2 労働者・個人のキャリアのあり方



 (2)世代別のキャリアのあり方(現状と問題点)



  ロ 壮年層のキャリア



    労働者が、自分の「キャリア」や「キャリア形成」を意識するのは、就職、

   退職、転職、転社等の、職業生活の節目であり、こうした節目においては、自

   らの決断による選択がなされる。逆に、こうした節目以外の機会においては、

   配転等も含め、これまで個人が主体的に自分のキャリアを考えることは、あま

   りなかったと言えよう。



    しかしながら、職業生活が長期化する一方、絶えざる技術革新の進展への対

   応や労働移動が頻繁になる等職業生活の見通しが益々つかなくなる中で、上記

   のような職業生活の節目だけでなく、そもそも自分の職業キャリアのあり方を

   自分なりに考える必要性は高まってきており、これを全くの企業まかせにする

   ことは、もはやリスクが高すぎて容易に受け容れられないものとなってきてい

   る。

    また、企業側においても、後述のように、組織のフラット化やキャリアルー

   トの複線化などの動きが進んでおり、能力開発や福利厚生における個人の選択

   の重視や成果主義、能力主義の導入等と相俟ってキャリアの個別化の傾向が強

   まっている。

    このように、労働者のキャリアの個別化やキャリアについての労働者の主体

   性重視の動きが強まっている一方で、これまで労使とも企業内の一律かつ集団

   的な処遇になじんできたため、個別的キャリア形成や労働者の主体性を尊重す

   る考え方やシステムが動きについてきていない状況にある。



  

  (キャリア・コンサルティング)

  (自己啓発の機会の確保)

  (変化への対応)


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