トップページ


 3.働き方の現状





 (1)性別・年齢により能力発揮ができない層が存在



   ・能力発揮の現状については、労働者の性別や年齢といった個人属性によって

    差があり、20〜40歳代の女性や50〜60歳代の男性など能力発揮が十

    分できていない層が存在していると考えられる(図表1)。





 (2)安定した雇用、高い処遇の反面、拘束度(労働時間、就業場所、仕事に関す

   る自己選択の自由度)が高いいわゆる「正社員」と、拘束度が低い反面、雇用

   の安定性、処遇面での条件が低いいわゆる「非正社員」とに、働き方は二極化



   ・いわゆる「正社員」は、一般的に、雇用の安定性が高く、長期的な視点から

    育成が行われ、賃金や昇進等の処遇も相対的に高い。反面、企業は、解雇に

    よる外部柔軟性(必要な人材の確保、不要な人材の排出)が制約されるため、

    景気変動に応じた労働時間調整や配置転換等により、内部柔軟性を高める政

    策をとり、正社員は、労働時間や就業場所、仕事についての自己選択が制約

    されており、拘束度の高い働き方となっている(図表2)。



   ・いわゆる「非正社員」は、企業から予め提示された範囲内であれば、労働時

    間や就業場所、仕事について自己選択が可能であり、拘束度の低い働き方と

    なっている。反面、雇用の安定性や処遇の面で正社員に比べると大きく見劣

    りするのが一般的で、現状における正社員と非正社員との間の処遇面での格

    差は、労働者にとって納得できる合理的範囲を超えている場合が多い

    (図表3図表4)。



   ・正社員と非正社員の働き方の二極化は、労働者が望む働き方のメニューが用

    意されていなかったり、用意されていたとしても極端に低い処遇等とセット

    になって提示されるという事情から、結果として働き方を選択できない状況

    を生じさせている(図表5)。





 (3)現状の労使関係が、働き方の多様化・柔軟化に対応できているとは言い難い



   ・これまで、正社員を中心とする均質的な労働者を代表する労働組合が労働者

    の利益代表として労働条件改善に取り組んできたが、働き方が多様化、柔軟

    化するという変化の下で、労使が合理的に合意を形成する仕組みは構築され

    ていない。

                        TOP

                      トップページ