タイトル:21世紀の労働衛生研究戦略協議会報告書について



発  表:平成12年12月25日(月)

担  当:産業医学総合研究所企画調整部

                 電 話 044-865-6111(昼夜共通)




 事業場の労働衛生活動や労働衛生行政施策の基礎となる労働衛生研究に関しては、

産業構造や就業形態の変化等に伴う新たな課題、有害化学物質対策等、現在において

も十分に解決されていない課題が山積している。 

 このような中で十分な研究成果を上げるためには、広範な研究者の力の結集と研究

資源の活用により、優先度の高い研究課題から取り組んでいく必要がある。 

 このため、労働省産業医学総合研究所を事務局とし、我が国の労働衛生の専門家か

ら構成された「21世紀の労働衛生研究戦略協議会(会長:館正知 元岐阜大学学長)」

が開催され、21世紀に我が国において重点的に取り組まれるべき研究課題、研究展

開の方策を検討してきたが、今般、「21世紀の労働衛生研究戦略」として報告書が

とりまとめられた。その概要は以下のとおりである。 





(1)「21世紀の労働衛生研究戦略」は、21世紀の初頭10年間に重点的に実施

  すべき研究課題の内容と、研究展開の方策を示すことにより、労働衛生研究の効

  果的な推進を図るものである。 







(2)重点研究領域及び優先研究課題

   優先度の高い研究領域としては、次の3つの重点研究領域がある。 



   <1> 労働負荷と健康影響の把握という観点から「産業社会の変化により生ず

     る労働生活と健康上の課題に関する研究領域」 



   <2> 有害性機序の解明という観点から「職場有害要因の生体影響に関する研

     究領域」 



   <3> 管理方策という観点から「リスク評価と労働安全衛生マネジメントシス

     テムに関する研究領域」 



   これらの重点研究領域に含まれる優先研究課題として18課題がある。

  

(優先研究課題及びその具体的内容については、別紙参照) 





(3)研究展開のための方策



  イ 国民的理解の促進

    労働衛生研究の重要性について国民的理解を得るための広報活動を展開する。



  ロ 労働衛生研究に係る機関・関係者への広報 

    本研究戦略の趣旨等について、研究機関・研究者その他の関係者に対する広

   報活動を行い、研究への参加、協力等の拡大を図る。 



  ハ 研究機関の機能の充実及び研究機関・研究者間の連携 

    研究機関の機能の充実を図るとともに、研究機関・研究者間の連携を、継続

   的かつ組織的に進める。



  ニ 人材活用と育成 

    教育研究機関、企業等の間での人材交流、国際交流を進めるとともに、長期

   的視点から人材の育成を図る。



  ホ 研究費の確保 

    多様な研究資金源を活用し、必要な研究費を確保するとともに、効率的な使

   用を図る。 



  ヘ 施設・設備の充実と有効活用 

    情報システム等の研究支援体制の整備、共同研究や施設共同利用の促進等を

   図る。 



  ト 現状分析と評価に基づく研究展開 

    新たな労働衛生上の問題の発生の把握、研究成果等の分析を行うとともに、

   優先18課題に関する研究の進捗状況を評価し、次の段階の研究展開の方向を

   明らかにする。 



  チ 戦略に基づく研究展開の促進 

    イからトまでの方策が実行されるためには、各研究機関・研究者において主

   体的に取り組まれることが不可欠であるが、それを支援・促進するため、本戦

   略の進捗状況等をフォローアップすることが必要である。 

 

図 労働衛生上の課題解決における重点3領域の相互関係と役割

21世紀の労働衛生研究戦略協議会報告書

(参考)21世紀の労働衛生研究戦略協議会 参集者名簿


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