9%、女性
43.3%となっている。これを、サービス業の3分類別にみると、特に「対事業所
サービス」では男性の割合(76.1%)が高くなる一方、「社会的・公共的サービ
ス」では女性の割合(73.3%)が最も高くなっている。
男性割合を業種別にみると、機械修理業(89.3%)で最も高く、次いで警備業
(88.6%)、自動車整備業(86.9%)、一般廃棄物処理業, 産業廃棄物処理業(83.7%)、
駐車場業(83.6%)の順となっている。
一方、女性割合は、病院(79.0%)で最も高く、次いで理容業, 美容業(72.3%)、
老人福祉事業, 知的障害・身体障害者福祉事業(71.7%)となっている。
ハ 一般社員について年齢階級別割合をみると、25〜34歳が30.1%と最も高く、次
いで35〜44歳が19.3%、45〜54歳が19.1%、24歳以下が17.2%、55歳以上が13.5%
となっている。(付属統計表第7表)
(3) 高年齢労働者の雇用変動
事業所における高年齢労働者の割合(本調査において、高年齢労働者とは55
歳以上の労働者であり、以下、高年齢労働者の占める割合を「高齢者雇用率」と
いう)の3年前に対する変動状況をみると、調査業種全体では、「ほぼ同じ」と
する事業所割合が70.1%で最も高く、次いで「高まった」(20.2%)、「低下した」
(8.9%)となっている。
「高まった」理由(複数回答)をみると、「高齢者の採用」(42.2%)と「雇用
延長・再雇用制度の導入、拡大」(41.0%)が共に約4割となっている。
「低下した」理由(複数回答)をみると、「若年層を中心とした採用が増加し
た」が60.5%と最も高く、次いで「定年・契約期間満了による退職者が増加した」
(32.8%)、「自己都合による退職者が増加した」(26.9%)の順となっている。
高齢者雇用率が「高まった」事業所の多い業種としては、建物サービス業(34.0
%)、病院(31.7%)、機械修理業(29.1%)などで、「高まった」理由としては、建
物サービス業では「高年齢者の採用」(80.0%)、病院及び機械修理業では「雇用
延長・再雇用制度の導入、拡大」(それぞれ57.7%、49.5%)が最も高くなってい
る。
一方高齢者雇用率が「低下した」事業所の多い業種としては、対個人物品賃貸
業(22.0%)、駐車場業(19.9%)、警備業(17.1%)、遊戯場(17.0%)などで、「低
下した」理由としては、対個人物品賃貸業及び警備業では「若年層を中心とした
採用が増加した」(それぞれ71.9%、65.8%)が、駐車場業では「定年・契約期間
満了による退職者が増加した」(73.7%)が最も高くなっている。(付属統計表第
8表)
(4) 女性労働者の雇用変動
事業所における女性労働者の割合(以下「女性雇用率」という)の3年前に対
する変動状況を見ると、調査業種全体では、「ほぼ同じ」とする事業所割合が
79.3%と最も高く、次いで「高まった」(15.6%)、「低下した」(5.0%)となって
いる。
「高まった」理由(複数回答)をみると、「採用者の増加(一般社員)」(65.8
%)、「採用者の増加(一般社員以外)」(33.4%)の順となっている。
「低下した」理由(複数回答)をみると、「その他の自己都合による退職者が
増加した」(50.7%)、「結婚、育児による退職者が増加した」(31.2%)の順となっ
ている。
女性雇用率の「高まった」業種としては、遊戯場(37.4%)、ソフトウェア業,
情報処理・提供サービス業(29.9%)、駐車場業(22.1%)などで、「高まった」理
由としては、遊戯場及びソフトウェア業, 情報処理・提供サービス業では「採用
者の増加(一般社員)」(それぞれ、54.3%、97.7%)が、駐車場業では「採用者
の増加(一般社員以外)」(66.4%)が最も高くなっている。
一方、女性雇用率の「低下した」業種としては、土木建築サービス業(16.5%)、
写真業(14.3%)、スポーツ施設提供業(13.8%)などで、「低下した」理由として
は、土木建築サービス業及び写真業では「結婚、育児による退職者が増加した」
(それぞれ53.5%、57.4%)が最も高くなっている。(付属統計表第9表)
(5) 入離職の状況
イ 平成9年9月から平成10年8月までの1年間における入・離職率は、調査
業種全体で入職率18.0%、離職率16.1%であった。業種別にみると、公園, 遊園
地において入職率、離職率いずれも4割以上と高くなっている。なお、一般社
員に限ってみると、入職率13.6%、離職率11.9%であった(付属統計表第10表)。
ロ 過去10年間に他の会社に勤めたことのある労働者の割合(個人調査)は、
調査業種全体で39.4%となっている。業種別にみると、駐車場業、警備業、遊戯
場、建物サービス業、その他の娯楽業で5割を超えている(付属統計表第11表)。
ハ 過去10年間に他の会社に勤めたことのある労働者について、直前の勤務先
の産業(個人調査)をみると、サービス業が37.2%で最も高く、次いでその他
(15.7%)、製造業(15.3%)、卸売・小売業,飲食店(11.6%)の順となっている
(付属統計表第11表)。
ニ 労働者の現勤務先での平均勤続年数及び現職種の平均経験年数(個人調査)
は、調査業種全体でそれぞれ8.1年となっている。業種別にみると、写真業、
自動車整備業、機械修理業、土木建築サービス業で、平均勤続年数、平均経験
年数いずれも10年を超えている(付属統計表第12表)。
(6) 入職理由
一般社員が現在の勤務先を選んだ理由(個人調査、3つ以内の複数回答)は、
調査業種全体では、「仕事の興味があったから」(42.8%)の割合が最も高く、次い
で「安定性」(29.6%)、「通勤に便利だから」(26.6%)の順となっている(第3図)。
業種別にみると、「仕事の興味があったから」を選んだ一般社員の割合は、広
告代理業(62.8%)で最も高く、次いで老人福祉事業, 知的障害・身体障害者福祉
事業(61.7%)、個人教授所(60.3%)となっている。「安定性」は駐車場業(54.5%)
で最も高く、次いで一般廃棄物処理業, 産業廃棄物処理業(41.8%)、機械修理業
(39.4%)となっている。「通勤に便利だから」は洗濯業(42.7%)で最も高く、次
いでスポーツ施設提供業及び病院(40.9%)となっている。「資格・技能が活かせ
るから」は、病院(48.2%)で最も高く、次いで老人福祉事業, 知的障害・身体障
害者福祉事業(31.4%)、理容業, 美容業(31.3%)となっている(付属統計表第13表)。
2 労働時間面の実態
(1) 休業日と1日当たり平均営業時間
休業日の状況をみると、調査業種全体では「週2日休業(毎週)」が30.6%、
「週2日休業(隔週)」が18.4%となっているが、「無休」の事業所も12.5%となっ
ている。
1日の平均営業時間は、調査業種全体で11時間22分となっている。
業種別にみると、旅館(21時間13分)、駐車場業(15時間29分)、その他の娯
楽業(13時間30分)、遊戯場(13時間28分)が特に長いほか、老人福祉事業, 知
的障害・身体障害者福祉事業、警備業、スポーツ施設提供業、病院、建物サービ
ス業、有線放送業で10時間を超えている。また、24時間営業の割合は、旅館
(74.4%)で特に高くなっている。(第4図、付属統計表第14表)
3年前と比べた1日の営業時間の変化についてみると、調査業種全体では「変
わらない」が77.1%で最も多く、次いで「減少した」(18.1%)、「増加した」(4.8
%)となっている。「減少した理由」としては、「労働時間の短縮を図った」(76.0
%)が最も高く、「増加した」理由としては、「顧客のニーズに対応した」(62.3%)
が最も高くなっている(付属統計表第15表)。
(2) 深夜・休日労働の実態
深夜労働(平成10年3月から8月までの半年間の実績、個人調査)は、調査
業種全体では、「ほとんどなかった」(72.1%)、「時々あった」(20.8%)、「多かっ
た」(6.6%)の順となっている。
業種別にみると、「ほとんどなかった」労働者の割合は、理容業, 美容業(93.3
%)で最も高く、次いで一般廃棄物処理業, 産業廃棄物処理業(89.4%)、洗濯業
(89.3%)となっている。
一方、「多かった」労働者の割合は、警備業(20.9%)で最も高く、次いで遊戯
場(17.0%)、その他の娯楽業(14.7%)となっている。
また、休日労働(平成10年3月から8月までの半年間の実績、個人調査)は、
「ほとんどなかった」(59.0%)、「時々あった」(33.0%)、「多かった」(7.8%)の
順となっている。
「ほとんどなかった」労働者の割合は、理容業, 美容業(78.9%)で最も高く、
次いで遊戯場(77.0%)、写真業(69.1%)となっている。
一方、「多かった」労働者の割合は、その他の娯楽業(14.3%)で最も高く、次
いで病院(12.2%)、警備業(11.3%)となっている。(付属統計表第16表)
(3) 勤務時間制度
労働者がこれまでに適用された勤務制度(個人調査、複数回答)をみると、調
査業種全体では、「休日を交替で取る制度」(35.6%)が最も多く、次いで「交替
勤務制」(25.4%)、「時差通勤制」(9.4%)、「(1週間、1カ月、1年単位の)変
形労働時間制」(9.2%)、「リフレッシュ休暇制」(8.3%)の順となっている。
業種別にみると、「休日を交替で取る制度」を適用されたことのある労働者の
割合は、スポーツ施設提供業(68.6%)で最も高く、次いで理容業, 美容業(65.6
%)、旅館(64.3%)となっている。「交替勤務制」を適用されたことのある労働
者の割合は、遊戯場(80.6%)で最も高く、次いで旅館(55.6%)、老人福祉事業,
知的障害・身体障害者福祉事業(48.8%)となっている。「時差通勤制」を適用さ
れたことのある労働者の割合は、スポーツ施設提供業(29.0%)で最も高く、次い
で有線放送業(17.3%)、病院(15.9%)となっている。「(1週間、1カ月、1年単
位の)変形労働時間制」を適用されたことのある労働者の割合は、公園, 遊園地
(20.1%)で最も高く、次いで有線放送業(15.8%)、旅館(15.7%)となっている。
「リフレッシュ休暇制」を適用されたことのある労働者の割合は、機械修理業
(26.5%)で最も高く、次いでその他の専門サービス業(20.4%)、自動車整備業
(16.8%)、ソフトウェア業,情報処理・提供サービス業(15.7%)となっている。
(付属統計表第17表)
3)サービス業の労働面の課題と対応策
1 直面する労働面の課題
直面している労働面の課題(複数回答)をみると、調査業種全体では「就業意
欲の維持・向上」(44.9%)の割合が最も高く、次いで「賃金対策(賃金体系の見
直し等)」(34.4%)、「従業員の定着」(34.3%)、「研修等教育訓練の充実」(31.2
%)、「人手不足の解消」(22.3%)、「労働時間対策(時短、週休2日制等)」
(20.1%)の順となっている。
業種別にみると、「就業意欲の維持・向上」を課題とする事業所割合が多くの
業種で最も高いものとなっているが、「賃金対策(賃金体系の見直し等)」が最
も高い業種としては自動車整備業(42.7%)と対事業所物品賃貸業(40.1%)が
ある。また、「従業員の定着」を課題とする事業所割合が最も高い業種として、
理容業, 美容業(48.2%)、遊戯場(77.0%)、建物サービス業(41.3%)、警備業
(58.8%)が、「研修等教育訓練の充実」が最も高い業種としては、老人福祉事
業, 知的障害・身体障害者福祉事業(60.5%)、機械修理業(49.2%)、ソフト
ウェア業, 情報処理・提供サービス業(45.3%)、その他の専門サービス業(35.6
%)が、また、「新技術への対応(OA機器・ME機器の導入)」が最も高い業種と
しては、土木建築サービス業(54.8%)がある。(第5図、付属統計表第18表)
2 就業意欲の維持・向上策
労働者の就業意欲の維持・向上のため、過去3年間に講じた対策(複数回答)
をみると、調査業種全体では「能力、業績に応じた処遇(昇進・昇格等)」をあ
げた事業所割合が50.0%と最も高く、次いで「上司と部下のコミュニケーション
の円滑化」(37.7%)などとなっている。
業種別にみると、「能力、業績に応じた処遇(昇進・昇格等)」とする事業所
割合がほとんどの業種で最も高く、中でもソフトウェア業, 情報処理・提供サー
ビス業(71.9%)、遊戯場(71.0%)、広告代理業(68.6%)などでは特に高いものとなっ
ている。(付属統計表第19表)
3 労働力の確保策
(1) 確保したい人材内容
確保したい人材(複数回答)をみると、調査業種全体では「若年者」(34.7%)
が最も高く、次いで「特定の職種(職務)の技術者」(30.9%)、「職務上の要資
格保有者」(22.3%)などの順となっている。
業種別にみると、「若年者」とする事業所割合が多くの業種で最も高いが、
「特定の職種(職務)の技術者」とする割合が最も高い業種として、土木建築サー
ビス業(56.9%)、その他の専門サービス業(46.2%)、自動車整備業(40.4
%)、個人教授所(38.7%)などがある。
また、「職務上の要資格保有者」とする割合が最も高い業種として、病院
(66.5%)、土木建築サービス業(53.2%)、老人福祉事業, 知的障害・身体障
害者福祉事業(51.9%)、建物サービス業(26.0%)などがある。(付属統計表
第20表)
(2) 労働力の確保策
労働力確保のために講じられた対策(複数回答)をみると、調査産業全体では
「中途採用者の採用」(43.5%)とする事業所が最も高く、次いで「パートタイマー
の採用」(37.3%)、「新規学卒者の採用」(31.8%)の順となっている。
業種別にみると、「中途採用者の採用」とする事業所割合が最も高い業種とし
て、警備業(69.4%)、有線放送業(67.5%)、病院(66.4%)、対個人物品賃
貸業(64.7%)、写真業(49.7%)などがある。
「パートタイマーの採用」が最も高い業種は、洗濯業(71.0%)、スポーツ施
設提供業(57.2%)、個人教授所(56.1%)、老人福祉事業, 知的障害・身体障
害者福祉事業(55.9%)、旅館(55.6%)、建物サービス業(49.1%)などであ
る。
「新規学卒者の採用」が最も高い業種は、ソフトウェア業, 情報処理・提供サー
ビス業(76.4%)、理容業, 美容業(69.3%)などである 。(付属統計表第21表)
4 能力開発の場
労働者の能力開発のための研修の場(複数回答)についてみると、調査業種全
体では、社外の「民間の各種セミナーなどの受講」(38.7%)の割合が最も高く、
次いで社内の「OJT」(32.2%)となっている。
業種別にみると、社外の「民間の各種セミナーなどの受講」の割合は、老人福
祉事業, 知的障害・身体障害者福祉事業で77.3%と最も高く、次いで病院(66.8
%)、土木建築サービス業(64.2%)となっている。社内の「OJT」の割合はソ
フトウェア業, 情報処理・提供サービス業で76.4%と最も高く、次いで対個人物
品賃貸業(52.7%)、その他の専門サービス業(49.5%)となっている。
(付属統計表第22表)
5 労働時間対策
過去3年間に講じた労働時間面の対策(複数回答)をみると、調査業種全体では
「残業時間の短縮」(29.7%)が最も高く、次いで「週休2日制の導入・拡大」(21.8%)、
「週所定労働時間の短縮」(20.8%)、「業務スケジュール管理の適正化」(19.3%)、
「1日の所定労働時間の短縮」(17.7%)などの順となっている (付属統計表第23表)。
TOP
トップページ