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−「平成12年度女性雇用管理基本調査」結果概要−
8 母性保護等について
(1)産前産後休業制度の内容
単胎妊娠の場合の休業期間を労働基準法に定めるとおりとする企業割合は
97.5%、法定を上回るとした企業割合は2.3%となった。法定を上回ると
する企業割合を規模別に見ると、5,000人以上規模が26.3%、
1,000〜4,999人以上規模が15.6%、300〜999人規模が
7.8%と、規模が大きくなるほど高くなっている。
また、多胎妊娠の場合では法定どおりの企業割合が98.7%、法定を上回る
企業割合は0.9%となっている(付表第3表)。
(2)産前産後休業及び育児時間中の賃金の取扱い
産前産後休業中の賃金を有給とする企業割合は17.4%であり、そのうち全
期間100%賃金を支給する企業割合は57.6%となっている。
また、育児時間中の賃金を有給とする企業割合が18.9%であり、そのうち
全期間100%賃金を支給する企業割合は60.1%となっている(付表第4表)。
(3)母性健康管理に関する制度の有無、賃金の取扱い
母性健康管理に関する制度について、各制度を有する企業割合は、「妊娠中・
出産後の通院休暇制度」が36.0%(うち44.3%が有給)、「妊娠中の通
勤緩和措置」が33.1%(同41.8%)、「妊娠中の休憩に関する措置」が
33.5%(同43.1%)、「妊娠障害休暇」が31.6%(同38.9%)、
「出産障害休暇」が30.4%(同37.6%)となっている(付表第5表)。
(4)女性労働者の妊娠・出産状況
過去1年間に妊娠又は出産した女性がいた企業割合は29.1%となっており、
そのうち、母性保護等の各措置を請求した女性労働者がいた企業割合は、「妊娠
中・出産後の通院休暇」が24.9%、「育児時間」が19.1%、「妊娠中の
通勤緩和」が10.5%、「妊娠障害休暇」が10.0%、「妊娠中の軽易業務
転換」が9.9%、「妊娠中の休憩に関する措置」が8.5%、「出産障害休暇」
が2.0%となっている(第23図)。
第23図 母性保護等の措置の請求者の有無別企業割合
(妊娠・出産あり企業=100)
(5)妊娠・出産、育児を理由とする退職者の有無
過去1年間に妊娠・出産、育児を理由に退職した女性がいるとする企業割合は
17.5%となっており、そのうち、「妊娠中であって産前休業前に退職」した
女性がいると回答した企業が74.9%、「産前産後休業期間中に退職」が
10.9%、「育児休業期間中に退職」が8.9%、「産後休業又は育児休業終
了後、復職して1年以内に退職」が17.5%となっている(付表第6表)。
(6)母性保護措置等による不就業期間の取扱い
産前産後休業、育児時間、通院休暇制度など、母性保護措置等による不就業期
間について「昇進・昇格の決定」、「昇給の決定」、「退職金の算定」の際にど
のように取り扱っているのかをみると、「何らかの形で労働者の出勤状況を考慮
している」と回答した企業のうち、産前産後休業や育児時間についてはおおむね
半数の企業が「就業したもの」とみなしており、妊娠障害休暇や出産障害休暇に
ついては3〜4割の企業が「就業したもの」とみなしている。
「産前産後休業中」の「退職金の算定」は「就業したものとみなす」が
54.5%と最も高く、「一定割合を就業したものとみなす」が6.4%、「不
就業期間とする」が32.0%となっている(付表第7表)。
(7)妊産婦の働きやすい環境作り
妊産婦が働きやすい環境を作るために工夫していることについて、「医師等の
指導がなくても労働条件に配慮している」企業が34.4%、「妊産婦が気軽に
相談できる体制を整備している」が17.7%、「妊産婦が働きやすくするため
の職場の雰囲気作りに努めている」が17.1%となっている(付表第8表)。
さらに、「妊産婦が気軽に相談できる体制を整備している」と回答した企業の
うち、妊産婦の相談対応者は「人事労務担当部署の担当者」が65.5%、「所
属先(直属)の上司」が57.0%、「産業医」が24.7%となっている
(第24図)。
第24図 妊産婦からの相談対応者別企業割合
(妊産婦が気軽に相談できる体制を整備している企業=100)

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