タイトル:紛争解決援助制度の運用状況について

     −解雇、労働条件の引下げ、配置転換、出向等への対応−



発  表:平成11年11月26日(金)

担  当:労働省労働基準局監督課

                  電 話 03-3593-1211(内線5426)

                      03-3502-6742(夜間直通)




1 労働省労働基準局では、紛争解決援助制度について、平成11年4月1日〜平成

 11年9月30日(以下「4−9期」という。また、平成10年10月1日〜平成11年3

 月31日を「10−3期」という。)の運用状況を取りまとめた。 





2 労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係法令違反が認められないもの

 の、何らかの具体的な処理を求めている件数は、4−9期で7,780件であり、10−

 3期(5,537件)に比べ、2,243件・41%増となっている。 

  このうち、何らかの指導等を行い解決に至ったことを把握している件数は、 ー9期で2,771件であり、10−3期(1,478件)に比べ、1,293件・87%増とな

 っている。その内訳は、紛争解決援助の申出受理前に指導等を行い解決した件数

 が2,642件(10−3期 1,443件)、紛争解決援助の申出を受理し解決した件数が

 129件(10−3期35件)となっている。





3 なお、この1年間では、労働基準法等関係法令違反は認められないものの、何

 らかの具体的な処理を求めている件数は、13,317件となっており、このうち、何

 らかの指導等を行い解決に至ったことを把握しているのは4,249件である。その

 内訳は、紛争解決援助の申出受理前に指導等を行い解決した件数が4,085件、紛

 争解決援助の申出を受理し解決した件数が164件となっている。





4 紛争解決援助制度の申出受理件数は、4−9期で172件であり、10−3期(47

 件)に比べ、125件・266%増となっている。この半年間で、事案処理の過程で解

 決した件数は84件(10−3期24件)、都道府県労働基準局長名による助言又は指

 導を行った件数は45件(10−3期11件)となっている。

  なお、この1年間における紛争解決援助制度の申出受理件数は、219件となっ

 ている。



  





1 紛争解決援助制度の運用状況は次のとおりである(資料1「紛争解決援助制度

 の運用状況について」資料2「具体的事例の概要」参照)。





 (1) 紛争解決援助制度の対象となる相談事案



   労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係法令違反が認められないも

  のの、何らかの具体的な処理を求めている件数は、4−9期で7,780件となっ

  ている。10−3期は5,537件であったことから、2,243件・41%増加している。

  この内訳は、解雇に係るものが2,784件、労働条件の引下げに係るものが1,758

  件、その他が3,238件となっている。

   なお、この1年間では13,317件であり、この内訳は、解雇に係るものが4,889

  件(全相談件数の36.7%)、労働条件の引下げに係るものが2,760件(全相談

  件数の20.7%)、その他が5,668件(全相談件数の42.6%)となっている。





 (2) 把握している解決事案



   上記(1)のうち、何らかの指導等を行い、解決に至ったことを把握している件

  数は、4−9期で2,771件となっている。10−3期は1,478件であったことから

  、1,293件・87%増加している。

   このうち、紛争解決援助の申出前に、都道府県労働基準局における紛争解決

  援助の担当者である労働条件紛争担当官と労働基準監督署担当者が連携を図り

  、申告・相談者等に対して裁判例等を提供して当事者間の話合いを促すなどに

  より、解決した件数は2,642件である。この内訳は、解雇に係るものが933件、

  労働条件の引下げに係るものが407件、その他が1,302件となっている。

   なお、1年間に何らかの指導等を行い、解決に至ったことを把握している件

  数は4,249件となっており、このうち、紛争解決援助の申出前に、申告・相談

  者等に対して裁判例等を提供して当事者間の話合いを促すなどにより、解決し

  た件数は4,085件である。この内訳は、解雇に係るものが1,495件、労働条件の

  引下げに係るものが654件、その他が1,936件となっている。





 (3) 紛争解決援助制度の申出



   上記(1)のうち、申出を受理した件数は、4−9期で172件となっている。10

  −3期は47件であったことから、125件・266%増加している。この内訳は、解

  雇に係るものが87件、労働条件の引下げに係るものが34件、その他が51件とな

  っている。

   なお、1年間に申出を受理した件数は219件である。この内訳は、解雇に係

  るものが116件(全申出件数の53.0%)、労働条件の引下げに係るものが41件

  (全申出件数の18.7%)、その他が62件(全申出件数の28.3%)となっている

  。





 (4) 紛争解決援助制度による解決



   上記(3)のうち、4−9期で、事案処理を行い解決した件数は129件である。

  このうち、事案処理の過程で解決した件数は84件であり、都道府県労働基準局

  長名による助言又は指導を行った件数は45件である。

   なお、1年間に事案処理を行い解決した件数は164件(全申出件数の74.9%)

  である。このうち、事案処理の過程で解決した件数は108件であり、助言又は

  指導を行った件数は56件である。







2 今後の対応



  厳しい経済情勢を反映して、労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係

 法令違反は認められないものの、何らかの具体的な処理を求めている事案は増加

 しており、具体的に紛争解決援助制度の申出を行った事案も急増している。

  労働基準局としては、引き続き、本制度の積極的な運用を通じ労使間の紛争の

 早期解決に努めることとしている。

 

(参考)最低賃金制度について


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