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アクティブ・エージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な推進 我が国の高齢化は、世界に例を見ない速度で急速に進み、21世紀初頭には「団塊 の世代」が60歳台前半層に差し掛かることなどから、総人口の約3人に1人が、ま た、労働力人口の約5人に1人が60歳以上の高齢者となることが見込まれる。この ような急速な高齢化の進展の下で、我が国経済社会の活力を維持するためには、ア クティブ・エージング(活力ある高齢化)の観点に立ち、できるだけ多くの高齢者 が社会に支えられる側から社会を支える側へ回ることが重要であり、将来的には、 意欲と能力がある限り年齢に関わりなく働き続けることができる社会を実現するこ とが必要である。 先般閣議決定された第9次雇用対策基本計画においても、このような基本的な認 識の下、向こう10年程度の間においては、65歳定年制の普及を目指しつつも、少な くとも、意欲と能力のある高齢者が再雇用又は他企業への再就職などを含め何らか の形で65歳まで働き続けることができることを確保していくこととしているところ である。 このため、平成12年度においては、次の施策に特に重点を置き、アクティブ・エ ージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な推進を図ることとしている。 1 定年年齢の引上げ等に向けた段階的な取組の推進 人事管理制度の見直しや能力開発を行いながら、段階的に定年年齢の引上げ 等を行う事業主に対する指導・援助 ・ 継続雇用定着促進助成金の拡充(別紙1) 継続雇用定着促進助成金については、現在、65歳以上の継続雇用制度を設け た事業主及びそれに伴い高齢者を多数雇用する事業主に対する助成を行ってい るところであるが、事業主が、人事管理制度の見直しや能力開発を行いながら 段階的に定年年齢の引上げ等を行うことを促進するため、同助成金の拡充を図 ることとする。 具体的には、61歳以上への定年引上げを実施する事業主に対する助成措置及 び定年延長に伴う職業適応能力の向上に要する経費の一部助成措置を新たに追 加することとする。 2 65歳までの雇用の確保 (1) 65歳までの雇用の確保(再雇用、他企業への再就職等)のために、能 力開発や求人開拓などを行う事業主に対する指導・援助 ・ 高年齢者雇用安定センターにおける再就職援助関連業務の実施(拡充) 高年齢者雇用安定センターにおいては、定年引上げや65歳までの継続雇用 に向けた事業主に対する各種の援助を実施しているところであるが、65歳ま での雇用の確保のためには、高齢者が定年後他企業に再就職してその職業経 験等を十分に活かすことができるようにすることも重要である。 このため、定年後の再就職援助の観点からその雇用する高齢者についての 能力開発や求人開拓などを行う事業主に対して、高年齢者雇用安定センター が、その具体的な方策等についてのアドバイスを実施することとする。 (2)地域の経済団体との連携による再就職支援の拡充 (別紙2) 高齢者と事業主の間の職種等のニーズのミスマッチを解消するため、公共 職業安定所と地域の経済団体とが連携を図り、高齢者と事業主の双方に意識 改革の働きかけを行い、雇用就業機会の拡大を図る「高年齢者マッチング支 援事業」を平成11年度から実施しているところであるが、今後、少子・高齢 化の一層の進展に伴い、高齢層における労働力需給のミスマッチの拡大が危 惧される中で、これに的確に対応し、高齢者の再就職支援を通じた雇用の安 定の確保を図るため、同事業の実施地域を12地域から25地域に拡大しつつ、 引き続き実施する。 3 就業意欲や体力の多様化に応じた雇用就業機会の確保 (1)高年齢者共同就業機会創出支援事業の実施(新規) (別紙3) 高齢者の雇用機会の確保が極めて困難な状況にある中、自営開業等により 高齢者自らがその継続的な就業の機会を創り出すことを通じ、その職業経験 等の十分な活用を図ることを積極的に促進することとする。 具体的には、60歳以上の高齢者が共同して、自ら継続的な就業の機会を創 出する場合に、就業に必要な技能の習得に要する費用その他当該就業機会の 創出に要する費用を助成する。 なお、本事業は、21世紀人材立国計画(ミレニアム・プロジェクト分とし て要望)の一環として実施するものである。 (2)シルバー人材センター事業等の拡充 (別紙4、別紙5、別紙6) シルバー人材センターの就業形態の特性に合った臨時的かつ短期的な就業 機会の開拓を行うシルバー就業機会開発プロジェクト事業の実施を始め、シ ルバー人材センター事業の充実を図る。 また、事業主団体との連携の下にシルバー人材センター連合において技能 講習、合同面接会等を一体的に行うシニアワークプログラム事業の拡充を図 る。