タイトル:個別労働紛争解決促進法施行1年

     相談総数、50万件を大きく上回る

     助言・指導、あっせん件数:約4千件

     〔労働関係民事新受総件数3,567件(H13年)を上回る〕

     〜あっせん利用労働者、事業主から感謝の声〜



発  表:平成14年10月22日(火)

担  当:厚生労働大臣官房地方課労働紛争処理業務室

                  電 話 03-5253-1111(内線7737)

                      03-3502-6679(夜間直通)

ポイント



《個別労働紛争解決促進法施行後1年の実績》





1.総合労働相談件数:    544,687件

2.民事上の個別労働紛争相談件数:89,971件

3.助言・指導申出受付件数:    1,911件

4.あっせん申請受理件数:     2,115件



 昨今の厳しい経済・雇用情勢、不良債権処理等による企業倒産やリストラの加速等

により、企業と個々の労働者間の紛争(個別労働紛争)の増加は、大きな社会問題と

なっている。個別労働紛争の解決を援助する『個別労働紛争解決制度』は、リストラ

時代におけるセーフティネットとして労使双方から利用されている。

 厚生労働省としては、こうした状況に対応すべく、平成15年度の各種概算要求にお

いて、相談体制の充実を図るとともに、あっせんを行う紛争調整委員会委員の増員

(174→300名)等の要求を行っているところである。  

 『個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(別添5別添6)』の施行に伴い、

平成13年10月から各都道府県労働局において、労働局長による助言・指導及び紛争調

整委員会によるあっせん等の個別労働紛争解決制度がスタートし、1年が経過した。

施行状況は以下のとおりである。(概要は別添3、都道府県労働局別一覧は別添4◆相談受付状況

 各都道府県労働局、主要労働基準監督署内、駅近隣の建物などにおいて、労働に関

するあらゆる相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナー(約250ヵ

所)を開設しているところであるが、1年間に寄せられた相談は54万4,687件であった。

 このうち、労働関係法上の違反を伴わない、解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる

民事上の個別労働紛争に関するものが8万9,971件である。四半期ごとの推移を見ると、

確実に件数が伸びている。

相談件数の維持の図



 また、民事上の個別労働紛争にかかる相談内容の内訳は、厳しい経済・雇用情勢を

反映して、解雇に関するものが28.5%と最も多く、次いで労働条件引下げが17.4%、退

職勧奨5.9%、いじめ・嫌がらせ5.2%と続いている。

民事上の個別労働紛争相談の内訳の図



◇都道府県労働局長による助言・指導及び紛争調整委員会によるあっせん

 1年間の当該制度に係る助言・指導申出受付件数は、1,911件。あっせん申請受理件

数は、2,115件である。四半期ごとの推移は右肩上がりであるが、平成14年度第1・

四半期から第2・四半期の伸びは、助言・指導が176件、36.4%増、あっせんが273件、

50.6%増とその増加幅は、ますます大きくなっている。



 注) 助言・指導申出受付総数1,911件は、平成13年10月以降に新規に受け付けた

   件数に、旧  制度から引き継いだ申出件数55件を加えた数である。

助言・指導申出受付件数及びあっせん申請受理件数の図



◆紛争調整委員会によるあっせん

 あっせんの申請の主な内容は、解雇に関するものが41.8%と最も多く、労働条件引

下げが14.3%、いじめ・嫌がらせが5.3%と続いている。

あっせん申請内容の内訳の図

  

あっせんの実施事例は、別添1のとおり。



 平成13年10月から平成14年9月の1年間に申請を受理した事案の都道府県労働局にお

ける処理状況をみると、平成14年9月までに手続きを終了したものは1,791件であり、

このうち、合意が成立したものは714件(39.9%)、自主的解決等により申請が取り下げ

られたものは254件(14.2%)、紛争当時者の一方が手続きに参加しない等の理由により、

あっせんを打ち切ったものは804件(44.9%)となっている。

 処理に要した期間は、1ヶ月以内が59.4%、1ヶ月超え3ヶ月以内が36.6%となってお

り、3ヶ月以内に96.0%が処理されており、迅速な処理が行われているといえる。

 申請人は、労働者が2,073件(98.0%)と大半を占めるが、事業主からの申請も38件

(1.8%)となっており、労使双方からの申請も4件あった。就労状況は、正社員が

77.3%と最も多いが、パート・アルバイトが10.4%、派遣労働者・期間契約社員も8.2%

を占めている。事業所の規模は、10〜49人が29.4%と最も多く、次いで10人未満16.2%、

50〜99人16.0%となっている。また、労働組合のない事業所の労働者が59.7%である。



◆都道府県労働局長による助言・指導

 助言・指導の申出の主な内容は、解雇に関するものが、41.0%と最も多く、労働条

件引下げが16.9%、出向・配置転換6.2%、いじめ・嫌がらせ5.0%と続いている。

助言・指導申出内容の内訳の図

  

 助言・指導の実施事例は、別添2のとおり。

 平成13年10月から平成14年9月の1年間に申出を受け付けた事案について都道府県労

働局における処理状況をみると、平成14年9月までに手続きを終了したものは1,747件

であり、このうち助言・指導を実施した件数は1,208件(69.1%)、申出が取り下げられ

たものは323件(18.5%)、処理を打ち切ったものは128件(7.3%)であった。

 処理に要した期間は、1ヶ月以内が75.1%、1ヶ月超え3ヶ月以内が21.6%となってお

り、3ヶ月以内に96.7%が処理されており、迅速な処理が行われているといえる。

 申出人は、労働者が99.4%とほぼ大半を占めるが、事業主からの申出も12件あった。

就労状況は、正社員が71.6%と最も多いが、パート・アルバイトが14.8%、派遣労働

者・期間契約社員も9.3%を占めている。事業所の規模は、10〜49人が34.6%と最も多

く、次いで10人未満20.3%、50〜99人14.1%となっている。また、労働組合のない事業

所の労働者が69.2%である。

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