タイトル: 平成11年毎月勤労統計調査特別調査の結果速報
・規模1〜4人の賃金は2.4%減
(昭和33年以降はじめての大幅な減少)
 
発  表:平成11年12月8日(水)
担  当:労働大臣官房政策調査部
統計調査第一課

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I 調査の概要
 
 
 毎月勤労統計調査は、常用労働者5人以上の事業所について毎月実施する全国調査及び地方調査のほか、常用労働者1〜4人の事業所について年1回、7月分について特別調査を実施している。
 
 本特別調査は、上記の事業所における常用労働者の平成11年7月分の賃金、労働時間及び雇用の状況について調査したものである。ただし、特別に支払われた現金給与額は、平成10年8月1日から平成11年7月31日までの1年間に支払われた額で、勤続1年以上の労働者について集計したものである。
 
 調査対象は、9大産業に属する常用労働者1〜4人を雇用する約2万5千事業所(回収率95.9%)。
 
 
II 調査結果の概要
 
  [骨子]
 
 
 
 平成11年7月の月間きまって支給する現金給与額は196,671円、前年比2.4%減となった。主な産業についてみると製造業は前年比0.6%増と増加し、建設業(2.1%減)、サービス業(1.5%減)、卸売・小売業,飲食店(0.5%減)は減少した(第1図第1表)。
 
 平成10年8月1日から平成11年7月31日までの1年間における、賞与など特別に支払われた現金給与額は285,293円、前年比14.8%減となった(第2表)。
 
 出勤日数は21.8日で、前年と比べ0.2日減少した。通常日1日の実労働時間は7.3時間で前年と同水準であった(第2図第3表)。
 
 短時間労働者(通常日1日の実労働時間が6時間以下の労働者)の割合は25.0%で前年より0.5ポイント上昇した(第4図第5図第6表)。
 
 女性労働者の割合は57.9%で前年より1.4ポイント上昇した(第5表)。
 
 企業規模1〜4人の事業所における月間きまって支給する現金給与額を年齢階級別にみると、55〜59歳が最も高く、勤続年数階級別にみると勤続20〜29年が最も高い(第6図第8表)。
 
 都道府県別の月間きまって支給する現金給与額をみると、東京都が231,834円と最も高い(第9表)。
 
 
 
1 賃 金
 
(1) きまって支給する現金給与額
 
   平成11年7月における1〜4人規模事業所の月間きまって支給する現金給与額は196 ,671円で、前年比は2.4%減と、特別調査を開始した昭和32年(前年比としては昭和33年)以来最大の減少幅となった。
 男女別にみると、男は272,565円で2.0%減、女は141,517円で0.7%減となった。
 主な産業についてみると、製造業(219,351円)は0.6%増と増加し、他方、建設業(268,554円)は2.1%減、サービス業(189,660円)は1.5%減、卸売・小売業,飲食店(174,230円)は0.5%減となった。
 月間きまって支給する現金給与額の事業所規模間格差をみると、30人以上規模を100とすると1〜4人規模は64.1となった(注)。
 主な産業別にみると、建設業73.2、製造業70.8、卸売・小売業,飲食店71.5、サービス業61.0となった(第1図第1表)。
 
 
(注)  1〜4人規模と30人以上規模とでは、労働者の産業別構成や短時間労働者の割合に大きな差がある。労働者全体でみた事業所規模間格差にはこうした労働者構成の違いによる部分が相当程度含まれていることに留意する必要がある。
 
 
(2) 特別に支払われた現金給与額
 
   平成10年8月1日から平成11年7月31日までの1年間における、賞与など特別に支払われた現金給与額は285,293円、前年比14.8%減となった。
 男女別にみると、男は421,573円、13.9%減、女は181,806円、13.6%減となった。
 主な産業についてみると、サービス業(342,514円)13.9%減、卸売・小売業,飲食店(223,551円)13.4%減、建設業(294,719円)11.0%減、製造業(274,813円)10.6%減といずれも減少した(第2表)。
 
 
2 出勤日数と労働時間
 
(1) 出勤日数
 
   平成11年7月における出勤日数は21.8日(前年22.0日)で、前年と比べ、0.2日減少した。
 男女別にみると、男は22.6日、女は21.2日で、男女とも前年より0.2日減少した。
 他の事業所規模と比較すると、5〜29人規模(20.8日)より1.0日、30人以上規模(20.4日)より1.4日、それぞれ多かった(第2図第3表)。
 
 
(2) 労働時間
 
   通常日1日の実労働時間は7.3時間(前年7.3時間)で前年と同水準であった。
 男女別にみると、男は8.0時間、女は6.8時間であった(第2図第3表)。
 通常日1日の実労働時間別労働者構成比をみると「4時間以下」9.1% 、「5時間」7.6%、「6時間」8.3%、「7時間」15.5%、「8時間」43.8%、「9時間以上」15.7%となった(第4表)。
 
 
3 雇 用
 
(1) 産業別構成
 
   労働者の産業別構成比をみると、卸売・小売業,飲食店が45.0%と最も高く、次いでサービス業27.9%、製造業10.7%、建設業10.2%、不動産業2.6%、運輸・通信業2.1%、金融・保険業1.3%の順となった。
 30人以上規模における産業別構成比と比べると、卸売・小売業,飲食店(1〜4人規模45.0%、30人以上規模18.4%)等の割合が高く、製造業(10.7%、29.5%)、運輸・通信業(2.1%、9.8%)、金融・保険業(1.3%、3.8%)等の割合が低い(第3図第5表)。
 
 
(2) 短時間労働者の割合
 
   通常日1日の実労働時間が6時間以下の労働者(以下「短時間労働者」という。)の割合は25.0%(前年24.5%)で、前年と比べ0.5ポイントの上昇となり、上昇傾向が続いた。
 男女別にみると、男7.6%、女37.7%と、女が男よりも大幅に高い。
 主な産業についてみると、卸売・小売業,飲食店が31.8%と最も高く、次いでサービス業25.5%、製造業18.8%、建設業7.0%の順となった。
 前年と比べると、サービス業は上昇、建設業、製造業、卸売・小売業,飲食店は低下した(第4図第5図第6表第7表)。
 
 
(3) 女性労働者の割合
 
   女性労働者の割合は57.9%(前年56.5%)で、前年より1.4ポイント上昇した。
 産業別にみると、卸売・小売業,飲食店65.6%、サービス業65.4%、金融・保険業57.7%と、これら3つの産業で高い割合となった。
 他の事業所規模と比較すると、5〜29人規模は43.6%、30人以上規模は38.1%と、1〜4人規模事業所の方が高い(第5表)。
 
 
4 年齢階級・勤続年数階級別給与
 
   企業規模1〜4人の事業所における、月間きまって支給する現金給与額を年齢階級別に20〜24歳を100とした指数でみると、55〜59歳が149.2と最も高く、17歳以下が44.4と最も低い。
 また、勤続年数階級別には、概ね勤続年数が増加するに従って給与水準は高くなっており、勤続0年を100とした指数でみると、勤続20〜29年が182.4と最も高い(第6図第8表)。
 
 
5 都道府県別の状況
 
   月間きまって支給する現金給与額を都道府県別にみると、高い順に東京都231,834円、埼玉県211,921円、山梨県211,181円などとなっている。
 出勤日数をみると、多かったのは長崎県23.4日、青森県と山形県23.3日で、少なかったのは滋賀県20.8日、神奈川県20.9日、奈良県21.0日であった。
 通常日の労働時間数をみると、岩手県、秋田県、熊本県、鹿児島県が7.6時間で最も長く、兵庫県が7.0時間と最も短い(第9表)。
 
 
参考 主な用語の解説


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