タイトル:中央職業安定審議会専門調査委員雇用保険部会報告について



発  表:平成11年12月10日(金)

担  当:労働省職業安定局雇用保険課

                 電 話 03-3593-1211(内線5761)

                     03-3502-6771(直通)




 中央職業安定審議会専門調査委員雇用保険部会(部会長 樋口美雄 慶應義塾大学

教授)は、平成11年8月27日の中央職業安定審議会(会長 西川俊作 秀明大学教授)

において、当部会からの「雇用保険の見直しについて(中間報告)」を踏まえ、雇用

保険制度の見直しについて更に具体的に検討を深めることとされたことを受けて、同

年9月16日以降本日までの間に9回にわたり検討を重ねてきたところである。

 今般、その結果を別添「雇用保険部会報告」(略)として取りまとめ、本日、中央

職業安定審議会に報告し、全会一致で了承を得た。

 労働省としては、これを受けて、次期通常国会への法案提出に向け、法案要綱を作

成し、中央職業安定審議会に諮問する予定である。







概 要



 1 雇用保険制度の再構築の必要性

 

   当面の厳しい雇用失業情勢に加え、少子・高齢化の進展、雇用就業形態の多様

  化等、雇用を取り巻く状況が構造的に変化するなかで、雇用保険制度は、極めて

  厳しい財政状況に直面している。 

   一方、こうした状況変化のなかで、中・高年齢者の在職中からの再就職援助対

  策の充実や労働力需給調整機能の強化など、雇用に係るセーフティネットの再編

  成を図るための検討が別途進められている。 

   このような中で、雇用保険制度が、今後とも、その安定的運営を確保しつつ、

  雇用に係るセーフティネットとしての他の諸施策との有機的連携の下に、その役

  割を果たしていくようにするためには、社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、適

  用、失業等給付、三事業、負担の各面にわたり、早急に制度の再構築を図る必要

  がある。 









 2 雇用保険制度の再構築



  (1) 早期再就職を促進するための給付体系の整備 



    @ 求職者給付の重点化 



     ・ 現行の給付日数の上限と下限に配慮しつつ、定年退職者を含め、離職

      前から予め再就職の準備ができるような者に対する給付日数は圧縮する

      一方で、中高年層を中心に倒産・解雇等により離職を余儀なくされた者

      には十分な給付日数が確保されるようにする必要がある。 





    A 職業能力開発に係る給付の改善 



     ・ 訓練延長給付について、訓練の早期開始に留意しつつ、十分な訓練期

      間の確保が図られるようにする必要がある。 



     ・ 在職中から高度で多様な教育訓練を受講しやすくなるよう、教育訓練

      給付の支給に係る要件を緩和することとする。 





    B 再就職手当の改善 ・ 暫定特例措置(20日上乗せ)を廃止するとともに

     、支給残日数に応じてなだらかに逓減する仕組みに改める必要がある。 







  (2) 雇用就業形態の多様化への対応 



    ○ 短時間労働者、登録型派遣労働者に係る適用基準の改正 



     ・ 短時間労働者、登録型派遣労働者については、年収(90万円)要件に係

      る基準を廃止することとする。併せて日額の最低基準を見直す。 



     ・ 登録型派遣労働者については、改正派遣法の施行により、拡大された

      業務については派遣先での就業が一年を超えないものに限定されたこと

      等を踏まえ、同一派遣先での就業が一年を超えない短期のものであって

      も派遣労働者として働く場合には、雇用保険の適用があることが明確に

      なるよう、適用基準を改正する必要がある。







  (3) 少子・高齢化の進展に対応した就業支援対策の見直し

 

    @ 雇用保険三事業の見直し 



     ・ 雇用に係るセーフティネットの再編成の一環として別途行われている

      、定年退職者等の再就職に向けた労働者自身の主体的な活動に対する支

      援など、中・高年齢者の在職中からの雇用の安定、再就職援助対策の強

      化・充実についての検討結果を踏まえ、必要な見直しを行うこととする

      。 



     ・ 雇用福祉事業について、雇用促進住宅及び福祉施設の新設を取り止め

      たことを踏まえ、所要の規定の整備を行うこととする。 





    A 育児休業給付・介護休業給付の見直し 



     ・ 給付率の引上げについて、他の関連諸施策の動向も見つつ、検討する

      必要がある。 







  (4) 雇用保険財政の在り方

 

    ○ 保険料率及び国庫負担に係る附則暫定措置については、設定当時と前提

     背景が大きく異なっていることから、廃止する必要がある。 



    ○ その上で、保険料率については、今後予想される失業水準を前提にしつ

     つ、それを超える事態が生じた場合でも機動的な対応が可能となるように

     し、雇用保険制度の安定的な運営が確保できるようなものに改める必要が

     ある。 









3 今後の課題



  (1) 早急に着手すべき課題(略) 



    @ 雇用保険制度等の適切な運営について(略)

 

    A 三事業における各種給付金の整理合理化等(略)





  (2) 今後検討すべき課題(略) 



 

雇用保険部会における検討状況

中央職業安定審議会専門調査委員雇用保険部会委員名簿


  



 中央職業安定審議会専門調査委員雇用保険部会は、平成11年8月27日の中央職業安

定審議会において、当部会からの「雇用保険の見直しについて(中間報告)」を踏まえ

、雇用保険制度の見直しについて更に具体的に検討を深めることとされたことを受け

て、同年9月16日以降12月10日までの間に9回にわたり検討を重ねてきたところであ

るが、今般、その結果を別紙のとおりとりまとめたので報告する。







平成11年12月10日



                    中央職業安定審議会専門調査委員

                     雇用保険部会

                       主任委員  樋 口 美 雄



中央職業安定審議会

 会 長   西 川 俊 作  殿




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