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II 調査結果の概要(ポイント)
1 派遣元事業所調査
(1)派遣労働者数
イ 平成12年12月1日現在派遣されている労働者の平均は、一般派遣元事業
所で171.5人(男性23.6人、女性153.1人)であり、特定派
遣元事業所で23.1人(男性16.0人、女性9.9人)となっている。
ロ 一般派遣元事業所では100人以上が派遣されていると回答した事業所
が全体の38.2%を占めたのに対し、特定派遣元事業所では1〜9人と
回答した事業所が全体の46.3%を占めている。
(2)売上高
一般労働者派遣事業の事業所の1ヵ月当たりの平均売上高は、平成11年にお
いては7,294万円であり、平成12年においては7,551万円となってい
る。
(3)派遣先数
平均派遣先数は、平成11年12月1日現在では、一般派遣元事業所で55.8
件、特定労働者派遣事業所で4.0件であったが、平成12年12月1日現在では、
一般派遣元事業所で64.2件、特定派遣元事業所で5.1件となっており、
いずれも増加している。
(4)教育訓練
イ 派遣労働者の教育訓練の受講率が80%を超える事業所の割合は、一般
派遣元事業所で34.8%、特定派遣元事業所で59.5%となっている。
ロ 派遣労働者の平均教育訓練期間は、一般派遣元事業所では7.3日、特
定派遣元事業所では15.5日であり、一般労働者派遣事業における登録
型等の派遣労働者については3.8日となっている。
(5)雇用保険・社会保険
雇用保険・社会保険の平均加入率を一般派遣元事業所についてみると、雇用
保険が68.7%、健康保険が61.7%、厚生年金が61.2%である。
(6)有給休暇
イ 派遣労働者の有給休暇制度については、一般派遣元事業所の94.8%、
特定派遣元事業所の92.6%が、制度があると回答している。
ロ 1年間で付与される有給休暇制度上の最高日数の平均は、一般派遣元事
業所では17.3日、特定派遣元事業所では21.4日となっている。
(7)実際に派遣する労働者を決定する前に行われていること
実際に派遣する労働者を決定する前に、派遣労働者が希望した場合における
派遣先への事前訪問(よくある29.0%、たまにある30.5%、計
59.5%)、派遣先からの性別の指定に対する協力(同22.3%、
24.2%、46.5%)、派遣先からの年齢制限の要請に対する協力(同
13.3%、31.6%、44.9%)、派遣先による面接の実施(同
19.7%、18.2%、37.9%)、派遣先への履歴書の提出(同
23.7%、11.7%、35.4%)等が行われているとの回答がなされて
いる。
(8)派遣労働者の雇用管理
イ 一般派遣元事業所が登録希望者を登録する際の選定基準については、希
望する業務に関する技能(59.5%)、これまでの職務経験(58.0
%)、希望する業務に関する経験年数(51.1%)の順で多く、希望者
を全員登録するとしたところは31.9%となっている。
ロ 実際に派遣する派遣労働者を決定する際に重視する点としては、業務に
関する経験年数、知識、技術、資格等が最も多く(一般派遣元事業所で
90.8%、特定派遣元事業所で82.2%)、次いで派遣先における就
業条件(一般派遣元事業所で52.6%、特定派遣元事業所で40.5%)
となっている。
ハ 派遣労働者の雇用管理上、今後重視する点としては、派遣就業の機会の
安定した確保(一般派遣元事業所の80.7%、特定派遣元事業所の
58.6%)が最も高く、続いて教育訓練の充実(一般派遣元事業所の
59.2%、特定派遣元事業所の40.8%)、派遣先との連絡体制の強
化(一般派遣元事業所の41.1%、特定派遣元事業所の37.2%)の
順となっている。
(9)紹介予定派遣
イ 一般派遣元事業所のうち、既に有料若しくは無料の職業紹介事業の許可
を受けている事業所の割合は25.9%であり、今後許可を受けることを
予定している事業所が31.6%あり、今後とも許可を受ける予定はない
とした事業所は38.8%となっている。
ロ 紹介予定派遣の予定については、一般派遣元事業所のうち、既に実施し
ている事業所が6.3%、今後実施する予定である事業所が32.8%、
検討中である事業所が23.9%となっている。一方で今後とも実施の予
定はないとした事業所は32.8%となっている。
(10)その他
イ 平成11年12月以降の派遣先数の傾向については、一般派遣元事業所では、
増加傾向と答えた事業所が50.3%、以前とあまり変わらないとした事
業所が38.2%、減少傾向と回答した事業所が8.3%となっているが、
特定派遣元事業所では、増加傾向とした事業所は14.2%、以前とあま
り変わらないとした事業所が57.3%であり、減少傾向とした事業所が
25.9%となっている。
ロ 今後の経営方針については、一般派遣元事業所の87.4%が事業の拡
大を考え、事業の縮小を考えているものは5.2%であったのに対し、特
定派遣元事業所では、事業の拡大を考えているものが47.6%、事業の
縮小を考えているものが30.1%となっている。
ハ 派遣元事業所の派遣先に対する要望としては、指揮命令者による派遣制
度の理解(一般派遣元事業所で54.6%、特定派遣元事業所で30.1
%)、派遣先責任者による派遣制度の理解(同44.8%、26.2%)、
派遣先の労働者に対する派遣制度の周知・啓発(同39.7%、19.7
%)などが主なものとなっている。
ニ 派遣元事業所の派遣労働者に対する要望としては、技能のレベルアップ
(一般派遣元事業所で67.5%、特定派遣元事業所で75.4%)、派
遣先での適応力の向上(同70.4%、56.0%)、仕事に対するモラ
ルの向上(同58.3%、39.2%)などが主なものとなっている。
ホ 派遣元事業所の政府等への要望としては、派遣期間の制限の見直し(一
般派遣元事業所で77.3%、特定派遣元事業所で48.9%)、労働者
派遣事業関係手続の簡素化(同50.9%、46.9%)、教育訓練の充
実(同22.1%、24.9%)などが主なものとなっている。
2 派遣先調査
(1)派遣先の派遣労働者以外の労働者
派遣先事業所における常用労働者の平均人数は270.0人、パート・アル
バイト・臨時等の労働者数の平均人数は28.8人となっている。また、派遣
先企業全体の常用労働者の平均人数は3059.9人となっている。
(2)派遣労働者の受入れ状況
イ 派遣先事業所における平成12年12月1日現在の派遣労働者の平均受入れ
人数は19.5人となっている。
ロ ここ1年間での派遣労働者の受入れ人数の変化については、増加した事
業所(「大幅に増加した」又は「やや増加した」と回答した事業所)が
33.0%、ほぼ変化なしとした事業所が54.8%、減少した事業所
(「大幅に減少した」又は「やや減少した」と回答した事業所)は9.6
%となっている。
ハ 派遣労働者を受入れる理由としては、欠員補充等必要な人員を迅速に確
保できるため(47.3%)が最も多く、以下、人件費が割安なため(
28.9%)、通常業務の一時的な補充のため(28.5%)、特別な知
識・技術を必要とするため(28.0%)の順となっている。
(3)派遣労働者の評価
イ 派遣労働者の評価については、戦力になるとした事業所(「大きな戦力
になる場合が多い」又は「戦力になる場合が多い」と回答した事業所)が
84.5%と大半を占め、戦力にならないとした事業所は0.4%となっ
ている。
ロ 派遣労働者を受け入れた結果の問題点としては、簡単に退職する(
22.1%)、派遣料金が割高である(20.3%)、派遣元による派遣
労働者の技能等の評価に関する情報の提供が不十分である(18.3%)
などが主なものとなっている。
(4)派遣される労働者の決定前に行われること
イ 派遣先により、派遣される労働者が決定される前に、履歴書の取り寄せ
(よくある38.0%、たまにある12.6%、計50.6%)、事前面
接の実施(同36.1%、14.4%、50.5%)、派遣労働者が希望
したときの事前訪問(同23.2%、25.3%、48.5%)、派遣労
働者の性別の指定(同24.9%、19.7%、44.6%)等が行われ
ているとの回答がなされている。
(5)派遣契約の中途解除
イ 自ら派遣契約を解除したことの有無をみると、有が14.6%、無が
80.5%となっている。
ロ 中途解除の理由をみると、要望と異なっていた49.7%、勤務状況に
問題45.3%、人間関係に問題25.1%、事業計画の変更・中止等
25.1%の順に多くなっている。
(6)紹介予定派遣
イ 紹介予定派遣の制度を知っていると回答した事業所は31.2%、制度
を知らないと回答した事業所は65.4%となっている。
ロ 紹介予定派遣の利用予定については、既に利用している事業所が6.3
%、今後利用する予定であるとした事業所が9.2%、検討中であるとし
た事業所が42.4%、今後とも利用の予定はないとした事業所は
40.3%となっている。
(7)派遣先における1年の受入れ期間制限
イ 1年の受入れ期間の制限の制度を知っていると回答した事業所は
63.2%、制度を知らないと回答した事業所は34.3%となっている。
ロ 1年の受入れ期間の制限の制度に係る問題点としては、受入れ期間が1
年間では短すぎる(58.1%)が最も多く、次いで、同一の業務の判断
が難しい(26.3%)となっている。
(8)その他
イ 派遣先の派遣元事業主に対する要望としては、派遣労働者の知識・技術
のレベルアップ(49.7%)、派遣労働者の知識等とのマッチングの充
実(43.7%)、事業所との連絡強化(19.8%)の順となっている。
ロ 派遣先の派遣労働者に対する要望としては、技能のレベルアップ(
58.6%)、職場への適応力の向上(41.5%)、実施業務の拡大
(22.7%)の順となっている。
ハ 派遣先の政府等に対する要望としては、派遣期間の制限の見直し(
49.6%)、教育訓練の充実(24.3%)、雇用・社会保険に派遣労
働者も加入しやすくする(22.2%)の順となっている。
3 派遣労働者調査
(1)派遣労働者の属性
イ 派遣労働者の性別の割合は、男性が29.9%、女性が69.7%とな
っている。
ロ 派遣労働者を年齢別にみると、20代が37.4%、30代が37.5
%、40代が15.5%、50代以上は8.3%であり、平均年齢は
34.3歳となっている。
(2)就業の状況
イ 派遣先で現在行っている仕事については、男性では、ソフトウェア開発
(30.0%)、機械設計(22.6%)、事務用機器操作(5.1%)、
営業(2.6%)の順で多く、女性では、事務用機器操作(32.9%)、
一般事務(27.7%)、受付・案内、駐車場等管理(4.9%)の順で
多くなっている。
ロ 現在の身分については、男性では登録者が17.5%、短時間、短期間
雇用労働者が3.1%、常用労働者が77.2%であり、女性では登録者
が54.5%、短時間、短期間雇用労働者が5.0%、常用労働者が
39.5%となっている。
ハ 残業については、ほとんど毎日ある者が17.0%、週2〜3日程度と
いう者が21.0%であり、月に数回程度の者が23.2%、ほとんどな
いという者が25.1%、まったくないという者は12.6%となってお
り、残業がある者の平均残業時間は、1時間〜2時間未満が33.0%と
最も多くなっている。
(3)派遣会社の選択理由
派遣会社を選択するときに重視する点としては、賃金水準(62.0%)、
労働時間・休日(47.4%)、業務の種類(44.3%)等が主なものとな
っている。
(4)労働者派遣を選択した理由
イ 登録者が労働者派遣という働き方を初めて選択した理由としては、就職
先が見つからなかった(28.8%)、仕事内容を選べる(27.6%)、
仕事の範囲や責任が明確(21.7%)の順となっている。
ロ 登録者以外の者が現在派遣労働者として働いている理由については、業
務命令が35.2%、自分で希望したという者が24.9%、希望した仕
事が派遣形態であった者が28.0%となっている。
(5)賃金の状況
イ 派遣労働者の賃金形態については、時間給が54.1%、月給が
36.1%であるが、常用労働者では、時間給が28.0%、月給が
58.5%であるのに対して、登録者では時間給が82.9%を占め、月
給は12.4%となっている。
ロ 派遣労働者の賃金額についてみると、平均時間給は、1255.0円、
平均日額では9263.2円、平均月額では18.8万円、平均年収は
239.5万円となっている。
(6)諸手当の状況
イ 派遣労働者に支給されている諸手当についてみると、通勤手当が
71.2%、賞与・一時金が49.2%支給されており、常用労働者、登
録者の別にみると、常用労働者では通勤手当が84.6%、賞与・一時金
が69.9%であるのに対して、登録者では、通勤手当が54.0%、賞
与・一時金は24.3%が支給されている。
ロ 通勤手当を支給されている者の通勤手当の額については、実費相当分は
68.1%、定額が14.9%、上限以内の実費相当分が14.2%、賃
金の一定割合が1.4%となっている。
(7)教育訓練
教育訓練を受けた者は、採用・登録時(23.7%)、働き始めてから(
26.9%)をあわせて50.6%であるが、この教育訓練の方法は、派遣先
で受けた(46.7%)、派遣会社でのOJTを受けた(31.6%)、派遣
会社でのoff−JTを受けた(24.9%)の順となっている。
(8)雇用保険・社会保険
雇用保険・社会保険の加入状況についてみると、雇用保険については加入し
ている者が78.7%(常用労働者83.9%、登録者74.9%)、加入し
ていない者が8.7%(同4.3%、12.5%)である。自己名義の健康保
険については、加入している者が70.1%(同76.9%、66.4%)、
加入していない者が12.8%(同6.9%、15.8%)である。
自己名義の厚生年金については、加入している者が67.4%(同74.5
%、63.7%)、加入していない者が13.7%(同7.0%、17.3%)
である。
(9)有給休暇
イ 有給休暇の有無については、有が89.1%、無が7.9%となってい
る。
ロ 昨年1年間に制度上、有給休暇として付与された日数の平均は13.7
日であり、その間、実際に取得した有給休暇の平均日数は7.9日であり、
平均有給休暇取得率は54.6%となっている。
(10)派遣先の決定前に行われたこと
派遣先が決定する前に、派遣先による面接の実施(よくある35.3%、た
まにある12.1%、計47.4%)、派遣先への履歴書の提出(同35.1
%、8.6%、43.7%)、希望した場合における派遣先への事前訪問(同
17.4%、13.3%、30.7%)等が行われているとの回答がなされて
いる。
(11)派遣契約の中途解除
イ 派遣契約を派遣途中で解除されたことについては、よくある(0.3%)、
たまにある(2.5%)をあわせて2.8%である。
ロ 中途解除された理由をみると、派遣先の事業計画の変更・中止等
(35.5%)、派遣先の欠員補充が可能となった(10.7%)、知識
等が派遣先の要望と食い違っていた(9.9%)の順に多くなっている。
ハ 派遣契約を中途解除された場合における派遣会社での取扱いをみると、
他の派遣先をすぐにみつけてもらった(36.4%)、期間をおいてみつ
けてもらった(手当あり)(11.6%)、期間をおいてみつけてもらっ
た(手当なし)(8.3%)の順に多くなっている。
(12)紹介予定派遣
イ 紹介予定派遣制度を知っていると回答した派遣労働者は12.6%、知
らないと回答した派遣労働者は84.0%となっている。
ロ 制度を知っていると回答した者の紹介予定派遣の希望については、希望
する(12.9%)、派遣先によっては希望する(53.9%)、希望し
ない(19.9%)となっている。
(13)派遣先の1年の受入れ期間の制限
イ 派遣先の1年の受入れ期間の制限の制度を知っていると回答した者は、
26.9%であり、知らないと答えた者は70.0%となっている。
ロ 制度を知っていると回答した者についての、1年の受入れ期間制限に違
反していた場合における派遣先への雇入れの希望については、希望する(
16.1%)、派遣先によっては希望する(40.4%)、希望しない(
33.9%)となっている。
(14)その他
イ 派遣労働者としての働き方を経験して感じるメリットとしては、仕事の
範囲や責任が明確(35.7%)、自分の能力を生かせる(29.8%)、
働きたい仕事内容を選べる(29.0%)、専門的な技術や資格を生かせ
る(28.1%)が多い。
ロ 派遣労働者としての働き方を経験して感じるデメリットとしては、身分・
収入が不安定である(45.8%)、将来の見通しがたたない(43.6
%)、賃金水準が低い(31.8%)、技能が向上しても評価が上がらな
い(27.6%)が多い。
ハ 派遣労働者の派遣会社への要望としては、勤続年数に応じた給与(
44.6%)、継続的に仕事を提供(37.2%)、実力や能力に応じた
給与(35.4%)の順となっている。
ニ 派遣労働者の派遣先に対する要望としては、特に希望するものはないが
39.1%で最も多く、次いで、年次有給休暇をとりやすく(19.7%)、
派遣契約以外の仕事をさせない(18.1%)の順となっている。
ホ 派遣労働者の政府等に対する要望としては、特に希望するものはない(
29.1%)が最も多く、次いで、苦情が起こった時の相談窓口の設置等
(25.6%)、教育訓練の充実(24.7%)、派遣期間の制限の見直
し(23.8%)の順となっている。
* なお、当調査の各質問項目に対する集計結果表等の詳細な結果については、厚生
労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp)に掲載されています。
資料入手を希望される方は、職業安定局民間需給調整課労働者派遣事業係(電話
03−5253−1111(内線5827))までお問い合わせください。
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