トップページ


 5.多様で柔軟な働き方の展望





 (1)今後企業内の労働者構成は、より多様性を増すと予想



   ・有識者調査結果によれば、企業内で働く労働者構成は、生え抜きの正社員が

    減少し、労働時間や就業場所、仕事を限定して働く正社員や非正社員が増加

    することが予想される(図表8)。





 (2)働き方の多様化、柔軟化のためには、二極化した働き方の中間形態の創出が

    課題



   ・多様で柔軟な働き方の選択肢を拡大するためには、二極化した働き方の中間

    的な形態を作り出す必要があり、その際、正社員の働き方の選択肢を拡大す

    るとともに、非正社員の処遇を向上するという道筋が考えられる。





  (3)中間形態を作る一つの方策が、正社員の働き方の多様化。そのために、

     拘束度と雇用保障、処遇の柔軟な組み合わせが必要



   ・正社員の働き方については、拘束度、雇用保障、賃金・昇進等の処遇の柔軟

    な設定により、それらの組み合わせを多様化することによって、働き方の多

    様化、柔軟化を進めることとなろう。



   ・正社員の働き方の多様化・柔軟化についての有識者調査の結果は、以下の

    とおり。





    a.短時間正社員

      労働時間の拘束度が低い正社員である「短時間正社員」については、配

     置の柔軟性の低下」や「育成、キャリア管理の困難さ」、「仕事の与え方

     の困難さ」、「仕事の引継ぎに伴う生産性低下」等が企業にとっての課題

     として提起されている(図表9)。能力開発の機会や雇用保障は他の正社

     員と同等にすべきという意見が多いが、賃金水準は「同等」と「他の正社

     員よりも低い」とが拮抗し、昇進可能性は他の正社員よりも低いことが容

     認されている(図表12)。



    b.勤務地限定正社員

      就業場所の拘束度が低い正社員である「勤務地限定正社員」については、

     「配置の柔軟性の低下」と「事業所閉鎖時等の雇用維持の困難さ」が大き

     な課題と考えられる(図表10)。能力開発の機会や雇用保障については、

     他の正社員と同等とすべきとの意見が8割前後を占めるが、賃金水準と昇

     進可能性については、他の正社員を下回ってもやむを得ないという意見が

     6〜7割と多数を占める(図表12)。



    c.職種限定正社員

      仕事内容の拘束度が低い正社員である「職種限定正社員」については、

     「事業転換時等の雇用維持の困難さ」、「配置の柔軟性の低下」が大きな

     課題である(図表11)。能力開発の機会や雇用保障については、他の正

     社員と同等とすべきとの意見が8割弱を占め、昇進可能性についても半数

     強は他の正社員と同等にすべきという意見である。賃金については、他の

     正社員と異なる決定方式が適当との意見が2/3程度を占める。





 (4)中間形態を作る第二の方策は、非正社員の処遇改善



   非正社員については、その処遇の改善が大きな課題である。特に基幹的な仕事

  に就く非正社員が増加しており、こうした労働者については、処遇を正社員に近

  づけたり、正社員への転換を可能とすることが必要となる。

                        TOP

                      トップページ